【週刊BB記事】新連載・最旬野球人/西武ライオンズ・平井克典~逃げないサイド右腕~
昨日は中田に一発被弾してしまった平井ですが、
今年は西武のキーマンの一人になることは
間違いないです。
その平井へのインタビューの記事が
週刊BBに出ておりました。
なお、今週の週刊BBは
W.B.SPECIAL「12球団の焦点」
誤算?必然?いま何が起こっているか
など。
興味のある方は、週刊BBをどうぞご覧下さい。
最旬野球人
西武ライオンズ・平井克典
逃げないサイド右腕
週刊ベースボール2018.4.30号
(小林光男氏)
<前略>
自主トレから具体的な目標を持って練習してきました。課題克服に取り組んで、今年はそれが少しずつ形となって表れていると思います。<中略>
昨年、シーズンを通して劣勢に立つと、スライダーに頼ってしまう自分がいました。ストレートに自信がなかったんですよね。そこを打破したい、と。だから、取り組んだことの一つが、ストレートの質を向上させることでした。
今年はストレートで打者を押し込めている感じがします。僕はストレートにスピードは求めていません。きれいな回転ではなく、動いてもいい。スピードがなくても、ファウルを打たせてカウントを稼ぐ、少し動いて内野ゴロを打たせる。そういったストレートが理想です。
ピッチングで左足をステップさせたとき、上体も一緒に突っ込まないようにする。ずっと練習してきたことの一つですが、それがいましっかりできています。それも、ストレートを投げることができている要因かな、と思いますね。
昨年、左打者に分が悪かったので(対右打者被打率0.216、左打者同0.297)、その対策のためにチェンジアップ、カットボールを習得しました。ただし、やっぱりストレートの質が上がったことで、左打者に対してもとらえられる確率が減ったと思います。「ストレートがあっての変化球」ということは忘れてはいけません。
とはいえ、スライダーにこだわりはあります。持ち球の中で一番、自信があるボールですからね。求めるのはキレ。空振りを取ったときは本当に快感(笑)。<中略>
課題もまだまだあります。一つは左打者のインコースにストレートを投げきることでしょう。まだシュート回転してしまうところがある。昨年よりもその割合は減ったと思いますが、もっともっと精度を高めていかなければいけません。
<サイドになった経緯は中略。
BBをご覧下さい>
昨年、開幕一軍を逃し、二軍生活を送ったことも良かったかもしれません。二軍を知ってから、5月末に一軍へ上がりましたが、やっぱり試合中の環境もまったく違います。一軍の、大観衆の中で投げる快感を味わうと、二軍には戻りたくなくなる。
<中略>
どんなにすごい打者でも立ち向かって、抑えたいという気持ちは強いです。マウンドで弱気な姿は見せたくありません。嫌な予感が漂うときもありますが、それを表に出してしまったら味方の士気に影響します。スキを見せたら、相手につけ込まれてしまいますし、逆に「平井がマウンドに上がったら嫌だな」と相手の気持ちを引かせるような存在にならないといけません。
マウンドでは逃げたくないんです。疲れがあっても、マウンドに上がったら関係ありません。そういう状態でも打たれていいわけではないし、気を抜いていいわけでもない。
攻める姿勢。四球を出したら「もったいない」と悔いが残りますし、それなら勝負してヒットを打たれたほうが・・・いや、やっぱりそれも嫌です。どんな形でも、打者を抑えるのが一番いいですね。
プロに入ってから中継ぎを任されるようになりましたが、ずっと先発をやってきたので分からないことだらけでした。正直、中継ぎの重要性も理解していなかったです。でも、首脳陣や先輩方にいろいろとアドバイスもいただいて、成長させてもらいました。
中継ぎを経験して重要だと深く感じたのは、「流れ」です。先発はお互いの勢いが五分で始まりますけど、中継ぎは違う。リードしている展開でマウンドに上がれば有利だし、ビハインドだったら相手に勢いがある状況でしょう。だから、試合の状況を読んでマウンドに上がる必要があると実感しました。
先発がつくった流れが良ければ、それを壊さないように次へ回す。だから、そういうときは僕は目立たないくらいのほうがいいですね。しれっと投げる。ファンが「あれ、今日は平井って投げていたっけ」と思うくらいに。それが理想。逆に流れが悪いときは断ち切らないといけません。気持ちを前面に出して、野手を鼓舞するようなピッチング。そういったことができるようになりたいと思います。
今では非情にやりがいを感じています。1個のアウトが勝利につながったときの喜び。試合終盤、しびれる場面で投げることも多いですが、そこを抑えたときの喜びも言葉で表せないくらいです。
その分、やられたときの悔しさんもハンパないですけど。そういったとき増田さんが「なに落ち込んでいるんだよ」と言ってくれるなど、結構気を使ってもらっています。ただ、気持ちの切り替えは大丈夫。打たれたときは当然、反省します。それで、寝て起きたら、自然とリセットできますね。いつまでも引きずっていてはダメですから。
<中略>
僕はどんどん投げたいです。必要とされるのであれば、いつでもマウンドに上がりたい。「行くぞ」と言われたら、勝手にスイッチが入ります。今年は70試合を超える登板数が目標。いずれは久保田さん(元阪神)が持つ日本記録の90試合登板も超えたい思いもあります。
やる以上は居一番を目指したいですから。中継ぎを任されるのであれば、その役割で一番を。チャンスがあれば、いずれはタイトルも獲りたい。だから、1試合でも多く、そして1年でも長く。太く、長い野球人生を送りたい。僕、野球に関しては本当に欲張りなんですよ(笑)。