下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

プロの捕手って大変なんだなぁ。【元ロッテ・里崎智也に聞く】リードの善し悪しが「結果論でしかない」の真意は?(週刊ベースボール)

面白い記事がありましたので、
添付いたします。


捕手については、
「データと感性」ね。


里埼氏の場合
他チーム打者120人の特性は
80%頭に入って酔っていてもすぐに答えられる。
残り20%は直前に確認する。
そして、その上で駆け引き等を対応する。


もちろん、データ掌握は
基礎的部分であり、その土台無くは厳しく、
一方、その土台だけ、データだけでは通じない。


すなわち、プロの捕手とは、
対象データ数が多すぎるけれども、
それらデータ掌握は当たり前のことであり、
それを嫌がる性格ではプロの捕手は失格。
その上で感性(観察力、分析力、洞察力)
による臨機応変の対応(応用)
多々求められる大変なポジションということですね。


野村氏が以前、巨人・阿部に関して、
キャッチャーの成長の場は日本シリーズ。
 リードはからきしだと思っていた阿部も、
 日本シリーズを経験してからは見違えるように成長した。
 短期決戦での1球の大切さ、
 重みを経験したからこそだろう。」
と述べています、


短期決戦はCS1では短すぎますが、
日本シリーズくらいがちょうど良く、
データを全て頭に入れているのは当たり前だけど、
相手との駆け引き、その試合やシリーズ全体の流れ・展開、
その状況に応じ自チームの力を発揮させる促進度、
プロの捕手に必要な様々な要素が
緊迫した大舞台の中で凝縮されているから
良い経験になるんでしょうね。


ただし、基礎的前提となるデータ掌握について、
◇チャンスがあらば習得していくという欲が無く、
◇苦手かもしれないけど
 その努力を受け入れることができない、
 アレルギー反応を示してしまう。

その努力を嫌がる、拒否反応示す性格では
マスクをかぶる以前の
プロ捕手として資質を問われる問題ということなんですね。



【元ロッテ・里崎智也に聞く】
リードの善し悪しが「結果論でしかない」の真意は?
9/10(日) 16:01配信
読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は捕手編。回答者はロッテ2度の日本一、WBC初代世界一に貢献した、元ロッテの里崎智也氏だ。
Q.リードの善し悪しは「結果論でしかない」と里崎さんが解説で話しているのを聞きました。あらためてその真意を教えてください。また、里崎さんは現役時代、対戦相手のデータをどの程度活用し、リード・配球に生かしていたのでしょうか。(高知県・28歳)
.
A.良いリード、悪いリードは勝敗によって語られる。100パーセント完封勝利できるパターンなどあり得ない。
 キャッチャーとリードは、いつもセットで語られるものです。特に私が現役を退き、解説を仕事にさせてもらうようになってから、リードの善し悪しについて質問される機会がとても増えたのですが(試合解説の中でアナウンサーさんから振られることも多いです)、「リードは結果論でしかない」が私の持論。そうそう簡単に答えられるものではありません。


  プロ野球で16年、8歳から野球を始めて32年プレーしてきて、“良いリードの定義”を聞いたことがないんです。1度もですよ。仮に「リードが良い」と言われる選手がいても、ピッチャーの力量やその日の状態、対戦相手によって悪い結果が出ることもありますし、連敗することもあります。これだけでも“良いリード”の基準がいかにあいまいにとらえられているか、分かっていただけると思います。“この型に当てはめれば100パーセント完封勝利ができるリード”などあり得ないのです。


  ちなみに、完封勝利をして、「このキャッチャーのリードはヘタクソ過ぎる。ゼロ点だったけど、ピッチャーの力量だけで完封できたな」という話を聞いたことがないですし、逆に10点取られて試合に負けたとしても、「キャッチャーのリードは完ぺきだったけど、ピッチャーがついてこられなかったね。でも、リードは良かったよ」も聞いたことがないですよね。つまり、世間一般で語られている客観的な「リードの善し悪し」は、結局のところ、結果でしか見られていないということです。キャッチャーのリードを批判する解説者がいますが、その多くはすべて事が起きてからです(その過程で冷静に疑問を呈する人もいます)。


  私が「リードの善し悪しは結果論でしかない」と言うのも、リードに正解などなく、結局のところ、チームの勝利に結びついているかどうかが重要だからです。


学ぶことで良い結果に導くことは可能。データと感性の両方をうまく活用する。
 ただし、「結果論」とは言っても、キャッチャーが学ぶことで、良い結果に導く可能性を高めることは可能ですし、それこそがキャッチャーの果たすべき役割だと私は考えています。その第一歩が相手バッターと味方ピッチャーを知ることでしょう。


  私は現役時代、マリーンズに所属していましたが、同じリーグのパ対戦球団5球団に関しては一軍半まで交流戦や日本シリーズで対戦するセ・リーグ6球団に関してはレギュラークラス(9~10人)のみ合わせて約120人の打撃傾向を、常に頭の中に入れていました。
  例えばカウント別での対応や打球方向、コース別成績(好きなコースや苦手なコース)、長所、短所、クセ、調子がいいとき、悪いときの違い、自チームの投手別のデータなどで、これらの情報を100パーセントとは言わないまでも、80パーセントについては、いつ何時、どんな状況で質問されても、即座に答えられるように準備していました。


  極端な話、睡眠中にたたき起こされても、お酒をたしなんで酔いが回っていても、「日本ハム・中田(翔)のデータは?」と聞かれれば、瞬時に答えられるのは当然でした。これらのデータを頭の中にそろえておくことは、プロのキャッチャーとして最低限の条件。
  残りの20パーセントはその日の試合の直前や攻撃中のベンチで、ノートやメモを見て確認する。1球を導き出すためには予備知識が必要で、そのためにも1打席ごと、1試合ごとに情報は最新のものへアップデートを繰り返します。つまり、対戦が増えれば増えるほど、同じ80パーセントでもより濃い80パーセントになっていくわけです。その上での駆け引きであり、結果論なわけです。


  とはいえデータに縛られ過ぎることもありませんでした。変化球が有効というデータが出ていても、ストレートに振り遅れているのが分かれば、どちらを選択すべきかは明らか。そこで変化球を投げて、タイミングが合ってしまうことも考えられるわけですから、キャッチャーはその場、その場で何を感じ取ることができるか、も求められています。相反するようですが、データと感性の両方をうまく活用することを意識していました。


 ●里崎智也(さとざき・ともや)
週刊ベースボール