下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

待ったなしの先発駒不足問題。監督『先発の駒が揃わなければ、平井に限らずこれまで中継ぎだった投手の先発転向もある』

先発駒不足問題は深刻です。


平井にしても、武隈にしても
候補にはなり得ます。


中継ぎ陣は先発陣に比べ
増田、ともみ、野田、平井、武隈と
比較的、揃っていますが、
牧田、シュリの穴が大きいのも確かですからね。
ともみの復調次第もありますし。


でも、試合を作るのは先発ですから、
先発陣をそろえることが最優先です。
待ったなしの緊急課題です。



西武の先発問題をこの男が解決する?平井克典、新球で「自分の仕事」を。
2/8(木) 11:31配信
 
近年、この時期に毎年のように話題になるのが、埼玉西武ライオンズの先発投手陣の駒不足だ。


  2013年オフに涌井秀章がフリーエージェント宣言によってチームを去って以来、2015年には長年に渡りチームをけん引した西口文也が引退。2016年オフにはやはりフリーエージェントによって岸孝之が東北楽天に移籍した。そして今シーズンはポスティングシステムで中継ぎのエース牧田和久を失い、昨年11勝を挙げた野上亮磨もフリーエージェントでチームを去った。


  打撃は12球団一。


  源田壮亮の加入で守備力も安定した。


  ライオンズの伝統である機動力も復活している。


  肯定的に考えれば、だからこそ、投手に注目が集まるとも言える。


  もちろん、補強もしてきた。2015年のドラフト会議では指名した10名中、8名がピッチャー。2016年のドラフトでも6名中、4名が投手である。「それだけ若いピッチャーにはチャンスが多いということ」と土肥義弘・投手コーチは断言する。ファンは若手投手陣の成長を信じ、待っていることだろう。
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1年目から42試合に登板した先発候補の1人。


 そんな中、プロ入り1年目の昨シーズン、42試合に登板しファンに強い印象を残したのが平井克典である。


  スリークウォーターから繰り出される力のある直球と、切れの良いスライダーを武器に、昨シーズンはリードしている場面で、また逆転の可能性が残る場面で主に起用され、ライオンズのブルペンを支えた。


  今シーズンは先発起用という期待もかかるが、平井の可能性について辻発彦監督はこう語る。


  「当然、先発の候補の1人に入ってきます。そのために今、課題に取り組んでいるところでしょう。彼の課題は左バッター相手の被打率。それを克服できれば、もちろん先発転向の可能性は0ではない。先発の駒が揃わなければ、平井に限らずこれまで中継ぎだった投手の先発転向もあると言えます」
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右打者と左打者で、被打率が8分以上違う!


 平井は昨シーズン、右打者の被打率が2割1分6厘だったのに対し、左打者に対しては2割9分7厘という高い打率を残されている。そのデータを踏まえ、対左打者の被打率の高さを克服するために現在、チェンジアップを習得中だ。


  「昨年の秋のキャンプで練習を始めて、『これなら試合でも使えるかな』というところまで完成しています。あとはこれからのキャンプ、オープン戦で、実戦で使えるボールに仕上げていきたいですね。


  もちろん、自分もその(先発)ポジションを取るつもりでいます。去年以上の成績を残そうと思ったら、去年のままではだめだし、相手に研究もされてくる。ただし、相手がどうこうというより、まずは自分が成長しなければいけないと思って新球の習得を考えました」


  もともとスライダーに定評のある平井が、対左打者という課題を克服することができれば、貴重な先発ローテーションの1人に食い込むことは大いに期待できる。


  「一概にチェンジアップといっても人それぞれなので、自分なりに、自分らしいボールを投げられたらいいなと思っています。ピッチングコーチと相談して、誰かのまねをするのではなくて、オリジナルを目指そう、と」(平井)



「がんばらないとクビになるぞ」という現実。


 平井は愛知県出身で、静岡の飛龍高校を卒業している。高校時代は控えの投手だったが、愛知産業大学を経てHonda鈴鹿に進み才能が開花した。


  社会人1年目、転機が訪れた。監督から「横から投げてみよう」と提案されたのだ。


  「社会人野球とはいえ、在籍できる選手数は決まっていて、新しい選手が入ってくれば、結果を残せていない選手は引退になります。監督から、『がんばらないとクビになるぞ』と促されたんです。フォームを変えるくらいの気持ちでやらないと、オレ、終わるんだなっていう現実を突きつけられて……。今の投げ方に変えるきっかけでした」(平井)


 生き残りをかけて臨んだフォーム改造が功を奏した。その後は先発として活躍し、社会人3年目には都市対抗野球で2勝を挙げ、チームの準々決勝進出に大きく貢献している。


  「おそらく監督は僕の体の使い方、腰の回転の仕方などを見て、横から投げたほうがいいと判断したんだと思います」


  監督の一言がなかったら、現在、プロとして活躍する自分もいなかったと振り返る。
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館山昌平のピッチングをつぶさに観察。

 ただし、現在のフォームを構築するまでは、自分の感覚だけが頼りだった。


  「いちばん自分が投げやすい方法で投げていたら、現在のフォームになったという感じなので、誰かを参考にしたわけではありません」


  幾度も投げ込みを行い、最もしっくり来る投げ方を追求した。その結果、打者の手元でぐっと伸びる、力のあるストレートが投げられるようになった。


  「フォームについては誰かを参考にしたという経験はないんですが、ピッチング内容に関しては昨年、ヤクルトの館山さん(昌平投手)と対戦する機会があって、館山さんのピッチングはかなり観察させていただきましたね」


  2017年5月11日のイースタンリーグ、対ヤクルト戦で先発した平井は、相手の先発で投球フォームも酷似するベテラン、館山のピッチングに見入った。


  「投げ終わってベンチに戻ると、代わってマウンドに上がる館山さんのピッチングを見ました。どんなボールだったか、味方のバッターの何気ない会話に聞き耳を立てました。館山さんはすごく細かいコントロールがあるし、どういうカウントで、どういう球種を投げているのか、その配球の意図を考えながら見ていました」


  その試合で平井は8イニングスを1失点で抑え、一軍行きに向けてのアピールに成功している。




ポスト牧田でもポスト野上でもなく。


 新しく飛び込んだプロの世界は、勉強の連続だったと振り返る。


  「昨年、クライマックスシリーズで投げてみて、それまでは、『社会人時代だって負けたら終わりというトーナメントで戦っていたんだから、大丈夫』、『そのときと同じ気持ちで投げればいいんだ』と思っていたんですが、緊張感が全く違いました。何の球種を投げたのか覚えていないくらい舞い上がって、あれほど緊張したのは野球人生で初めてです」


  だからこそ、リベンジを果たしたいという思いも強い。


  先発ローテーションの一角へという期待とともに、ロングリリーフを任せられることもあり昨今では「ポスト牧田」と呼ばれる機会も多い。ただし練習中の新球、チェンジアップと同様に、ライオンズでの立ち位置もオリジナルを目指そうとしている。


  「とにかく、先発でも中継ぎでも、自分は任せられた仕事を果たすだけです。与えられた場所で結果を出したいですね」


  ポスト牧田でもなく、ポスト野上でもない、平井克典としての存在感を示すつもりだ。
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(「プロ野球PRESS」市川忍 = 文)