楽天の岸との初対決はいかに? 大敗の借りを返すことも含めて「獅子の意地」を魅せて欲しい。
さてゴールデンウィーク最後の日曜日は
楽天へ移籍した岸との初対決です。
こちらは
無敗神話を築きつつあるウルフ。
また今の楽天は嶋が不在ですから、
本来なら、土曜日だって
打ち崩しても不思議では無かったのですが。。。
徹底的に撃破された大敗の翌日です。
そのことも踏まえれば、
ここで岸を前にして連敗するようでは、
末代までの恥そのものです。
絶対に負けられません。
意地でも勝って欲しいです。
獅子の意地を魅せてくれ!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、今年の岸の成績は
3試合(19回)に登板し
防御率2.37、1勝0敗。
勝ち星こそ少ないですけど、
3試合ともQSを達成しており、
前回は7回まで投げ僅か1失点と
HQSをクリアしています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
岸の球種配分については、
昨年が
ストレート 51%
スライダー 18%
チェンジアップ17%
カーブ 14%
でした。
今年の3試合については、
「©データで楽しむプロ野球」さんの
ホームページから参考にさせて頂くと、
ストレート 55%(昨年比+4%)
スライダー 11%(昨年比ー7%)
チェンジアップ15%(昨年比ー2%)
カーブ 19%(昨年比+5%)
です。
ストレート、カーブがやや増え、
スライダー、チェンジアップが微減
という感じでしょうが、
全体的にはストレート中心に、
スライダー、チェンジアップ、カーブ
の変化球を使い分けている
方向で変わらないでしょう。
ちなみに昨年の
2ストライクに追い込んでからは
ストレート 54%
スライダー 15%
チェンジアップ18%
カーブ 13%
です。追い込んだら、変化球は
スライダーよりチェンジアップ
が増えているという感じです。
左右打者別では(昨年)
左打者の被打率が0.280
右打者の被打率が0.219
と左打者の方が苦手傾向です。
「©データで楽しむプロ野球」さんの
ホームページから参考にさせて頂いて、
走者の有無で打率を見ると
昨年は
走者無し 0.272(287ー78)
走者1塁 0.308(78 ー24)
走者得点圏0.169(124ー21)
サンプル少ないですが、今年は
走者無し 0.190(42ー8)
走者1塁 0.385(13ー5)
走者得点圏0.077(13ー1)
となっており、
全般的に
得点圏に走者が居るときの方が
居ないときより打率が著し低い傾向
といえます。
すなわち、残塁祭りが得意とも言えます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
では、前回の4/30日ハム戦
の投球を最後に掲載し、簡単に整理します。
また参考として、
勝ち星を挙げた4/9ロッテ戦も掲載します。
4/30日ハム戦は
今年最長の7回109球を投げて
自責点1ときっちり試合を作っています。
1イニング当たりの平均球数が15.6球/回です。
ちなみに4/9ロッテ戦では
6回103球で1回平均が17.2球/回です。
球数については、
昨年の勝ち星挙げた試合でも
1回平均が16.0球/回ですから、
4/30日ハム戦はあまり変わりません。
基本的には球数を節約するタイプでは無く、
普通に要する(可も無く不可も無く)タイプです。
ただし、今年の3試合では、
4/16日ハム戦で120球投げていますが、
4/9ロッテ戦で103球、
4/30日ハム戦で109球と110球未満です。
いずれにせよ交代直前は
得点圏に走者を置いているか、
1発含めて得点されていることを踏まえると、
やはり疲れが見え始めて交代しており、
そのバロメータとして球数110~120球が目安
といえます。
昨年は130球以上でも投げていましたけど、
最近は110~120球で終えていますので、
明日130球以上投げるのは楽ではないはずです。
早い話、今の岸の交代タイミングは、
雄星や則本のような140球というラインではなく、
球数110~120球を超えるときがベターであり、
◇110~120球で交代する
◇交代しなければ、疲れから攻めやすくなる
と想像されます。
これを考えると、追い込まれたくないけど、
如何に球数を嵩ませるか?
球数を嵩ませ早期交代を狙うがカギです。
西武がお得意とする早打ち攻撃作戦は、
岸を助けることになるだけです。
極端なことを言えば、
①最初の一巡は、凡退覚悟で
様子を見ながら、
あとはできる限りカットで粘り込み
とにかく球数を嵩ませる。
※岸が変化球に何を使うか?
も伺えます。
②二巡目以降で攻めていく
ということも考えられるでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、例示した試合結果を見ていきましょう。
4/30日ハム戦では
自責点1、被安打5、与四死球1、奪三振8でした。
まあ日ハムの特性も左右しますが、
この日の球種構成は
ストレート 59球(54%)
スライダー 5球(5%)
チェンジアップ11球(10%)
カーブ 34%(31%)
であり、変化球はカーブが主体で
スライダーをほとんど投げてません。
すなわち、この日の日ハム相手では
ストレートとカーブを
2柱にして勝負しています。
そのときの状況で違いますが、
イニング別で見ると
直球 スラ チェ カーブ
1回 7 1 0 3
2回 5 1 1 3
3回 7 2 1 4
4回 10 0 2 6
5回 10 0 1 5
6回 6 1 2 6
7回 14 0 4 7
であり、直球とカーブの比率は約2:1と
イニング別であまり大きく変わりません。
しかし、勝ち星を挙げた4/9ロッテ戦では
変化球がカーブよりも、
チェンジアップ、
スライダーを組み立てており、
特にチェンジアップが多かったです。
この差異は、本人の投球状況のほか、
当たり前ですが、
対戦相手(日ハム、ロッテ)の違い
によるものでしょう。
(その選定基準は知りませんが・・・)
すなわち、ポイントの一つになりますが、
相手によって変化球の球種を
使い分けてくる!
(しかも偏って使い分ける可能性が大)
という点には着目が必要でしょう。
一方、西武に対しては
西武が苦手とするカーブを組み立ててくる
と考えられ、参考にするなら
直近の4/30日ハム戦でしょう。
しかし、その裏をかいて
チェンジアップを中心に組み立てる?
場合によっては、
一巡目、二巡目でカーブ、
チェンジアップを使い分ける?
かもしれません。
一巡目、二巡目で使い分けられると厄介ですが、
いずれにせよ、
球数を嵩ませる効果も含めて
一巡目は様子見に出て変化球を見極めること
も考えられるでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ただし、ストレートは半分以上投げてきます。
追い込んでからも、半分以上投げてきます。
そのストレートにどう対峙するか?
もカギになってきます。
ストレートについて厄介な点は
優れた制球力により
四隅へズバっ!と決めてくるところです。
4/30日ハム戦で
全ストレート59球のうち
四隅に投げたストレートは33球(56%)。
それらを内外は考えず、高低で区分すると
◇高め(計11球)
ストライク8球、ボール3球
見逃しストライク1球
◇低め(計22球)
ストライク14球、ボール8球
見逃しストライク11球
この試合での奪三振8のうち、
四隅(低め)を突いた
ストレートで3つ見三振を奪ってます。
カーブも含めると4つ見三振です。
特にランナーが居て、
三振が欲しいときに投げてきます。
打ちにくい四隅のストレート(特に低め)は
基本的に見逃す方が賢明です。
ただし、追い込まれたときに
四隅にストレートを投げてくる場合、
ストライク率が高いので見逃しはNGです。
極力カットして、見三振は避けたいです。
ただし、四隅に投げた変化球では、
少し事情が異なっています。
*まあ変化球は軌道が問題で
おさまるコースは変化度合次第もありますが。
全変化球50球のうち
四隅に投げた変化球は40球(80%)。
◇高め(計4球)
ストライク1球、ボール3球
見逃しストライク0球、
ボール球空振り0球
◇低め(計33球)
ストライク10球、ボール23球
見逃しストライク4球
ボール球空振り6球
四隅に変化球を投げてくる場合、
当てても凡打になりやすいですし、
ボール率が高いので見送ってもいい
かもしれませんね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ところで、全ストレート59球のうち
四隅でないストレートは26球(46%)
あります。
そのうち6球(23%)は
真ん中又はその上部・高めストライク
真ん中高めボールは1球(4%)
真ん中の低めストライクは3球(12%)
真ん中の低めボールは1球(4%)
です。
残るベルトの高さは
内外は相手打者次第でもあるので
内外を分けなければ、
ストライクが11球(42%)
ボールが4球(15%)です。
(参考)内外で一応分けると
内角ストライク:4球
内角ボール :2球
外角ストライク:7球
外角ボール :2球
すなわち、ど真ん中に投げてくれれば
いいんですが、その確率は高くない。
でも、四隅でないストレートは26球のうち、
ストライクが20球(77%)であり、
四隅に投げるときよりも
(まあ真ん中がありますから)
ストライク率が上がります。
このため、見逃しはしない方がいいです。
追い込まれたら、見三振は避け
甘ければ打てば良いし、厳しければ
極力カットして甘くなるのを待ちたいですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上を踏まえると、ストレートについては、
全体59球のうちストライクが43球(73%)
のため、基本的には手を出していく。
ただし、
打つのが楽ではない四隅(低め)は、
カットしながら逃げていく。
その他は打っていく。
で、打つときには
外角は流す、内角は引っ張る。
一方、ボール率の高い変化球には手を出さない。
みたいなことが考えられるかもしれません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとは浅村や中村を見据え、
高め大好きな強打者・中田への攻め方
にも着目してみます。
この日の中田は
1打席目(1回裏)空三振
初 球:外角高めスライダー空振り
2球目:外角低めカーブ見送り
3球目:内角低め直球見逃し(B1S2)
4球目:外角低めカーブ空振り(ボール球)
2打席目(4回裏)三ゴロ
初 球:外角直球見逃し
2球目:外角直球ファウル(B0S2)
3球目:外角低めチェンジアップ三ゴロ
(ボール球)
3打席目(7回裏)四球
初 球:外角低め直球見送る
2球目:中央低めカーブファウル
3球目:中央低め直球見送る
4球目:外角低めチェンジアップ見送る
5球目:内角低め直球見送る
6球目:中央低めカーブファウル(B3S2)
7球目:外角低め直球見送る→四球
でした。
注目は1、2打席目です。
1、2打席目は、
追い込んでから落ちる球をスカっ!と空振り
おかわり君らを攻略する際の
典型的な定番パターンです。
なお、3打席目まで含めていくと
追い込んだ直後は、
外角低めのボール球で
勝負に出ていることが伺えます。
(3打席目はストレートだったので
振らなかっただけ?)
いずれにせよ、岸の長短は
西武が一番把握しているわけですから、
きっちり策を講じて打ち崩し、
残塁祭り、三凡祭り。あと1本がといった
無様な野球は避けて欲しいです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【岸の投球】
◆4/30日ハム戦
◆4/9ロッテ戦