下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

【伊東勤の野球論】スポニチで5日間連載していたので読んでみました。。。一応、名捕手の方でしたからね。

前ロッテ監督・西武OBの
伊東勤氏による野球哲学
スポニチで5日間に渡って連載されていました。


まあ西武とは色々あった伊東氏ですが、
かつては名捕手と言われた存在であり、
ロッテ監督時代には西武への対抗心から
打倒西武にあれこれ仕掛けてきた存在です。


まあ疑問符のつく部分もありますが、
捕手視点からの考え方でもありますので、
勉強になる部分もあると思い、
今回、取り上げました。



【伊東勤の野球論】
2018年1月11~15日 (スポニチ)
 今年からスポーツニッポン新聞社の評論家に就任した伊東勤氏(55)が、現役22年、監督歴9年で培った勝者の「野球学」を連載で紹介します。「捕手編」から「最強チーム編」まで全5回。選手、監督時代を通じて15度のリーグ優勝と9度の日本一を経験。試合を知り、勝利を知り尽くした伊東氏の野球哲学を伝えます。

《(1)捕手編》
我が強くなる前に教え込んだ炭谷&田村
  捕手は「いかに犠牲になれるか」に尽きる。自分のことは二の次、三の次で、投手、チーム、相手打線を最優先に考える。私も自分のことを考えられるようになったのは、正捕手として試合に出られるようになって3、4年たってからだった。
  監督になってチームづくりをするとき、最初に捕手を決めた。捕手は監督の分身だし、そこが落ち着かないとチームも落ち着かない。西武では06年に高卒1年目だった炭谷を開幕捕手に抜てきし、ロッテでも高卒の若い田村を重用した。それは「捕手は我が強くなる前に教え込む」という持論から。大学、社会人で実績ある選手はいいところもあるが我も強い。捕手は頭が柔らかいうちに徹底して教え込むことが肝心だと思っている。
  その点で炭谷も田村も純粋だった。5年間見てきたが田村も捕手らしくなってきた。今はイケイケからの転換期。今は苦労して苦労すればいい。
  捕手に一番大事なのは構え方。安定感のある、投手が安心して投げやすい構え方をしないといけない。ソワソワしていると投手に伝わる。そして決してボールを後ろにそらさないこと。走者が三塁にいても投手が安心して変化球を投げられることが捕手には必要だ。
  現役選手ではソフトバンクの甲斐、オリックスの若月あたりは成長している。とくに甲斐は昨秋に侍ジャパン(アジアプロ野球チャンピオンシップ)で接したが、性格の強さを持ちながら投手に対して謙虚さを感じた。


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【感想】
「投手が安心して投げられる構え方」
このことは、辻監督も
文化放送でおっしゃっていましたね。
そのとき、
「監督が捕手に求めるところはどこですか?」
と聞かれて、辻監督は
「もちろんリードもあるんですけどね。
 ワンバンでもいいから全部止めるよという安心感。
 安心感が捕手には必要じゃないかな。
 それをちゃんとやってくれればと思います。」
そして、その捕球については、
「一生懸命やりすぎるんですよね。
 一生懸命に止めようとするから
 体が硬くなる
んですよ。
 ふわっと柔らかく、吸収しなければ。
 それが難しいんですけどね。」と。


辻監督も、伊東氏も
投手が安心して投げやすい構え方
が捕手には一番大事ということですね。



≪(2)投手編≫
涌井、則本、菅野…男気こそエースの条件
 投手に一番大事なのは「コントロール」。制球力があれば先の先までリードも計算できる。でも捕手としてはコントロールの悪い投手の方が気楽だ。打たれても配球のせいにされないから…ね(笑い)。
  私は投手が何を投げたいのか考えながらリードしてきた。きっかけは高橋直さん(高橋直樹=日本ハム、西武などで通算169勝)とバッテリーを組んで2年目くらいに「今日からおまえのサインに首を振らないから」と言われたこと。うれしかったし、コントロールのいい投手だったので責任も感じた。
  エースとは1人でゲームを投げ抜く投手。一つでも多くの試合をつくれる投手のこと。現代の野球では育ちにくいが、ロッテでは涌井がまさにエースだった。「涌井さんが投げているから何とかしたい」とチームに思わせる男気があった。今なら楽天の則本や岸、巨人の菅野もそうだろう。
  昔はコーチがマウンドに行っても「代わらない」と言い張る投手が多かったが、今は違う。その裏には球団の査定方法がある。完投でも中継ぎに譲っても評価は同じ1勝だったりするから「7回で降りて楽になりたい」となる。その分、ブルペンの重要性は増したし、評価も上がった。入団時から「中継ぎで頑張りたい」と公言する選手も出てきた。
  今の野球は1人で投げきるのが難しい。とくにパ・リーグはDH制があり、一つアウトを取るのも大仕事だ。近年の流れを見ても中継ぎ、抑えがしっかりしたチームが優勝している。とくにクローザーは重要だ。

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【感想】
確かに、分業制になった現在では
中継ぎ、抑えの存在は重要です。
昨年のソフトバンクをみても、
完投数はわずかに4試合とリーグ最少。
防御率については、12球団トップの3.22。
うち先発が3.46に対し、リリーフが2.78。


西武は先発が3.64、リリーフが3.22、
楽天は先発が3.35、リリーフが3.30、
を考えると、
ソフバンのリリーフ陣は別格になっています。


QS率については、
ソフバンが49.65%、西武が51.05%、
楽天が55.94%、オリが50.35%、
ハムが38.46%、ロッテが51.05%だっただけに
ソフバンのリリーフ陣への負担は
大きいものだったことが伺えます。


とにかく
ソフバンを相手に戦うときは、
先手必勝しかなく、
野球は9回までやるスポーツですが、
サファテや岩嵜らの存在により、
事実上、7~8回しかないのが現状でした。


ただし、リリーフ陣も大事ですが、
そこへ受け継ぐために試合を作ること
その前提として重要であり、
それの重要任務を担うのが先発陣です。
試合を前半にぶちこわしたら、
虎の子リリーフ陣の出番はなくなります
から。


ソフトバンクの先発陣
武田や和田が故障で一時離脱し、
武田は13先発に、和田は7先発とどまるものの、
東浜(24)、バンデン(25)、千賀(22)、
石川(12)、中田(15)、松本(10)、
寺原(6)、摂津(6)と
先発陣がやはり揃っておりました。
[※( )は先発登板数]


正直、中田あたりが先発で出てくると
こちらとしてはホッとする部分もありますが、
もし西武に譲渡してくれるなら、
中田クラスでも欲しいと思う面もあります。
今の西武の投手陣戦力は
そのくらい切迫した状況であると思います。


とにかく、
◇試合を作る先発陣の駒を揃えることが前提で、
◇その上で中継ぎ・抑えも揃っていること
優勝するにはこの2点が必須条件
ということは当然の理です。


もちろん戦力の差を
戦っていく中で
戦略・戦術を講じながらで
埋めていくことは大事
であり、
王者・鷹を相手に勝つには
その策が必須ではあります。
しかし、戦力差が開きすぎていれば、
何ともならなくなる限界もあります。


それら必須条件をできる限り揃えたチームが
先発にせよ、中継ぎにせよ、抑えにせよ
それだけ層が厚い王者とどう戦うか?
も重要です。



《(3)打者編》
短期決戦の4番は自己犠牲の精神必要
 捕手にとって嫌なのは「ストライクゾーンなら1球目から振ってくる打者」。昔は1球目はボールを見ろとか、先頭打者は投手にたくさん投げさせろとか言われたが、今は好球必打で、早いカウントのストライクを打ってくる。積極的だがボール球は振らないのがいい打者とされる。
  
いい打者は3球目までに勝負をつけてしまう。だから、現代の野球は、バッテリーの配球が次の打席、あるいは次の試合へとつながっていかない。
  昨季、楽天がペゲーロを起用したように、最近は本塁打を打てる打者を2番にする「2番最強打者説」もよく言われる。
いい打者が増えたから、簡単にアウトを相手に与えない野球が主流になってきた。犠打で1点を取りにいくより、併殺の危険があっても大量点を狙う。自軍の先発投手や主軸にもよるが、「最強2番」はありだと思う。
  
理想の4番打者は長いシーズンと短期決戦では違う。長いシーズンなら一番信頼できる打者がいい。「彼が駄目なら仕方ない」と思われる選手。ソフトバンクの内川がそうだ。あの年齢であの打ち方ができることが凄い。若手では西武の山川もおかわり(中村)の代わりに頑張っていた。
  ただ、五輪のような
短期決戦なら4番打者であってもバントや右打ちが必要。勝利を優先し、データに振り回されない柔軟性が欲しい。アテネ五輪で4番を打った城島のような。今、似たタイプなのは西武の浅村。彼はいい打者だと思うし、短期決戦で4番を打たせられる選手だと思う。
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【感想】
短期決戦では、
とにかく流れを掴むことが大事なので、
多様な策を見据えて戦うことは
十分必要になります。


ただし、まずは
今年の長いシーズンをどう乗り切り、
その中で勝っていくことが重要です。


そこで、今年、十分あり得る
Bクラス・アゲイン!という
悲惨な結果になったら、
短期決戦も何もありませんからね。



≪(4)守備編≫
二遊間も中堅も大事だが最重要は…
 個人的には「1―0」の勝利が好きだ。お客さんには乱打戦の方が喜ばれるだろうけど…。先日、野球殿堂博物館(伊東氏は17年1月に野球殿堂入り)にお邪魔して拝見したが、歴史をさかのぼると米国発祥の野球は「点取りゲーム」がスタートだったようだ。
  日米の違いもあるだろう。私は日本で育ったので、
点をやらなければ試合に勝てると教育されてきた。私の根本にあるのは、やっぱり1―0で勝つ野球。でも一振りで4点が入るのも野球だからね。
  
センターラインが大事というが、それはそのポジションに一番打球が飛ぶから。一番多く打球を処理するのは二塁手と遊撃手で、やることも多いし、正確さも要求される。中堅手は当たり前だが守備範囲の広さが求められる。今なら西武の秋山やソフトバンクの柳田。私が現役のとき、西武には秋山(幸二=前ソフトバンク監督)がいた。オリックスの全盛期には田口がいて、右翼にはイチローがいた。彼らが守ることで長打が出ない。二塁打が単打に、三塁打が二塁打になってしまう。外野のミスは失点に直結する。不安があればバッテリーは「あそこに打たせたくない」と配球が慎重になり、球数も増えてしまう。
  個々の守備力は秋のキャンプで磨いて、チーム練習は春のキャンプでやる。「守備はできるまでやろう」と始めても完成しないこともある。そうなると「確率を上げよう」となる。メンバー固定は理想だが、攻撃力の兼ね合いもあるから難しい。ひとつ確かなのは
一番重要な守備はバッテリーだということだ。


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【感想】
捕手出身とあって、
センターラインで一番重要視するのは
バッテリー(投手&捕手)です。
まあ当たり前のことなんですけどね。


でも、西武の黄金時代を支えてきただけあって、
『点をやらなければ試合に勝てる』
と教育されてきた、
私の根本にあるのは、
『やっぱり1―0で勝つ野球。』
1点勝負の大事さ、
たかが1点、されど1点の精神

が根底にありますよね。


そこは辻監督も、ソフバンの工藤監督も
同様にありますよね。


辻監督は就任時に、
1点をいかにして取るか、いかにして守るか
「1点にこだわる野球」を挙げておられました。
もちろん、戦っているときには、
大量失点を阻止するために、
1点を献上してもしょうがない
ということはありましたが。。。
まあ1点もやらぬと力んで
大量失点になってしまうケースが
多々ありますからね。


工藤監督も
1点の大事さを心得ているから、
手堅く1点を奪いに行って
流れを掌握しようとします
よね。
ソフバンの場合、
6回以降は万全のリリーフ陣がいるから、
先制なら勝率ほぼ9割という状況です。
それ故、いかに最初の1点を奪って行くか、
そこを大事にした戦い方をしてきます。


たかが1点、されど1点
1点の重みは大事ですね。



《(5)最強チーム編》
 黄金期の西武と今のソフトバンク。どちらが強いか。答えは難しい。ただ、球団のバックアップという点では、ソフトバンクが歴代で最強だ。あの手厚い球団のサポートがある限り、ソフトバンク時代は続くだろう。
  ソフトバンクは2、3軍に専用球場をつくり、2軍も運営面である程度は独立採算ができている。これからはそうあるべき。
日本の多くの球団は2軍で資金を使い切ってしまう。米国のようにマイナーリーグとして独立経営できるのが理想だ。
 

 侍ジャパンの強化副本部長という任を頂いて、20年の東京五輪に向けて重責を担うことになった。結果次第では野球に対する世間の見方も変わってしまう。もちろん最強のチームで臨みたい。
  日本が初代王者となった昨秋の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」のメンバーは20年には27、28歳になる。五輪本番まで、それぞれがチームでどれだけ成長してくれるか。
  大谷には日の丸を背負ってほしいが、米国がどう判断するか分からない。投手は不安が残る。過去の松坂、ダルビッシュ、岩隈のような絶対的な存在が今はいない。巨人の菅野だって五輪の頃は30歳を過ぎている。
  期待する選手もいる。広島の薮田がいいという声が多い。私はまだいいときを見ていないから(評論家になって)セ・リーグの試合を見るのが楽しみだ。捕手ではソフトバンクの甲斐が順調に育っているし、日本ハムに入団した清宮も候補の一人であってほしい。彼は2月の春季キャンプで見たい、興味のある選手の一人だ。 

=終わり=


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【感想】
最終回は普通のネタで
終わってしまいましたね。
貧乏でもソフバンに勝つための
チーム作りでもコメントしてくれれば
伊東氏が考えている
ソフバンの弱点等を述べてくれれば、
参考になりましたが、、、、
まあ、それがあれば、
昨年、カモメさんも
あんな成績に終わらなかったでしょうが。。。
でも昨年のカモメさんは、
主要な駒を奪われ、
補強もまともにしてもらえず
戦術云々よりも戦力面の敗因が大きく
現場の方は可哀想でしたね。

※でも、明日は我が身です。
 今年の西武もそこに陥る懸念は
 十分有ります。


ソフバンは、1軍のみならず
2軍、3軍と好環境を備えるとともに、
競争も激しいことから、
育成を含めて理想な形になっています。
それ故、層が厚く
負傷者が出ても代わりが出てくるありさま。
名門高校と普通の高校が戦うようなものです。


もちろん、潤沢な資金を有すること
大きな前提条件になっていますけど。
でも資金を持ちながらも、
育成もできず他所からかき集めて
結局、低迷している黒い球団は、、、
対照的に無能振りを露呈
していますけど。


まあ黒い球団は放っておいて、
鷹軍団は、確かに比較が難しいけど、
独走できる、他を抜きん出ているという面
黄金時代初期の西武よりは強いです。
(広岡氏の頃や森氏の前半の1980年代)


我が西武が優勝するには、
そんな王者・鷹軍団に勝っていかねばならない
という高いハードルが待ち構えています。

しかも、こちらの戦力は
不確実性が大きいですから、
さらに厳しくなるおそれも。。。


展開の助け(他力本願)の面
必要にならざるを得ないのは確かです。
もちろん、その他力は
神頼みでも何でもいいですよ。