下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

【新外国人投手】今日は試合が無かったので、先日、獲得が発表されたカイル・マーティン(Kyle Martin)のデータを掘り下げてみました。

今日は試合が台風で中止になりました。
雨には勝つことがデキません。
先発投手については、
こちらがウルフのスライドではなく榎田
あちらがボルシンガーのスライド登板。
榎田はロッテに相性が良く、
状態さえ悪くなければ大丈夫そう
という気がしますが、
問題は獅子威し打線が
ボルシンガーを打ち崩せるか?

ですね。


ところで、今日は先日、獲得が発表された
カイル・マーティン(Kyle Martin)について、
確認してみたいと思います。


さて報道では、
次のような特徴が伝えられています。
◇2メートル01の長身右腕の27歳
◇直球は150キロ台。変化球も多彩に操るという。
◇メジャー経験は17年の2試合だけ
◇今季は3Aで30試合に登板し
 3勝2敗1セーブ、防御率3・33
 51回1/3を投げ、
 イニング数を上回る57奪三振


まず投球フォームについては、
You Tubeの動画を見ると

西武新外国人 カイル・マーティン(Kyle Martin)投手 動画まとめ


その中から抜粋してみました。


外国人投手らしい大らかなフォームです。
まあ走者にはザルのように走られそうですが、
2m超の長身から投げ下ろす
投球角度はかなりあります。
逆にこの長身なので
ある程度の立投げ傾向はやむを得ないですが、
投げ急ぐと、身体が開きやすくなり
手離れが早まり制球を乱す懸念
は否めません。


球種については、
ストレートが148~151km/hくらいで
最高155km/h程度らしいです。
変化球については、
左右に揺さぶるスライダー(133~137km/h)と
ストレートと同じ腕の振りで投げる
サークルチェンジ(127~132km/h)
が武器のようです。
※参考資料
http://www.soxprospects.com/players/martin-kyle.htm


さて、3A成績について見てみます。
セーブ数やホールド数などは略しました。
見たいところだけ抜粋しています。
(※左右別被打率:2016年は把握できてません)


ついでに、今年の試合毎成績です。


まず試合数回数(イニング)を見ると、
回数/試合数が1.7~1.9となっており、
今年も2イニング以上を投げております。
すなわち、回マタギが可能のタイプです。
ただし、球数については、
今年の結果(下表)を観ると
1イニング当たり平均16.6球/回
15球/回を目安にすると、
球数が多いタイプと思われます。
球数が多いというのは
奪三振もあるでしょうが、
与四球が多いことに起因している
可能性が考えられます。
ちなみに、
今年は51回1/357奪三振です。
一方、被安打が39本ですが、
与四球が28個でます。
単純に1イニングで
1.3個の被安打&与四球の出塁を
許していることになります。
ただし、1.3という数値は
そこまで悲観する必要はないでしょうが、
昨年の1.5個は多いかな、と思います。
なお、米国3AとNPBで単純に比較できませんが、
他のNPB投手の数値をはじき出すと、
増井(オ)1.22、内(ロ)1.18、
トンキン(日)1.23、ハーマン(楽)0.94、

山本(オ)0.81、益田(ロ)1.08に対し、
森(ソ)1.40、石川(日)1.43、
松井(楽)1.66
であり、
西武では、平井1.27ですが、
増田1.68、カスティ1.41、
ワグナー1.59、野田1.76
です。


また三振率K/9は、
16年10.53、17年8.39、18年9.99
まずまず上々の数値と思われます。
角度のある球で球威もあり
空振りが奪える可能性が想定されます。


ちなみに、
SO/AO(=ゴロアウト/フライアウト)
16年0.93、17年0.59、18年0.80であり、
フライアウトタイプのようです。
そこで気になるのが、
本塁打被弾などの被長打です。
ただし、被本塁打率HR/9
昨年が1.17本/回と多いのですが、
今年は0.35本/回と改善しています。
それなりに球威があるのかな、
と推測されます。
ちなみに、他投手の被本塁打率HR/9は、
山本(オ)0.23、トンキン(日)0.26、
ハーマン(楽)0.53、石川(日)0.53、
松井(楽)0.56、
内(ロ)0.61、
増井(オ)0.81、益田(ロ)0.84、
森(ソ)1.24
であり、
西武では、
カスティ0.61、ワグナー0.93、
野田1.23、平井2.35です。
なお、増田は0.35と意外と低いです。
(昨年は1.12)


被安打率については、
16年0.239、17年0.27118年 0.211
昨年が高め傾向でしたが、
今年は2割ちょっとと改善されています。
左打者・右打者別で見ると、
昨年は左打者0.202に対し、
右打者が0.340と圧倒的に悪かったです。
ただし、今年は
左打者0.202に対し、
右打者が0.219とだいぶ改善されています。


WHIPについても
昨年は1.53と悪い状態ですが、
今年は1.31に改善されています。
ただし、WHIPが1.31というのは
そこそこ平均的なところなので
良好とまではいいがたいです。


やはり気になるのは、
与四球率BB/9です。
16年は2.84だったのですが、
昨年17年は4.36と高くなり、
今年18年は4.91とさらに悪化しています。
当然、日米で野球が異なりますし、
マウンド、ボールも違いますから
米国成績がそのまま日本で適用できるかは
疑問が残るわけですが、
与四球は投手一人相撲の面がありますから、
やはり気になる数値です。


ちなみに、
他投手の米国時代成績を例に
比較してみると、

オリックスのアルバースは、
現在、与四球を出さない状態であり、
与四球率BB/9は
米国時代でも良好な数値
です。
楽天のハーマンは、
来日前年2016年の
3Aでは1.72と良好でした。
昨年のNPBでは2.21、
今年は2.91とまずまず
です。
ワグナーは、意外にも
3A時代の昨年は2.98
現在(6.20)ほど悪くありません。
昨年のシュリちゃん
西武に来る前年が4.50であり、
帰国した今年が3.53でした。
改善されていますが、
昨年の西武時代に4.10であったように
相変わらず制球力はあまり良くない
というところでしょうか。


今回のカイル・マーティン
一昨年のシュリッターくらいの
与四球率BB/9
という感じ
です。


今までの獅子の外れ外国人投手には、
自滅型投手というのが多かったです。


カイル・マーティンも
制球力が大きな課題になりそうです。


なお、今年のストライク率を見ると、
全投球数855に対しストライク球が526なので
ストライク率が61.5%と換算されます。
下図は、データは2015年と古いですが、
ストライク率と被出塁率の相関を示した図です。
そこにカイル・マーティンのストライク率を
赤線で加筆しました。
青線がNPB平均値のようです。

*図出典
http://www.baseball-lab.jp/column/entry/296/
ストライク率から分かること タイムリーdata vol.81
(新家孝麿、 baseball-lab)


上図に当てはめると、
カイル・マーティンのストライク率61.5%は
NPB平均値を下回っており、

NPB被出塁率が0.33~0.34程度と推測されます。
今年の3Aでは3割程度ですが。。。


色々、数値はありますが、
いずれにしても、現在の獅子投手陣は、
猫の手でも借りたいくらいの窮地
です。
カイル・マーティンの活躍を
願っております。
頼むぞ、マーティン!