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稀代の“名将”森祇晶が見たライオンズ(ベースボールキング):名将が伝える弱体投手陣への打開策『それは「捨てゲーム」を作る覚悟だ。』

先日20日の
「ライオンズフェスティバル」初日
黄金時代を築いた一人、
森祇晶氏がメラドに来られました。


教え子の辻監督と始球式を行い、
試合後にはトークショーも行われました。

その名将・森祇晶氏
今のライオンズをどう見ているのか?
ベースボールキングの記事を紹介します。

稀代の“名将”森祇晶が見たライオンズ
7/23(月) 20:10配信(BASEBALL KING)

 文=荒川和夫(あらかわ・かずお) 
 7月20日のメットライフドームは試合前から、いつもと違う雰囲気に包まれていた。多くのカメラマンやテレビクルーが囲む先にいたのは、かつて西武の黄金期を率いた名将・森祇晶だ。もっとも選手たちはと見れば山川穂高や秋山翔吾らが、きょとんとしながら慌てて挨拶、それも無理はない。何せ森が西武のユニホームを脱いでから24年の歳月がたっている。森はすでに81歳である。
  『ライオンズ フェスティバルズ 2018』と銘打たれた真夏のイベントの一環としてレジェンドOBである森は球団から招かれた。
  「このような場にお招きいただき、光栄であり感無量です」始球式に先立ち、マイクの前に立った元指揮官の声が場内に流れると「森コール」が期せずして沸き起こる。その景色は30年以上前に戻ったようだ。
  とにかく強かった。1986年にヘッドコーチから監督に就任。レオ軍団は日本球界を支配した。秋山幸二、清原和博、O・デストラーデの強力クリーンアップの周りを石毛宏典、辻発彦(現監督)、伊東勤らの名手が固める。投手陣は東尾修を筆頭に工藤公康、渡辺久信、郭泰源らの強力先発陣と潮崎哲也、鹿取義隆らの抑えまで隙がない。豊かな戦力を確かな采配で無敵艦隊に仕立て、在任の9年間で8度のリーグ優勝と6度の日本一に輝いた。
  中でも圧巻の語り草となっているのは1987年、巨人との日本シリーズだろう。第6戦の8回裏、秋山の中前打で一塁から、まさかのホームへ生還。中堅・クロマティの緩慢な守備を事前のデータで調べ上げていた森野球の神髄。その時の一塁走者こそ現監督の辻だった。
  辻が監督に就任した昨季から着手しているのが恩師譲りのディフェンスと機動力の強化だ。豪快な一発野球に見られがちだが、源田壮亮や外崎修汰、金子侑司らが塁上を駆け回り、彼らは俊足強肩で鉄壁な守りにも貢献している。


  
では、かつての名将は現在の辻西武をどのように見ているのだろうか?
 「打つ以外に守る、走るといった部分では辻になって変わってきたし、良くなっている。だだ、あの投手陣じゃ大変だな
  黄金期の投手スタッフとは比べようもないが、久々の観戦となったこの夜も大黒柱の菊池雄星が早々と楽天打線につかまり大敗。中継ぎ、抑え陣も崩壊では一時的な首位陥落も覚悟しなくてはならないだろう。
  西武の監督を退任してからの森は、横浜ベイスターズで指揮を執るがわずか2年で成績を残せずに退団。以降は居住の地をハワイに移して悠々自適の生活を送っている。常夏の島にいても日本野球をテレビでチェックしているという。それでも、現役選手ではⅤ9巨人の頭脳として、監督としては不敗の指揮官として常に栄光を手にしてきた実績は揺るがない。そんな老将が愛弟子の辻に必勝の定義を伝授する。
 「最近のゲームで浅村(栄斗)が流し打ちのチームバッティングをやっていた。クリーンアップであれが出来ることに値打ちがある」
  かつての黄金期でも秋山、清原らが好機にためらわずチームバッティングを優先させてきた。本塁打より進塁打。確率を重視して、より勝利に近づけるのが森流勝利の鉄則。さらに弱体投手陣にも打開策を明かした。それは「捨てゲーム」を作る覚悟だ。
 「現状を考えたとき、勝てる試合に全精力をつぎ込む。極端なことを言えば3試合のうち、ひとつは捨てゲームを作ってもいい。ここは若手の育成に重きを置いて、勝ちを拾えれば儲けもの、と割り切って考える。すべて勝ちにいって戦力をすり減らしていては元も子もなくなる
  優勝チームの年間勝率は一部の例外を除けば6割強。10試合単位で計算すれば6勝4敗でこのラインに近づける。緻密に負けを計算しながらもリスクを最小限にとどめて、最後は頂点に立っているのが森野球の哲学。こんなアドバイスが届いてペナント奪還となるか?ハワイに戻ったかつての名将は秋の吉報を心待ちにしている。


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実際に勝負している当事者から見れば
どうしても目の前の試合を
勝ちに行ってしまうこと
しょうがないことであり、
最後まで諦めないことも大事です。
またどこで捨て試合と判断するか?
も展開次第で難しい面があります。


しかし、全て勝てることはあり得なく、
一番肝心なのは、
最終的に他5球団より
勝っていること
であり、
それがゲーム差無しでも
勝率が僅かにでも
上回っていればいい話です。


獅子軍団の中継ぎ陣問題については、
①「いねぇーんだよ」問題
 計算できる投手が不足しており、
 効果的な補強が必要な問題。
 ドラフトも含む。
②育成が滞っている問題
 なかなか新星が現れず。
 2軍では好投していても
 1軍になると通用しない若者多し
③適用・采配の問題
 リードだろうが、ビハインドだろうが、
 展開に関わらず酷使してしまい、
 疲弊することでパフォーマンスを
 落として不振にと陥る。


これら3つの問題が複合的に左右しており、
根本的に問題を低減するには、
これら3つの問題を
クリアしていかねばなりません。

また今は中継ぎ陣の問題ですが、
先発陣にも及ぶ話であり、
これは投手陣全般への問題
もなり得ます。


①にしても駒が不足、
②にしても誠や本田らが育ちにくく、
③にしても連戦が重なれば
間隔を詰めて使ってしまう
先発陣にも当てはまる問題です。


もちろん
①に関しては、フロントの責務です。
一応、榎田、ヒースに続いて
小川もゲットしておりますが、
①はオフの時のFA流出、外国人等の
も含まれる話であり、
来オフも雄星渡米の可能性などを
見据えると、まだまだ続く話です。


①に関して、
今回は内容が逸れますので
置いておきます。


②に関しては、現場の責務であり、
特にファームでの教育体制が肝要です。
潮崎2軍監督がその責任者ですが、、、
ちなみに、2軍監督の年俸は
他球団もだいたい1500万円くらいですが、
潮崎2軍監督はその倍3000万円以上です。
野手は多く輩出しておりますが、
投手の輩出は少ないです
(まともに出てきていない)。
しかも、昨年は故障者が続出しました。


ただし、②に関してはファームのみならず
1軍戦での経験も重要な役割を果たします。
ここは森氏の言葉で言えば、
捨てゲームを作って
 ここは若手の育成に重きを置いて、
 勝ちを拾えれば儲けもの
というところでしょう。


辻監督は、木村、田代、外崎、金子など
我慢強く使って経験させながら
オンザジョブで育成してきました。
それを投手陣にもできるか?
が問題です。
確かに野手の場合は、
1~2人でも試合への影響はありますが、
投手陣の方はもっと影響しますので、
我慢強く使うには勇気が野手以上に必要です。
当然、捨て試合も出てきます。
その勇気を持って、
投手陣も我慢強く使って経験させながら
オンザジョブで育成することができるか?

ですね。
ただし、行うにしてもフォローも必要です。
例えば、
泰雄を先発登板させた5/11ロッテ戦では、
泰雄が早期降板になって駒不足に陥り、
最終回に9点ビハインドで野田を出しました。
これは③の問題にも絡みますが、
こういう敗戦ゲームでは
敗戦処理班だけで済せることができるように
ブルペン布陣を配置することが肝心です。
極端のことを言えば、
敗戦処理班代えがきくポジションです。
打たれてもいいから、
とにかく、少しでも長く投げさせることが
任務の第一目標です
もちろん、
長く投げれば疲労が蓄積しますが、
翌日に抹消して
2軍から別の投手を昇格させればいい話です。


③に関しては、現場の責務であり、
特に1軍での采配の考え方が肝要です。
中継ぎ陣で言えば、前述の通り
敗戦ゲームでは、主力を温存させるために
敗戦処理班だけで済せることを念頭にすべきあり、
敗戦処理班の最大の目標は
自分はいくら打たれようが
少しでも長く投げて
主力部隊の手を煩わせぬこと
にあります。


もちろん、それによって
敗戦処理班も経験を積めますから、
②の問題改善にもつながる話です。


③で一番懸念されるのは、
見境無く使いまくることです。


昨年までで言えば、
困ったときのマキタ、
マキタ中毒、マキタ依存症
でしたね。
今では
平井依存症、
野田依存症
ですかね。


実際に平井や野田は
疲弊により不振に陥りました。


例えば、平井の場合は、
連戦になると、
手投げになりやすくなる
ので、
持ち前の球に
キレがなくなってきます。


また復帰後においても
例えば、ロッテ戦では、
初日は抜群の投球をしており、
四者連続で三振を奪いましたが、
次の日は、
前日と比べると見劣っており、
さらに次の日は、抑えましたが、
もうヘロヘロでした。


暑いメラドでの三連投により
1日目より2日目、
2日目より3日目と
日に日に投球パフォーマンスが
明瞭に下降線を辿っていました。


森氏の言葉で言えば、
捨てゲームを作ってもいい。
 すべて勝ちにいって戦力を
 すり減らしていては元も子もなくなる

ですね。


この考え方は、森氏の教え子でもある
ソフバンの工藤監督もそうですね。
工藤監督は、
1つのカードで2勝1敗の目標を立て、
昨年はよく2勝1敗を目指すことを述べていました。
まあ今年は、順位がおいて行かれているので
3連勝も見据えていますが。。。


そもそも黄金期では
広岡氏、森氏とも
その考え方で戦われています。
確かに、
「とにかく1つでも多く獲りたい」
という空回りもしやすいですし、
捨てる勇気が必要であり、
その捨て試合の適正な判断が
簡単ではないから、
言うは易し、行うは難し
なんですけど。。。


なお、捨て試合の適正な判断については、
流れを読み切る勝負感
大きく必要になります。
中継ぎ陣であれば、
その試合の展開・流れの見極めが、
先発陣であれば、
そのカードの流れや相手戦力、
そのときのゲーム差、日程、
その後に想定される流れなど
の見極めが必要です。


そして、
1軍と2軍の密な連携も必須です。
ある意味で、
2軍任せはダメです。
潮崎二軍監督の報告だけに頼らず、
その報告を鵜呑みにせず、
多忙であるでしょうが、
自分たちの目で2軍戦も観て
確認・把握しておくことも重要
です。
今では2軍戦もVTRで観ることができ
様々なデータも収集していますから。。。