下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

【天敵問題】鷹・柳田と鷲・岸はどちらも獅子の天敵という存在。その天敵同士の対決した結果を皮切りに、宿敵・岸をあれこれ見直してみると。。。

西武から見れば
鷹・柳田と鷲・岸はどちらも天敵です。
特に鷲の岸は負けてはならぬ相手であり、
獅子の意地を見せなければならぬ相手です。


そんな天敵同士の対決した記事
以前、出ておりました。
昨年5月14日のソフバン戦での記事です。
その対決から何が伺えるか・・・

<E番ノート・球譜>岸と嶋、配球の妙/直球3球で柳田三振
2017年05月19日金曜日(河北新聞)
 五回に茂木の満塁弾などで一挙6得点して、東北楽天が首位攻防第2戦に勝った14日のソフトバンク戦。直前の四回、1-0の最少リードで相手の中軸を抑える岸の好投が打線の援護を呼び込んだ。中でも1死走者なし、前日に今季初の3安打を記録し調子づく3番柳田を直球3球だけで空振り三振に仕留めた場面が象徴的だった。直球に抜群の切れと制球力がある岸と、持ち味を引き出す嶋のリードが真骨頂を見せた。


<前打席を伏線に>
 1球目は外角低めいっぱいの143キロ。柳田が待ち球と違ったような雰囲気で見逃して1ストライク。続く2球目の142キロも同じコースを突いて、2ストライク。柳田は途中まで振りにいって止めた。3球目は内角膝元へのボール球の141キロ。追い込まれた状況で柳田のバットは空を切った。
 バッテリーが柳田を手玉に取った理由は三つある。
 一つ目は、一回の前打席を伏線にして柳田の裏をかいた配球。一回、初球で内角を突いた後に外攻めを続けてからの4球目、外角低めへのチェンジアップを拾わせて中飛にさせた。
 四回の対戦、バッテリーは、前の打席に打ち取られた球を狙う打者心理がある、というセオリーを生かした。初球は、一回の決め球と同じようなコースでも変化球を選択せず、「調子が抜群だった」(嶋)という直球を配した。
 二つめは、岸が針の穴を通すような制球力で外角低めを突いたこと。打者の手が届きにくく、見極めが難しい外角低めへの直球でストライクを取れるかどうかは、投手の力量そのものを示す。嶋が若手時代に指導を受けた野村元監督が「原点能力」と呼んだ一流投手の条件の一つだ。


<巧みな内角攻め>
 この日、岸の直球には普段以上に打者がミートしづらい伸びがあり、嶋は「当てられてもファウルになる」と確信。岸も「狙ったところに大体投げられた」と2球連続で応えて、一気に2ストライクに追い込んだ。
 三つめは、巧みな内角攻めだ。柳田が最後に空振りした膝元への直球は意外にもボール球だった。内角を意識付けさせ、その後の配球の幅を広げるための見せ球で、嶋は「勝負球のつもりではなかった」。だがなぜその球で勝負が決したのか。与田投手コーチは「岸なら内角攻めで、甘いストライクは投げない。だから結果的にはボール球でも、際どくストライクになりそうな球に相手は手を出してしまう」と分析する。
 単に小気味いいだけではなく、岸と嶋の技が凝縮された珠玉の奪三振シーンだった。(金野正之)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ところで、
©データで楽しむプロ野球さんの
ホームページ掲載データから
2016~2017年の2ヶ年で
岸の球種等を見てみますと、


岸の球種は
2017年が
 ストレート:約57%
 カーブ  :約17%
 チェンジU :約17%
 スライダー:約 9%
2016年が
 ストレート:約50%
 カーブ  :約14%
 チェンジU :約17%
 スライダー:約18%
とスライダーが減って
カーブストレートが増しています。
岸のカーブはキレがありますが、
楽天に行って故障を気にしなくなったのか、
宝刀であるカーブの頻度を上げてきました。
そして
チェンジアップか、カーブかで迷わせながら
ストレートも増やして鋭く突いてくるから
厄介です。


また2016~2017年の2ヶ年における
コース別被打率を左右打者別で見ると、
右打者には
2ヶ年とも内外の低めは被打率が低く、
昨年が内角頻度が高まっており、
内角の被打率が高低関わらず低め。

左打者には
2ヶ年とも外の低めは被打率が低く、
一昨年が外角高めも低かったけど、昨年はアップ。
逆にインハイ気味は被打率が低めに。
真ん中低めも被打率は低いけれど、
一般的なアウトロー、インハイで打ち獲る印象。
また昨年は一昨年と比べて
左打者に対しては外角攻めの頻度が増。
まあ外角好き嶋のリードもあるでしょうが。


------------------
上記記事での柳田との対決を見ると、
最初の打席で
初球で内角を突いた後
外攻めを続けてからの
4球目外角低めチェンジアップを
打たれて中飛。
問題の次の打席は、
1球目は外角低め一杯
柳田は待ちが違って見逃し。
柳田は内角を待っていた?
それとも変化球を待っていた?
2球目の同じコースを突いて、
柳田は途中まで振りにいって止めるが、
ストライクで追い込まれる。
3球目は
内角を意識させる見せ球のつもり
内角膝元へのボール球も、
追い込まれた柳田は空振りで三振。
追い込まれていた中で、
柳田も振りに来るタイプですから、
また岸がストライク一杯を
際どく突いてくるタイプだから、
空振りした感じですね。


まあこれは制球力の優れる岸だから
できた芸当であるのは確かであり、
これが十亀や光成、多和田ら
制球力の低い西武勢投手陣だったら、
柳田も堂々と見送っていたでしょうね。
これを今の西武勢投手陣にやれ!
とは言い難いのが現状です。
それでも少しは柳田攻略に
参考になるかも
しれませんが。


とりあえず、
ここで注目したいのは
新たな天敵となった岸の配球です。


この日の左打者である柳田に対しては、
嶋がリードしていることもあるでしょうが、
基本的に外角攻めで組み立て
カウントを稼いでいます。
ただし、柳田のコース別打率は、
内外で比べると、どちらかと言えば、
外角の方が内角より打率が高い傾向ですから、
内角攻めで打ち獲りたくなります。
1打席目は外角攻めチェンジアップ
中飛に打ち獲りますが、
2打席目の最初は柳田自身も
内角又は変化球を意識して
初球外角低めストレートを見逃し。
2球目は初球ストライクになったから、
同じ外角なら外してくるだろうと意識し
内角勝負の頭もあっただろうから、
半端にバットを止めてしまい、見逃し。
で、3球目は内角勝負と思って振りに行くけど、
コースを外されていて空振り。
嶋自身も外した3球目は
内角への意識漬けさせるための
見せ球のつもりで投げさせており、
柳田攻めに対しては、
内角を意識させておいて、
外角で勝負することが基本的な戦略。
柳田に限らずですが、
どの打者にも共通でしょうが
カーブやチェンジアップを
意識させて際どくストレート勝負
することも基本的な戦略。


では同じ左打者の秋山に対しては?
秋山の右投手に対するストライクゾーンの
コース別打率を見ると
    内角  中央  外角
高 め 0.387 0.424 0.533
真ん中 0.333 0.559 0.362
低 め 0.346 0.459 0.200
外角低めしか穴がありません。


10/16のCS1st第2戦の楽天戦(inMLD)
を見ると、
【1回裏】
◇無死先頭の場面で打席に
 初球、 中の高めに甘く入るストレート
     センター前に落ちるぽてんの二塁打
【3回裏】
◇二死の場面で打席に
 初球、 内角低めカーブを
     セーフティの構え見逃す
  2球目、内角高めにストレートを外す
  3球目、内角高めストレートを詰まらせ一飛
【6回裏】
◇一死の場面で打席に
 初球、 外角ストレートを見逃し
  2球目、外角チェンジアップをファウル
  3球目、外角低めに外す
     チェンジアップをファウル
  4球目、外角にカーブを外す
  5球目、外角高めスライダーを左飛
5/28の楽天9回戦(in仙台)では、
【1回表】
◇無死先頭の場面で打席に
 初球、 外角低めストレート見逃し
  2球目、外角高めカーブを三邪飛
【4回表】
◇無死先頭の場面で打席に
 初球、 ど真ん中ストレートを
     右中間にソロ1発
【5回表】
◇二死一塁の場面で打席に
 初球、 内角カーブがワンバン暴投で銀が二塁へ。
  2球目、内角低めチェンジアップ見逃す
  3球目、外角高め一杯にストレート決め見逃す
  4球目、内角低めチェンジアップを二ゴロ


秋山に対して、
外角低めへの頻度や
そこで打ち獲っているのは
それほど多いわけでもないです。
もちろん秋山や柳田クラスなら、
弱点を突くだけでは通じませんから
表で行くか、裏をかくのかなど
あれこれ考えるのが大変でしょうね。
もちろん球が高めや真ん中の
甘い球は打たれますからね。
変化球もカーブ、チェンジアップのほか
スライダーも投げて
あれこれ混ぜざるを得ません。


特に岸の場合、
巧みなカーブとチェンジアップを混ぜて
読みずらく翻弄してきます。
そして、それら変化球を意識させながら
得意の制球力を駆使して
コース一杯のストレートを突いてくるから
本当に厄介です。
そのストレートは
コース一杯または際どく外すので、

ついつい手が出ず見逃したりして
カウントを稼がれてしまいます。
(特に初球では顕著
上記の柳田の打席でも初球に、
秋山の打席でも見受けられます。


-------------------
では、岸がよく知っている
おかわり君や浅村に対してはどうでしょう。


おかわり君の場合、
10/16CS1st(vs楽天)第2戦inMLD
【2回裏】
◇二死の場面
 初球、 外角低めにストレート外す
  2球目、外角低めカーブを空振り
  3球目、外角ストレートをファウル
  4球目、外角低めにストレート外す
  5球目、外角低めストレートをファウル
  6球目、中の低めチェンジアップを中飛
【5回裏】
◇一死二塁の場面
 初球、 外角ストレートをファウル
  2球目、外角低めにストレート外す
  3球目、外角高めにストレートを外す
    走者外崎を警戒してウエスト気味に外す
 4球目、真ん中カーブに失投し、捕らえたが、
     振り急いで結果はファウルに。
 5球目、中の高めにストレートを外す。
     釣り球もバット止める。
  6球目、真ん中ストレート打ち損じ左飛


5/28楽天9回戦(in仙台)
【2回表】
◇無死先頭の場面
 初球、 外角高めにストレート外す
  2球目、外角低めチェンジアップ見逃す
  3球目、中の低めストレート中飛
【4回表】
◇二死の場面
 初球、 中の低めにストレート外す
  2球目、外角カーブを見逃し
  3球目、外角低めにカーブ外す
  4球目、外角低めにストレート外す
  5球目、外角ストレートをファウル
   6球目、内角高めにチェンジアップ
     が外れ与四球。
【6回表】
◇二死の場面
 初球、 外角ストレート見逃す
  2球目、外角高めストレートを二ゴロ


おかわり君の
右投手に対するストライクゾーンの
コース別打率
を見ると、
    外角  中央  内角
高 め 0.273 0.286 0.000
真ん中 0.180 0.345 0.240
低 め 0.093 0.333 0.250


おかわり君に対しては
駆け引き無し
苦手な外角(特に低め)中心の傾向。
柳田や秋山と違って多様では無く
とにかく苦手コースを中心に攻める
おかわり攻めの基本的な戦略の様相。

もちろん、
変化球or直球でも翻弄させるのは基本路線。
ただし、初球は全てストレートを投げ、
際どく外すか、一杯に入れてきます。
そして、上記打席に限れば
2球目は、
CS1stの1打席目以外が
初球がボールなら変化球で、
初球がストライクなら
外したストレートという傾向が見られますが、
基本的に2球目を投げるときは
B1S1のカウントに持ち込んでいる
こと
初球がボールなら2球目はストライク遵守
初球がストライクなら次は外すことを遵守
が挙げられる
と思われます。


とにかく、
おかわり君に対しては、
相当、自信があるように、
他打者より素直に苦手コースへ
投げてきていることが伺えます。
すなわち、一発があるから
警戒はしているでしょうが、
他打者と比べて
厄介な攻めをしていない
ということが伺えそうです。


-----------------
では、浅村については
右投手に対するストライクゾーンの
コース別打率
を見ると、
    外角  中央  内角
高 め 0.342 0.371 0.280
真ん中 0.333 0.514 0.159
低 め 0.167 0.405 0.087


とにかく低めは内外で苦手です。
内角はベルトの高さも低打率です。
一方、高めは高打率で好きなコースです。
ただし、高めボール球の打率は
外角0.400、中央0.111、 内角0.143と
外角に限られています。
インハイのボール球は
詰まらされて低打率です。


で、岸との対決を見てみると、
10/16CS1st(vs楽天)第2戦inMLD
【1回裏】
◇一死二塁の場面
 初球、 外角ストレートを見逃す
  2球目、外角ストレートを見逃す
  3球目、内角高め外すストレートを一邪飛
 ※外角は低めではなかったですが、
  上記の柳田と同様の攻め方でした。
  際どく入れられて意表を突かれ
  気づくと2球で追い込まれる形に。
  しかも積極的な浅村
  見逃し続けて追い込まれましたから、
  振ってくる可能性が高くなり、
  浅村が振ってくることを知っている岸
  浅村が好きな高めを餌に
  球威をつけた直球で外す形で勝負に。

  しかも狙いは詰まらせるインハイもミソ。
【4回裏】
◇一死の場面
 初球、 外角低めにスライダー外す
  2球目、中の高めストレートを見逃す
  3球目、外角ストレートをファウル
  4球目、外角にストレート外す
  5球目、中の低めチェンジアップを捕ゴロ
【7回裏】
◇無死先頭の場面
 初球、 外角ストレートを見逃す
  2球目、外角にストレートを外す
  3球目、外角低めストレート見逃す
  4球目、外角低め外すスライダーをファウル
  5球目、中の低めにストレート外す
  6球目、真ん中ストレートファウル
  7球目、外角低めチェンジアップをファウル
  8球目、外角にカーブを外す
 9球目、外角ストレートをファウル
 10球目、中の高め外すストレートで空振り。
  ※浅村の好きなコース
   ストライクゾーンを外して
   空振り狙う投球で三振奪う。
   浅村が振ってくれることを確信して
   そこを狙った投球。

   ただ6球目の打ち損じファウル
   はもったいなかった。
5/28楽天9回戦(in仙台)
【1回表】
◇二死の場面
 初球、 真ん中チェンジアップ空振り
  2球目、外角ストレートをファウル
  3球目、外角カーブをファウル
  4球目、外角にカーブを外す
  5球目、外角低めにストレート外す
   6球目、外角スライダー遊ゴロ
【4回表】
◇一死の場面
 初球、 外角低めにカーブ外す
  2球目、内角低めにチェンジアップ外す
  3球目、高めストレートを空振り
  4球目、外角低めストレートをファウル
  5球目、中の高めカーブをファウル
   6球目、中に落ちるチェンジアップで空三振
【6回表】
◇一死の場面
 初球、 真ん中カーブ見逃す
  2球目、外角低めにチェンジアップ外す
  3球目、外角にカーブ外す。バット止める。
  4球目、真ん中ストレートを中飛


5/28は多彩な変化球に
タイミング合わず翻弄させられていました。
カーブなのか?、チェンジアップなのか?
それともストレートなのか?

この日は球種で悩まされた印象です。


一方、CS1st第2戦では、
変化球(カーブ、チェンジU)への意識
させられていることを見透かされ、
ストレート勝負を仕掛けられる形に。
得意の制球力を駆使して
コース一杯のストレートも突かれます。

その球種、コースの迷いから
見逃してしまってカウントを稼がれます。
そして追い込んだ後の仕上げは、
浅村の性格を知り尽くしているので
振ってくることを見据えた
又は振らせるための餌蒔きとして、
逆に浅村好みの高めで勝負。
とはいっても、
しっかりコースは外されており、
しかも低打率のインハイも含めたりと、
空振りすれば上々
当たっても凡打に打ち取れる形
になるような
保険付き勝負を仕掛けていました。


--------------
まあ、深夜に
あれこれダラダラと書いてしまい、
何かあまりまとまりが無い考察に
なってしまいましたが、、、


とにかく、
岸は制球力があるからこそ
あれこれ仕掛けられるわけで、
そこが一級品の投手と認めざるを得ませんが、
だからといって、このまま天敵として
やられ続けるわけにもいけません。


もちろんカーブ、チェンジアップもそうですが、
狙い球も絞って行かざるを得ないわけですが、
あのズバっ!と決めるストレート
何とかなりませんかね。