下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

①究極の便利屋を目指す『てきとう』武隈。ただ『左肩をかばうように投げてしまう』のコメントは気になります。②2年目の中塚:1年通して危機感を感じて自覚した男は這い上がれるか?その意気込みが楽しみ。ただしストライクが入ればね。

①究極の『便利屋』目指す武隈
武隈というと、
シュールな武隈ワールドが面白く、
先月の野球教室では、
グローブに刺繍された『てきとう』の言葉に
子供達から「敵を倒すって意味ですか?」と聞かれ、
違うよ!めんどくさいからてきとうなんだよ…
 色々あんだよ、子どもにはわかんない
 事情ってやつが大人には!
また「ストライクを入れるコツは?」という問に
コツはない!入っちゃうんだもん!
 入っちゃうからプロになれたんだもん!
さらに「あとでサインください」と頼まれると、
いつかまたどっかで会えたらね、ばいばーい」


でも、武隈と言えば、
とにかくいつもスクランブル状態
多くの試合で登板しフル回転している
西武に欠かせぬ
本格派中継です。
近4ヶ年では
47、67、64、58試合登板と
頭が下がる中継ぎの柱です。


今年は出陣式で
目標が「30試合以上65試合未満」
「11年目ですが、1年目のつもり
 もう1回人間としても、
 1からがんばっていきます」とのこと。
確か年末の報道では、
起用法にこだわりはないようで、
自分は空いている隙間に飛び込んで、
 仕事をするだけ。もしローテーションに
 谷間が出来たら、
先発でもやる
と真顔で言い切り、
「監督が『武隈はどこでも使えるな』
 思ってくれれば。
 もう1回、1からやる気持ちでいます」と。


そう「1から頑張る」というのは、
どこでも何でも仕事するという、
究極の『便利屋』を目指している
のかもしれません。


まあちょっと気になるのは、
本人的には準備をして上がると打たれやすく、
急遽のスクランブル登板の方がいいかも
と考えられている点でしょうか。
まあそこはそれほど気にする必要もないでしょうが、
ただし、問題は、例年7月頃になると
精神的に疲労してしまうこと、
心が折れてしまい、野球が嫌になること
ではないでしょうか。
その分、どうしても
夏季に一旦調子を落とします。
まあ武隈の夏季問題
無心になって『てきとう』
やるしかないです。


ところで、気になるのは
昨年9月初めに
離脱要因になった左肩違和感です。
先週末、
文化放送のライオンズエクスプレスで
武隈がゲストで出演しており、
左肩をかばうように投げてしまうので、
 土肥コーチとともに注意している」
と言っていました。


昨年、復帰後は
CSの1試合を含む4試合投げており、
そのうちソフバン戦で失点しましたが、
結果的には問題無さそうな雰囲気でした。


そこで、武隈の投球モーションについて、
負傷前の広島戦(5/30)、ソフバン戦(8/4)
負傷復帰後のオリックス戦(9/24)で
モーションを比較してみます。
どのケースも得点圏に走者を置いた状態です。

全般的には3ケースとも
大きな差異はありません。
ただし、最右のオリックス戦の様相は、
負傷前の広島戦、ソフバン戦と
やや異なっています。


オリ戦では、広島戦、ソフバン戦と比べ、
振り上げた左腕が真っ直ぐなのはいいけど、
左腕を振り上げ方がやや小さく(⑥)
エクステンションがやや短めで
リリースポイントがやや高く(⑦)
球が離れた後(⑧)には、
左足が内側に曲がってしまっています。
(四角で囲ったのは球の位置)
また投げ切った後は、いつも
左足を思い切り上げる形になりますが、
オリ戦は負傷前より足の上げ具合が低めであり、
上体もやや立ち気味になっています(⑪⑫)。


結局、最右のオリックス戦(負傷復帰後)では、
広島戦、ソフバン戦の負傷前より
ややこじんまりしてしまって、
躍動感が小さくなっている印象
を感じます。
そこが左肩を意識したことによるもの
わかりませんが、
今年、引きずらないことを祈ります。


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②2年目の中塚
先ほど武隈の投球フォームを整理した際、
武隈が復帰緒戦となった9/24オリ戦は
中塚の1軍デビュー登板があった日
なんですよね。


ついでですが、せっかくなので
中塚についても触れたいと思います。


9/24当時は、全くストライクが入らず
自滅デビューとなった散々だった中塚君
でしたね。
そもそも彼は、1年目の昨年は、
初練習でついて行けずバテまくって
大の字になってグランドで転がってたり、
「(活躍は)1年目からではなく、
 自分は2~3年目からでもいい。
 マイペースでいきたい
」と
のんびりしておりましたが、
オフに入ってからは
オーストラリアへ遠征するとともに、
体重も減らす努力をしつつ、
この1年間で
周囲の戦力外通告を目の当たりにするなど
プロの厳しさを実感できたことにより、
「大卒2年目なので、
 今年頑張らないとやばいッス」と
気合十分の意気込み
あののんびりさが消えて
必死さが伝わるよう変わってきました。


今年は「(チームが)困ったときの
便利屋になりたい」という意気込み。
昨年の1年間で
だいぶ逞しくなってきました。


当然、ノーコン振りが
最大の課題でありますが、
オーストラリア遠征修行でも、
カーブ等がキレを増してサマになってきており、
緩急を使えるようになっているのも
成長してきているところでしょう。


春季キャンプでもA班に入ることができ、
150球の熱投するなど精力的に頑張っており
受けた岡田も褒めていました。


とにかく、実戦において
ちゃんと制球しながら、
その力をきっちり発揮できるか?
ですね。


ところで、武隈のついでに、
中塚の投球モーションも見てみましょう。
画像が良質では無いですが、、、


左側は1軍初デビューになった
9/24オリ戦であり
3人目の与四球となり、
自滅型満塁になった場面。
右側はオーストラリア遠征時で、
走者を三塁に置いて
二ゴロに打ち獲った場面です。

左側のオリ戦は、
右側のオーストラリア時と比較すると、
ステップが小さめになっています(②~④)。
右腕を上げるとき(⑤)
軸がやや傾きブレてそうに見えます。


また右腕を振り切るときに
やや重心が高めになっています(⑦)。
その分、リリースポイントが高くなって
コントロールを制御できなくなっている
おそれがありますが、
ただし、中塚の場合、
巨漢の外国人みたいな面があり、
球威が売りになっている所がありますから、
重心を下げすぎるのも良くないです。
適切なところで決めてくれればと思います。


あと、投げきったときに(⑧~⑩)
左側のオリ戦では右側の遠征時より
やや前のめりのように見えるとともに、
右足の上げ方が低めであり、
思い切りさが小さくなっている印象
を受けます。もちろん、
左側のオリ戦では、
全くストライクが入らなかったように
力んでいたからどことなくぎこちなく、
躍動感が小さくなったんでしょうけど。
逆に、右側の遠征時では、
力みが見られていないので、
自然体の動きで躍動感を感じます。


とにかく、
意気込みが違う2年目の今年は、
浪漫的な潜在能力を覚醒させて欲しいですね。