下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

貧乏球団の宿命:低予算で強いチームを作る?!

昨年2015年はソフトバンクが
圧倒的な強さで
日本一になりました。


ソフバンというと
お金持ち球団であり、
総年棒は昨年が約45億円(全球団2位)
今年がさらに約8億円増となり
約53億円と全球団で抜けて1位です。
(※平均:昨年・今年ともに約30億円)


ソフバンの総年棒を勝ち星数で単純に割る
1勝当たり年棒は、
昨年が5.0千万円/勝、今年が6.4千万円/勝
になります。


一方、今年リーグ優勝を果たした
日ハム、広島については、各々
総年棒が F:約27億円(7位)
     C:約25億円(8位)
1勝当たりで、F:約3.1千万円(10位)、
       C:約2.8千万円(11位)
他球団と比べると安価であり、
コストパフォーマンスが高いようである。
(投資はBクラス、でも成績は優勝)


ちなみに今年2016年の全球団に関する
①総年棒(千万円)
②勝ち星(勝)
③1勝当たりの年棒(千万円/勝)
  [ ]は昨年の場合
④順位(セ・パ別)
を以下に示します。


ソフ :①533.4 ②83 ③6.4[5.0] ④パ2位
巨人 :①453.9 ②71 ③6.4[6.8] ④セ2位
オリ :①339.6 ②57 ③6.0[6.2] ④パ6位
阪神 :①303.1 ②64 ③4.7[4.7] ④セ4位
ヤク :①291.4 ②64 ③4.6[3.6] ④セ5位
西武 :①281.6 ②64 ③4.4[4.0] ④パ4位
日ハム:①271.6 ②87 ③3.1[3.1] ④パ1位
広島 :①252.3 ②89 ③2.8[3.1] ④セ1位
楽天 :①247.0 ②62 ③4.0[4.2] ④パ5位
ロッテ:①246.7 ②72 ③3.4[3.4] ④パ3位
中日 :①199.2 ②58 ③3.4[4.1] ④パ6位
DeNA :①196.0 ②69 ③2.8[3.1] ④パ3位


中央値:①276.6 ②66.5③4.2[4.1]
平均値:①301.3 ②70 ③4.3[4.3]


まあ③1勝当たりの年棒については、
①総年棒が1位と12位で約3倍弱異なる
に関わらず
②勝ち星はどんなに行っても倍程度、
今年の場合は1位と12位で約1.5倍くらい
のため、
③は①に左右されやすいので、
総年棒が高い方が③も高くなりやすい
(コストパフォーマンスが高くなりやすい)
傾向が生じるのはやむを得ないでしょう。


ただ②勝ち星/①総年棒=③は
乱暴ですが、粗々の目安になることはでき、
今年は低コストの球団が
強いチーム作りをして優勝した

すなわち、
金満球団はチーム力が向上し
強い傾向にあるが、
オリックスのように
機能しないこと(投資失敗)もあるし、
一方、低コストでも
強いチーム作りが可能
ということを

今年、日ハム、広島が示した
ということが言えるでしょう。


ロッテの伊東監督は、
球団がどれだけ補強してくれるかを
来年続投の条件にしているようですが。。。
まあロッテの場合、限界に来てますし、
ソフバンのように補強で層を厚くして
「競争させる環境つくりたい」

というのも重要ですから。。。


実際にソフバンの場合、
他所からも大物が来ますが、
生え抜きで育っていますからね。
(年棒以外に設備投資等々も
 効果を促進していますが)


ちなみにライオンズは、
総年棒が昨年・今年とも約28億円で
全球団平均以下ですが、
1勝当たりが昨年4千万円、
今年4.4千万円と平均程度のため、
パフォーマンスをやや落としている?


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さて、
NHK Eテレの番組「オイコノミア」で、
「野球を100倍楽しむ!経済学」という
テーマで10月12日に放送されていました。


その中で、
「低予算で強いチームを作る」
という話がありました。


その話の冒頭に
「打率3割の打者と
 打率2割9分9厘の打者で
 翌年の年棒は何%変わる?」

という質問があり、回答が
アメリカのデータでは、
「打率3割の方が2%高い」
ということのようです。


すなわち、
打率3割の打者と
打率2割9分9厘の打者で
成績はあまり変わらない。

しかし、年俸は2%も違う。

それなら
低予算で強いチームを作る観点では
打率2割9分9厘の打者の方がお得
そういう選手を集めたほうがお得

という考えがベースみたいです。


競馬で言えば、
予想の神様・大川慶次郎の格言にあるように
2頭のうちどちらか選ぶ際に、
甲乙つけがたかったら、
配当の高い方を買え!
というのと似ているかもしれませんが、、、


これをメジャーの
パイレーツが実践しているとか。


2015年データで年棒総額は
ヤンキースが約2億2000万ドル
パイレーツが約8800万ドル
と差があります。


しかし成績は
ヤンキースが87勝75敗(約252万ドル/1勝)
パイレーツが98勝64敗(約90万ドル/1勝)
<しかも3年連続でプレーオフに進出>


その背景には、
弱小チームのパイレーツは
データ重視のチーム作りに転換し、
過小評価の選手を集めて成功した

らしいです。


例えば、データに着目しつつ、
打率は悪い出塁率がいい打者
勝ち星少なく、防御率も良くないけど
三振が獲れる投手などを集めるとか。


ちなみに
三振が獲れる投手を集めるというのは、
コントロールは練習で良くなるが、
奪三振力は練習しても伸びるものでもない
という理由のようです。
(微妙ですけどね)
ノーコンに陥った雄星みたいだと
苦しいですし、、、ね。


ヤンキースは今までのスタイルで
それなりに勝つことができているので、
今までのとおりお金で選手を集めている。
※これを「現状維持バイアス」と言うらしいです。
 未体験のものを受け入れず
 現状のままでいたいと思う心理作用

 のことを言うみたいです。

一方、パイレーツは
20年以上上手くいってなく、
お金もないので、
データ重視に切り替えてみて、
それが上手くいった
ということのようです。


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似たような話が
「マネー・ボール」
(マイケル・ルイス著 講談社)
にもメジャーリーグのアスレチックスの話などを
例えて書いてあるようです。


アスレチックスは総年棒が
ヤンキースの3分の1以下でありながら、
好成績を維持しているのはなぜか?
貧乏球団はなぜ強くなったのか ?


打者の価値は出塁率で決まる
 *初球から打ちに行く打者
  打率が高くても評価しない。
 →西武の打者は大半がダメじゃん。
◇防御率、被安打率ではその投手の
 力量は計れない。
 評価するデーターの基準は
 与四球率、奪三振数、被長打率だけである。
 新人発掘はスカウトの実物判定を廃し、
  各選手の実戦データーを基準に採用する
(従ってデーターが少ない高校生は取らない
 データーの揃う大学生ルーキーに投資する)。


アスレチックスのゼネラル・マネージャー
であるビリー・ビーンは、
他球団とはまったく異なった見地から、
球団運営にあたっているらしいです。


ハーバード大学経済学部卒の
「金融業界で働けば大儲けできそうな秀才」
を片腕に据えて、
彼のノートパソコンから抽出された
独自の基準データーを基に選手を発掘する。


 他球団が見向きもしない選手
ドラフトとトレードで集めてくる
まわりが低評価だから年棒は安い
すなわち、
安く買って、好成績を
あげてもらい、
勝利に貢献させる。


ただし、年棒が上がる時には、
他球団へ売却(トレード)。


さながらウォール街のトレーダー
のような手法である。
世間の衆目を浴びない優良企業を発掘し、
投資して、株が上がった時点で高く売る
というような。。。


らしいです。


良し悪しはあると思いますが、
中々、コストをかけられない現状も
やむを得ない。


それだけに、
金が無ければ知恵を使え!
とばかりに、
工夫したチーム作りが必要
なんでしょうね。


国内には少なくとも、
日ハム、広島という
好事例があります。


しかも両チームとも
大物エース(ダルビッシュ、マエケン)が
メジャーへ流れた翌年に優勝している
わけですから、
このような事例を
参考にしていくことが重要と思います。