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甲子園優勝投手・今井を単独1位指名した西武。現実より夢、ドラフトに見るチームの野心と課題

こんな記事があったので、
そのまま転載します。


最近のライオンズは、
なかなか育成が上手くないですからね。。。
頭打ちになっている中堅選手も多いですし。。。


そういえば、ライオンズは
9年連続で遊撃手を指名していたんですね。
だけど、未だにスタメンを固定できず。。。



【以下が記事の内容です】


高卒投手が武隈、菊池しか活躍していない現状で今井をどう育成するのか


 ファンにとって、ドラフトは夢を見る機会だ。自分が応援するチームは、数多くいるスター候補から誰を、どんな意図で選択するのか。翌年以降に向けてチームがどんな構想を描き、どれほど大きな野心を持っているのか、指名から見て取ることができる。
  35年ぶりとなる3シーズン連続のBクラスに低迷している西武にとって、今回のテーマは先発投手、即戦力選手だった。
  今季4位に終わった理由の最たるものは、先発投手陣の不振にある。まず、ローテーションを回す駒が足りていない。岸孝之のケガ、十亀剣や野上亮磨、高橋光成の計算違いなどがあり、及第点をつけられるのは12勝7敗の菊池雄星くらいだった。さらにいえば来年、彼らが期待通りに活躍する保証はない。
  また、フリーエージェント(FA)権を取得した岸はドラフト時点で去就を明言しておらず、菊池は順調に行けば2020年オフに海外FA権を獲得する。そうした状況のチームはエース候補=夢、即戦力=現実の両方とも求められるなか、果たしてどちらを選択するのだろうか。

  結論から言えば、西武は今回のドラフトで現実より大きな夢を見た。その象徴が、今年夏に作新学院を54年ぶりの優勝に導いた今井達也の1位指名だ。
 「自分自身、まだまだ成長段階だと思います。これから2、3年経つごとに、自分がどれだけ成長できるかをすごく楽しみにしています。球界を代表するようなピッチャーに、ゆくゆくはなりたいとは思っています」
  高校生だから当然だが、今井はまだまだ発展途上にある。最速152kmを誇るとはいえ、180cm、72kgの痩身投手はプロで長いシーズンを戦い抜く体がまだできていない。
  もちろん、西武はそれを承知しているはずだ。高校2年時夏に甲子園メンバーから外れた悔しさをバネに、強い意志で優勝投手まで成り上がった今井は伸びしろを大きく残している。そうした好素材をどれほどの投手に育てることができるか、球団として夢をかなえる力、つまり育成ビジョンが問われることになる。
  ただし不安なのが、高卒投手で現在1軍の戦力になっているのは菊池雄星、武隈祥太のふたりしかいない点だ。2年目の高橋光成、4年目の誠、佐藤勇と先発候補を抱えるチームは、今井の獲得を機に、これまでの育成戦略が本当に正しかったかどうか、見直してほしい。



9年連続で遊撃手を指名。レギュラー不在は埋まるか

 2位の中塚駿太、4位の鈴木将平も野心的な指名だった。
  白鴎大学出身で191cm、105kgの中塚は最速157kmを誇り、西武の編成部は「潜在能力が高くスケールの大きな投手」とコメントしている。チームが過去8年間に2位指名したなかで期待通りの活躍を見せているのは野上亮磨(2008年)、牧田和久(2010年)くらいで、昨季、小石博孝(2011年)がようやく評価に見合う働きを見せた。中塚は大卒だが素材型の指名であり、戦力に育て上げることができるかどうか、ここでも育成力が問われてくる。


  高評価の鈴木はよく4位で獲得できた。50m5秒8、30m3秒88の快足を誇り、U-18アジア選手権では3番を務めた。8月27日に行われた同大会の壮行試合として大学日本代表と対戦した際、4歳上の相手は同じタイミングでプロ入りするという意味でライバル意識はあるかと聞くと、「あまり上に見てもいいプレーはできないと思うので、対等にいけるような感覚でいます」と語るなど、気持ちの強い選手に感じた。


  現在の西武では33歳の栗山巧がFA権を保持し、秋山翔吾は順調に行けば2017年に国内FA権を取得する。最悪、ふたりが一気に抜ける可能性があり、スケールの大きな外野手の育成が不可欠である。下位で好素材を獲得できた幸運を、何とか生かしたいところだ。


  一方、3、5、6位は夢より現実の指名だった。中島宏之(オリックス)が退団した2013年以来、レギュラー不在のショートにトヨタ自動車の源田壮亮を3位で選択。吉川尚輝(巨人1位)、京田陽太(中日2位)の上位指名があるかと注目されたが、1、2位では素材型の投手を優先し、計32巡目まで残っていた3位指名で源田に入札した格好だ。これで9年連続遊撃手を指名しており、そろそろ正遊撃手を輩出しなければいけない。


  総合力で社会人ナンバーワンとの声もある源田は高い守備力と走力を誇る一方、都市対抗野球では決勝までの5試合すべてで9番を打ったように、打力が持ち味ではない。ただ、呉念庭、外崎修汰、永江恭平、鬼崎裕司、渡辺直人らが控えるショートは今季失策を連発しており、守備の立て直しを辻発彦新監督が最優先するなら、源田には1年目からチャンスがあるだろう。


  5位の平井克典、6位の田村伊知郎はいずれもリリーフタイプだ。ホンダ鈴鹿出身の平井は右サイドから投げるスライダーが武器で、コースの出し入れで打者を打ち取っていく。立教大学の田村は140km代中盤のストレートを軸に、強気で押していける投手だ。チームのブルペン陣はクローザーの増田達至、セットアッパーの牧田和久、左の武隈を中心に数年前より強化されてきたものの、日本ハムやソフトバンクなど他球団より劣っている。近代野球で勝利するにはブルペンの分厚い力が不可欠であり、平井、田村には1年目からの活躍が期待される。


  最後に指名全体を総括すると、多くの即戦力が欲しいチーム状況にもかかわらず、野心的な指名を重視した姿勢は評価したい。ただし、今井、中塚、鈴木はあくまで金の卵であり、順調に孵化させるべくじっくり育ててほしい。
  逆にいえば、来季の戦いに向けて、ドラフトからの即戦力という意味ではそこまで期待できない。Bクラスから抜け出すには現有戦力の上積みはもちろん、近年エルネスト・メヒアを除いて外し続けている外国人戦力の補強が最大のポイントになる。


 中島大輔 ベースボールチャンネル編集部