下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

【FA問題】球界全体におけるFA問題決着。長野が人的補償でカープへ。巨人は内海に続いて功労者を放出。こういう衝撃的な人的補償が行われると「人的補償」反対論の声が出てくるんでしょうが、人的補償を廃止してしまったら、各球団の戦力均衡の観点は吹き飛びます。

今日、新年明けての大きなニュースが飛び込みましたね。


丸FA移籍に伴う広島への人的補償で
長野が選ばれるとは。。。
内海の人的補償に続き、
球界を震撼させるニュースでしたね。


長野も、内海も、プロ入りにおいて
巨人に入りたいがために回り道をしており、
巨人入団後はチーム内を支える功労者でしたから、
その二人が立て続けに人的補償という形で失うのは、
戦力になるならないの観点を超えて
巨人内部の現場等へのハレーションは大きいでしょうね。


ファンの間でも身勝手な発言が乱発していましたね。
まあ、怒る気持ちもわかりますが、
怒るなら、西武や広島ではなく、巨人に怒るのが筋ですが、
『丸巨人入りにより広島ファンは悲しみを覚え、
 長野が人的補償として選ばれたことで
 巨人ファンは怒りを覚えた』などは面白い表現と思います。


でも、巨人は長野
プロテクトからハズしていましたけど、
まあ丸と比べたら、劣るのは当然ですけど、
広島にとっては、
長野は十分戦力になるんじゃないでしょうか。


打撃成績だけを見ても、
昨年2018年は、
規定打席数こそ僅かに満たしませんでしたが、
426打席で打率0.290、出塁率0.359、
長打率0.433、OPS0.793であり、
それらの数値の単純な比較をすれば、
過去4ヶ年の中ではどれも最高値です。


この成績でプロテクトからハズれているなら、
少しでも丸の穴を埋めたい広島が
人的補償対象に選んでも当然ですね。
むしろ「獲るな」という方が無理があり、
プロテクトをハズしている方が悪いですね。
また同一リーグの丸を獲得することが、
もともと在籍していた広島の戦力を削ぐこと
巨人の戦略的な目的の一つになる
反面、
今回の人的補償により、
巨人内部の選手らに疑心暗鬼、
不信感を増す可能性
という意味で、
広島も巨人の力を少しでも削ぐこと
成功する可能性がありますね。


丸が入って外野手が多くなるのもあるでしょうが、
また、今回、見境無く獲りまくった選手は、
プロテクト対象とは関わらないから比較もできませんが、
あと、補償とも関わらないですが、
少なくとも、
右の代打として獲得した中島よりは
長野の方が使えるのではないでしょうか?


内海についても、
岩隈よりは使えると思いますけどね。。。


まあ巨人は、例年、
戦略があるの?ビジョンはあるの?と思うほど、
相変わらず、見境無くFA選手を獲りまくってますね。
それでチームの結果が伴ってないから、笑えますが。。。


今回、推測ですけど、
若手流出を避けたいために、
彼らがプロテクトからハズれたのかもしれませんが、
巨人では、結局、
その若手らも埋もれたままで使い切れない

ということになりそうですけどね。


まあ今回の内海、長野の放出は、
戦力云々の観点を超えて、
チーム内での球団に対する疑心暗鬼を促し、
精神的支柱も失う
ので、
巨人にとっても痛いでしょうし、
 ※自らFA選手を獲っていて
  痛いというのもおかしな話ですが。
  リスク無しでFA選手を獲るというのは、
  泥棒と一緒ですし。
補償で若手を失うことも痛いでしょうから、
今回の人的補償が巨人にとって
FA選手獲得に伴うリスクへの認識度を高め、
FA選手獲得を少しは控える
きっかけになってくれたら、と思いますね。
ただ、実際にはそんなことは考えないでしょうが。。。


まあ巨人の話はこれくらいにしておいて、
でも、こういう衝撃的な人的補償が行われると、
「人的補償」反対論の声が高まったりします。
下手をしたら、巨人から
「人的補償廃止→金銭補償のみ」論が出るかもしれませんが。



下記は内海移籍のときに出た記事の例です。

巨人・内海の西武移籍で波紋… 
問題だらけの「人的補償」を選手会は放置するのか
2018.12.21 (夕刊フジ)

<抜粋>
各方面に禍根を残す現行の補償制度は、選手会が望むようなFA移籍の活発化を阻害するだけだ。須藤豊氏(元巨人ヘッドコーチで夕刊フジ評論家)は「
本人の意向が全く無視される選手が気の毒だ。ドラフトは入団を拒否しても翌年以降にプロ入りできるが、人的補償の移籍を拒めば事実上の現役引退。FAが選手の権利だというなら、代わりに強制的に移籍させられる選手の権利はどうなのか。選手会が12球団と話し合うべき問題だ」と疑問を呈する。


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もし人的補償を廃止した場合、何で補償するのか?
ということが出てきます。


例えば金銭のみで補償とした場合、
そもそも現在の金銭補償の金額が
費用対効果を鑑みたら安価すぎる問題
はありますが、
補強するにしても日本人選手ではトレードしかなく、
外国人も1軍登録人数に限りがありますから、
各球団の戦力均衡は保てません。
金も重要ですが、やはり人にはかないません。


また代替案としてドラフト権譲渡なども考えられますが、
ドラフトでは、不作の年もありますし、
新人が即戦力になる確率は低いですし、
ドラフトで得た選手が成功する確率も高くありません。
芽が出ずに球界を去る選手の方が多いわけであり、
ドラ1だって失敗例が多いわけですから、
各球団の戦力均衡は保てません。


また上記記事にあるように
「ドラフトは入団を拒否しても翌年以降にプロ入りできる」
のは事実ですが、その選手にとって
1年明けることは大きなリスクです。

人的補償で移籍する選手にとって、
「本人の意向が全く無視される選手が気の毒だ。」

とありますが、ある意味で、
FA問題のしわ寄せを押しつける対象が
今のNPB選手からまだ見ぬ新人らに移行している
ということになります。


例えば、
ドラ1間違いなしの選手の希望が巨人入りだったとします。
当然、球団からの指名があり、指名が重なればくじ引きなので
そのまますんなり巨人に入れる保証はありません。
でも、巨人へ入れる可能性は残されています。
最低でも1/12の確率は残ります。
しかし、巨人がFA補償でドラ1指名権を失っていたとすると、
そのドラ1間違いなしの選手は
巨人へ入れる可能性がほぼゼロになります。

プロ入りをもう1年遠回りするのもリスク大です。
すなわち、これからプロ入りの夢見る若者に
「本人の希望が全く無視される選手が気の毒だ。」

と言いたくなります。


やはり戦力均衡を保つのには
人的補償が効果的です。
ただし、当然ながら今の人的補償ではダメです。
今の補償では、外国人を除外して
年俸順で10位以内のランクA、B選手に対して
(年俸順がチームのランク付けと直結しませんけど)
プロテクト外となる29位以下の選手を交換するので
単純に考えただけでも
獲った球団が得をして、
獲られた球団が損をする仕組みです。


一応、その差を埋める意味で
人のみならず、多少の金銭で補填するわけですが、
その金銭も1回目のFA移籍なら
旧年俸の0.4~0.5倍の金銭とはした金です。


戦力均衡を保つために有効にするには、
今のプロテクトできる
人数の緩和が必要です。
その代わり、
人のみで金銭を付加する必要はありません。


できることなら、
ランクAの選手を獲得したら、
プロテクト可能人数は0人

ランクBの選手を獲得したら、
プロテクト可能人数は3人
そして、
今はランクCの選手獲得時には
補償が全く無く、持って行け泥棒状態ですが、
ランクCの選手を獲得したら、
プロテクト可能人数は10人

ランクをさらに細かくして、
ランクD、ランクE、、、として良いです。


FA流出が止められない今、
今のFA問題に求めたいことは、
正直、FA規約の第10条のみを対象にした
そのプロテクト可能人数の改訂

すなわち、
ランク別人数の設定の1点だけで構いません。
実現するなら、他は望みません。


このルールなら
例えば、楽天へ移籍したランクBの浅村の人的補償として、
松井裕樹や銀次、茂木、島内、田中和とか
戦力になる選手が獲得できる
のですから。
もしソフトバンクだったら、
千賀とか、森とか、今宮とか、甲斐キャノンまで獲れます。

もちろん、
補償対象になる彼らの年俸はキープすべきですから、
出費は嵩みますが、
FA選手を残留させるにも金は高価になりますからね。


獲る球団が減るかもしれませんが、
リスクが大きいので、
見境無く獲りまくることを低減できます。
一方、FA流出の痛みはだいぶ低減しますから、
獲られる球団も簡単に手放すことができ、
出て行く選手も後ろめたさが減るので、
選手会の望むFA促進に繋がる可能性は否めません。
人的補償で来た選手も
FA権を獲得したら宣言して心置きなく出て行けます。


ただし、当然ながら、このような
「プロテクト可能人数の緩和」案
実現はそう簡単ではありません。

しかし、
人的補償を廃止してしまったら、
その実現の可能性はゼロになり、
戦力均衡の観点は吹き飛びます。


それを考えれば、
「人的補償」反対論の声には
大いに反対します。
人的補償の芽は潰してはなりません。