下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

最近、獅子で昨年より増えている『バント作戦』は有効か?『無死二塁』でバント作戦はもったいなくないか?相手がバントしてきたら、そこまで慌てる必要はあるか?(6/9DeNA戦を振り返って)

今日は月曜日だったので試合がありません。
夕方、とんでもない記事が出ていたので
驚きのつぶやきとして1記事アップしました。


今日は、本記事を挙げる予定でしたので、、、


獅子威し打線について、
昨年はあまり見られなかったのが
『バント作戦』です。


逆にソフバンは
バント作戦大好きの傾向です。
まあ、ソフバンの場合、
投手陣が強靱であるため、
先制すると強く、
早く1点を奪うことが大事ですからね。


でも、獅子でバント作戦が少ないのは、
監督曰く、、、


打強投弱の傾向を有する獅子にとって
この理屈は合点します。
『バント作戦』が少ない戦術は、
まさに獅子の特性を優先したもの

ですね。


ただし、今年は
昨年と比べて増えた気がします。


昨日(6/9)のDeNA戦でも
源田、木村で2度バントを敢行し、
源田は無死二塁から
バントに成功しましたが、
そのイニングは無得点に終わり
木村はバント失敗。。。


そこでチーム別バント数を整理してみましょう。


昨年は、他球団と比べて
断然に少なかったでしたね。


今年も、他球団と比べて
最も少ない傾向は変わりませんね。


ただし、現在58試合で24犠打ですから、
143試合換算すると約60犠打
昨年(48犠打)を上回りそうですね。
犠打企画数も約2割増の傾向
のペースです。


1点だけ勘違いしていたのは、
今年、バントは増えたけど、
結構、失敗している、気がしておりました。
しかし、失敗の印象が強かったようで、
犠打成功率を見る限りでは、
昨年より率はアップしているんですね。
まあ、一昨年2017年よりは低いですが。


『バント作戦』については、
最近は、メジャーでもあまり有効ではないという
考え方も流行っています。


また栗山監督の名も含まれている論文では、
無死一塁の場合、生還率(得点する率)まで考えれば、
バント作戦は手堅いとも言い難く、
ヒッティングの方が有利だったりすること
もあるなど
整理されていますね。
また対戦相手によっても有利不利が変わってくるとか、
https://jcoachings.jp/jcoachings2012/wp-content/uploads/2016/03/a55af3f67100d72b362103e41eacc36a.pdf
及川研・栗山英樹・佐藤精一:『野球の無死一塁で用いられる送りバント作戦の効果について』、「コーチング学研究」、第24巻第2号、2011


かなり昔では、
元首相の鳩山由紀夫氏
東工大時代に統計的にまとめた論文では、
走者二塁及び走者一二塁ではバントは用いるべきではない
などとまとめられてますね。
www.orsj.or.jp/~archive/pdf/bul/Vol.24_04_203.pdf
『野球のOR』鳩山由紀夫 東京工業大学経営工学科
オペレーションズ リサーチ : 経営の科学 24(4), 203-212, 1979
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ


それらは置いておいて、
バントした方がいいのか?
バントしない方がいいのか?


ここで、その目安
条件を簡略化しながら、試算してみましょう。
(ここからは数字の遊びです)


検討対象としては、
昨日(6/9DeNA戦)で源田がバントをしたときの
(1)『無死二塁』のケースと、
単純によくバントしがちな
(2)『無死一塁』のケース
①バントをしないときの得点確率
②バントをしたときの得点確率を見てみましょう。


ただし、話を簡略化するため、
併殺打、盗塁、本塁打、暴投等は勘案しません。


検討の考え方としては、
1得点を得るまで、
若しくは3アウトになるまでを対象とし、
次々の打者の結果(の確率)を勘案しながら、
最終的に「1点を得る得点確率」を算定します。


1人の打者の結果
「安打(単打)」「四死球」「アウト」
3つに分かれる、と考えます。


また、打者に関しては、
6/9DeNA戦の源田が無死二塁でバントしたときを想定し、
源田→外崎→山川→森→中村とし、
「②バントあり」のケースでは、
源田がバントすると仮定します。


そして、その結果の確率は、
 安打の確率打率
 四死球の確率出塁率ー打率
 アウトの確率1ー出塁率を対象とします。


 「②バントあり」のケースについては、
 源田のバント成功率を鑑みます。
 2017年以降で49企画のうち45犠打ですから、
 成功率0.918(=45/49)を乗じます。


また走者の動きについては、
四死球の場合は、塁が1つ進みます。
安打の場合は、単打として考えますが、
走者が得点圏(二塁や三塁)にいるときは、
ワンヒットでホームへ生還する、とします。
 ※バントの目的を鑑みてそうします。
  無死一塁でバントするのも
  二塁へ送って、ワンヒットで
  得点したいわけですから。


計算結果については、
いきなり最終結果の数値だけではわかりにくいので、
わかりやすくするために一覧表にしました。


(1)『無死二塁』のケース(6/9DeNA戦の例)

源田がバントしないでヒッティングに出た場合、
1点を得る得点確率
0.645(約65%)と算定されますが、
源田がバントした場合、
1点を得る得点確率
0.468(約47%)低くなってます。


(2)『無死一塁』のケース

源田がバントしないでヒッティングに出た場合、
1点を得る得点確率
0.409(約41%)と算定されますが、
源田がバントした場合、
1点を得る得点確率
0.363(約36%)低くなってます。


ただし、その差は
『無死二塁』のケースほどありません。


なお、各打者の打率や出塁率が下がれば
得点する確率は減少します。
ただし、ヒッティングする打者数は
バントをしていない場合は源田~中村の5人、
バントした場合は外崎~中村の4人に減りますから、
各々の結果の確率を各打者で掛け合わせていくので
各打者の打率や出塁率が下がれば下がるほど
バントしない場合とバントする場合差が小さくなります


ヒッティングする打者全員
打率が1割出塁率が2割と仮定すると、
『無死一塁』の場合は、
バント無しが0.287、バント有りが0.266
あまり差が無くなってきます。


でも、打率を1割、出塁率を2割まで下げると
超貧弱打線ですから、現実味がなくなりますね。


ただし『無死二塁』の場合は、
打率を1割、出塁率を2割まで下げても、
バント無しが0.309、バント有りが0.195
あまり差がまだありますね。


これらを考えると、
一般的に言われているように、
バント作戦は
 貧打のチームには有効

◇しかし、『無死一塁』ならまだしも、
 『無死二塁』の場合は、
 あまり有効性を感じられない
という傾向は伺えます。


実際の野球では
併殺や盗塁、本塁打、暴投などなどありますが、
大まかな傾向として、
◇バント作戦は
 打強投弱の獅子には
 あまり向かない可能性があること

先日6/9のDeNA戦で
無死二塁から源田がバントを成功させましたが、
下手すると得点確率を下げている作戦だったおそれも
否めないこと、が考えられます。


相手がバントをしてくれたら
 逆に得点確率が低下する分、
 ラッキーと考えてもいいかも

先日6/9のDeNA戦で5回裏、
乙坂が先頭で二塁打を放ち、
神里が『無死二塁』でバントしました。
このとき、
慌ててフィルダースチョイスしてしまいましたが、
もちろん、上記の数値を
そのまま鵜呑みにされては困りますが、
得点確率が低下する可能性を考えたら、
そんなに慌てる必要はなく、
一塁でアウトを着実に稼ぎたい
です。
そもそも、バント有りが
得点確率を低下させている要因は
『一死』を献上することにありますから。


そして、その次の石川も
『無死一二塁』でバントを仕掛けてきて、
結局「バントさせたくない」と警戒しすぎて
与四球で歩かしてしまいました。
しかし、無死一二塁の得点確率は見ておりませんが、
得点確率が低下する可能性を考えたら、
そんなに慌てる必要はなく、
一塁でアウトを着実に稼ぎたい
です。


すなわち、
バントの有効性バントしないときより
下がる可能性があること頭に入れて
むしろ
「バントしてくれてありがとう」くらいの気持ち
そんなに慌てず冷静にプレーして欲しい

です。