下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

【球団増&三軍問題(補足)】tthgさんのご意見を踏まえての補足。①球団増? ②一部、二部制(相互の昇格・降格有)?③独立リーグのテコ入れ三軍制導入?

昨日、球団増&三軍問題について、
以下の記事を投稿させていただきました。


そこで普段からTwitterでやりとりをさせていただいている
tthgさんよりご意見もいただきました。


確かに選択肢の一つとして、
Jリーグのような一部、二部と二部制にすること
(一部、二部の入れ替えは有り)
も考えられますね。


この場合、球団もオチオチしていたら
二部降格→収益激減の蟻地獄が待っていますから、
各球団に危機意識が高まります。


また二部の方でも市場が展開できるなら、
それなりの儲け地域振興にも助長剤となります。


昔、阪神が弱小だったとき、
PL学園と入れ替わった方がいいんじゃないの?
など、小バカにしていた頃もありましたね。


選択肢としては検討の価値がある案と思います。


なお、昨日のこちらの投稿も、
数字(裏付け)を整理せず記載させていただいた面もありましたので、
補足も含めて、ブログで追記させていただきたいと思います。



まずこのコロナ騒動でどうなるか?わからなく、
今は目先の火事場を何とかすることが
先になりやすいのは確かです。


ただ、そこを今、前提に考えていきますと、
不景気から攻めることができず
『何も書けない』ということにもなりかねなく、
また、その読めぬ状況下で
議論しても空論中の空論で空回りし、
発散しますので、
ここでは、コロナ不況はあまり考えずに記載します。


議論の焦点として、
①球団増
 1リーグ4球団で4リーグ制を想定

②球団増にして一部、二部制
 (相互の昇格・降格有)


③三軍制を敷いて
 独立リーグへ参入又は傘下


これらについて、実現性等を鑑みながら
比較検討していきたいと思います。


結論を先に申しますと、
これら①~③の中で
市場(収益)規模などから実現性を鑑みると、
②<①<③と思います。


後述をご参照ください。


①球団増
 1リーグ4球団で4リーグ制を想定
1球団当たりの収益は100~200億円はあります。
巨人と中日、オリ、ハム以外は公表されており、
そのうち318億円だったソフバンを除く7球団で見ると、
平均が約140億円になります。
(西武は150億円)

※週刊ベースボール2020/2/3


ということは、4球団を新たに設けるとなると、
単純に換算(140×4=560)すれば
500億円以上の新たな市場を稼がねばなりません。


パイが単純に1.5倍に増えてくれればまだしも、
そう簡単ではなく、下手すると競合しますから、
1球団当たりの収益は下がる可能性もありますね。


選手も新球団への振り分けが出ますから、
戦いのレベルは今より低くなるかもしれません。


まあ、1リーグ4球団で4リーグ制にすれば
ホームゲームの数が増すので
その分の収益は上がる可能性が見込まれますが、
新球団分の収益は「新たに」稼がねばならず、
全体で500億円以上の新たな市場を稼がねばなりません。


ただし、数年スパンで見れば
一軍戦のプロ野球ですから、
「儲け」が期待できる可能性はあります。


確かに西武は所沢移転後から黒字が続きました。


楽天は初年度が黒字経営になりましたね。
ただし、次に黒字になったのは
「日本一」になった2013年でしたね。


また5年後には、
巨人、ソフバンが200億円以上、
西武など6球団が100億円以上の規模でしたから、
80億円程度で推移していた楽天はまだ低迷していました。


ただし、楽天の場合、
政令指定都市・仙台市の百万人人口を
バックにしている強があります。


西武についても、大資金で投資している面はありますが、
首都圏の人口というのがバックになっているのは大きいです。


バックにしている人口の差は、
集客数を左右する要素の一つになります。


しかし、古田氏の構想では、
新球団は静岡市、新潟市、松山市、沖縄県あたりです。
仙台と比して、バックにしている人口の差異を鑑みると、
楽天より収益は伸びにくい懸念は残りますね。


まあ、長期的スパンで見れば、
「儲け」が期待できる可能性は秘めていますが、
市場規模の違いを鑑みれば、
選択肢③と比すると、実現性は①の方が大変です。


――――――――――――――――――――
②球団増にして一部、二部制
 (相互の昇格・降格有)

一部の球団数、二部の球団数をいくつずつにするか?
で市場の展開は変わってきますが、
4球団を増やして、その4球団は二部にすると仮定します。


二部になるということは、
当然、一部と比して収益が落ちますね。


Jリーグの場合、1クラブ平均の収益は、
J1が約48億円、J2が約15億円、J3が約4億円となっています。


(2018年度クラブ経営情報開示資料)
https://www.jleague.jp/docs/aboutj/club-h30kaiji_4.pdf


J2がJ1の約1/3規模だから野球の二部も一部の1/3規模
という仮定もありますが、
試合数やその他の諸事情が違いますので、
その仮定は乱暴すぎますね。


そこで、年棒比で考えていきましょう。


ある意味で、一部から二部になってしまえば、
一軍選手らは一部へ流れてしまいます。
すなわち、二部となると、二軍レベルとも言えます。


そのため、
二部は収益も下がるし、総年棒も下がります。
当然、選手レベルも下がらざるを得ません。
(そこはJリーグと同様)


そこで西武の2019年年棒を参考にすると、
総年棒は29億円でした。
1軍28名として上位28位はだいたい1千万円程度です。
ということは
2軍レベルの年棒となれば1千万円未満と考えられます。


ちなみに、
1千万円以上の選手ら合計年棒約15億円
総年棒29億円の半分以上となります。
また2千万円以上の選手ら合計年棒約13.4億円
総年棒29億円の約46%となります。


二部の収益を一部との総年棒比で勘案したとき、
一部(平均140億円)の約半分とすれば
だいたい70億円の市場(収益)を稼ぐ必要と考えられます。
少な目に見積もっても50億円規模ですね。


まず二部、いわゆる二軍戦で
50~70億円という収益を得られるのか?


二部を新たな4球団とした場合、
新たに総収益200~280億円の市場を稼げるのか?
(4球団×50~70億円)


また最後に後述しますが、
ソフバンの二軍&三軍セット(④)での収益を鑑みても、
50~70億円という収益を得るのは、かなり遠いです。


それを鑑みると、最後に後述しましたとおり、
長期的なスパンになると、
二部へ落ちた球団は救われぬ蟻地獄と化し、
球団格差はもちろん、
痛々しい貧乏球団を増やすことが懸念されます。


ちなみに、赤字スケールというのは
経営規模が大きいほど大きくなって救えなくなります。


中小企業の場合、首が回らなくなりやすかったとしても、
ホワイトナイトとして入り、手を差し伸べるなら、
その赤字規模は何とかなっても
経営規模の大きい赤字企業を救う場合、
ホワイトナイトとして入るにしても、
その規模以上の企業が必要になります。


そこらの中小企業が破綻しかけたとき、
手を差し伸べようと思えばそれをできる企業は多いけど、
東芝など大企業が破綻しかけたとき、
その東芝を救うにしても、その企業は限られるのと同じです。


話が脱線しましたが、
選択肢②「二部制」については、
Jリーグのように
一部昇格・二部降格を盛り込むことで
J2でも盛り上がっていますから一手ではありますが、
それらの市場展開や二部のレベルへの疑問を鑑みると、
新球団を増やす①より実現性が低いのでは?
(短期的、中長期的のどちらでも)
という懸念が大きく考えられます。


そして、肝心な要素としては、
二部に降格すれば、収益はかなり減少します。
既存の12球団は、球団増ならまだ認めるでしょうが、
自らが二部降格のリスクがある二部制に賛同するか?
という疑問を持ちます。


そういうリスクがあるからこそ、
「危機感を持つんだ!」という考え方もありますが、
既存12球団がそのリスクに乗っかるか?
その実現性に大いに疑問が残ります。


それを鑑みても、
二部制を敷く②は
新球団を増やす①より実現性が低いのでは?
と思われます。


――――――――――――――――――――
③三軍制を敷いて
 独立リーグへ参入又は傘下

現在、独立リーグというと1球団当たり
BCリーグで収益が1.3~1.5億円
全体で見れば0.8~1.7億円と
全球団含めても市場規模は20億円もありません。


※週刊ベースボール2018/2/5 2017年BCリーグ
※最近の収益は最後の新聞記事に記載されています。
 多少は違いがありますが、規模としては似たようなものです。



独立リーグにテコ入れしても
稼ぐ市場規模は、
①②に比したらかなりの小規模の話になります。


NPB側から見て、このメリットは
実戦を重ねられるソフバン・巨人型
「三軍」を敷くことにあります。


まあ資金が無いと、
ソフバン・巨人型「三軍」の体制づくりが
簡単ではないのが現実です。


ソフバン、巨人のような金満球団でなくても
なるべく実戦型の三軍制を敷きやすい環境が欲しいですね。


一方、独立リーグの
1球団当たりの経費は1億円程度です。


NPB三軍を維持する場合の経費については、
選手やコーチ等の年棒をその独立リーグの倍を見込み、
遠征費等の経費も独立リーグよりは嵩みますので、
1億数千万円くらいでしょうが、
だいたい2億円もあれば良いと思います。


そこで、普通に三軍を設けたとして、
そこで実戦として練習試合を重ねても
相手はバラバラ、場所もバラバラであり、
あくまでその場限りの「練習試合」ですから、
客も、スポンサーも付きにくいので
その三軍による直接的な収益は見込めません。


ただし、その三軍を設けることにより、
〇覚醒者の出現
〇対戦相手の有望選手の発掘

というメリットはあるわけですが、
それは「不確実性」の高い効果とも言えます。


そこで経営者に実戦型の三軍構想を提案する場合、
何て言って説明・説得するか?を考えたとき、


「ソフバンみたいに層を厚くするために
 覚醒者の出現が何な何でも必要なので
 人数が増えれば覚醒する確率も
 高まるかもしれないので、
 三軍を設けてくれ!」
「しかも対戦相手の有望選手を
 対戦試合の中で発掘するかもしれない」


それは確かに一理ありますけど、
不確実性も高く、数字で説明できていないわけですから、
経営陣は首を縦には振りにくいですね。


掛布氏が掛け合った阪神のように
なってしまう可能性は十分高いです。
「それってペイするの?」と。


経営陣から金(予算)を引き出すには、
やはり『費用対効果』を少しでも説明できなければ
実現しにくい
というのは一般社会でも同様です。


まあ余裕があれば
「ええよ!ええよ!」と太っ腹決断もありますが。


その説明で行くと、
2億円の経費に対して
効果は「覚醒者の出現」
ということになりますね。


それなら2億円で外国人を3人連れてこようか?
という話も出るかもしれません。


そこで三軍を独立リーグに算入させる又は傘下に入れる
というその付加価値をつけることにより、
『費用対効果』を含めた説明は
何も無いよりしやすくなってきます。


※もちろん、それら実現のためのハードルは
 根回し等をしながら越えていかねばなりませんが。
※後者の場合、ドラフト制度等の見直しも
 生じうるのでそのあたりの支障は生じますが、
 ルール変更に大金はかかりません。


例えば、独立リーグに算入するとした場合、
単なる「練習試合」ではなくなり、
「リーグ戦」という位置づけがつきますので、
普通に三軍を設けるよりも
客も、スポンサーも付きやすくなります。


独立リーグの場合、
BCリーグで収益が1.3~1.5億円
全体で見れば0.8~1.7億円と収益がありますが、
その大半は「スポンサー広告費」であり、
さらに「後援会費」を含めると
全体の6割くらい
(高いところで7割弱)になります。


当然、「プロ野球球団」の看板がつけば
地域の地元企業からは、
今の独立リーグ球団より
「スポンサー広告費」「後援会費」増
は見込めます。
場合によっては、
地元放送局による放映権料も入るかもしれませんし、
そうなれば「スポンサー広告費」はさらに増えていきます。


高知キャンプでもそうですが、
たかだか2軍キャンプでも
「プロ野球球団」の看板効果は地方になると大きいです。


少なくとも、
三軍を独立リーグに参入させて
収益が独立リーグと同程度の1.3億円だったと仮定しましょう。


その場合、
経費2億円に対して赤字7千万円となりますね。


しかし、費用対効果の説明としては、
2億円の経費に対して
効果はまず1.3億円は回収
することができ、
残り7千万円の経費は
「覚醒者の出現」に期待してくださいと言えますね。


すなわち、
1.3億円は回収するので、
「覚醒者の出現」に対する経費は
2億円から7千万円に削減
できることになります。
7千万円なら外国人1人分ですね。


もし「プロ野球球団」の看板により
「スポンサー広告費」「後援会費」を増やせれば、
収益は現状よりもっと増えますね。


収益が1億3千万円の独立リーグであれば、
「スポンサー広告費」は7千万円、
「後援会費」は2千万円くらいを占めていたりします。
(BCリーグの場合)


ソフバンの場合、2軍&3軍セットで
年間予約席を含みますが、
スポンサー広告費で2億円規模を稼げています。


もし独立リーグよりも
「スポンサー広告費」を
3千万円増やして1億円に達すれば、
その効果は大きく、
「覚醒者の出現」に対する経費は
2億円から4千万円に削減できることになります。



要は、三軍を独立リーグと兼ね合わせること(③)は、
市場規模等を鑑みても、①や②より実現がしやすく
(100億円、50億円ビジネスvs2億円ビジネス)
NPB側から見て、
ソフバン・巨人型「三軍」を敷きやすくなり、
(普通に設けるよりも回収できる分、経費が安価になる)
独立リーグ側やその地域から見ても
NPB球団が参入することで
そのリーグや地域が活性化して潤う可能性を秘めているので、
ある意味、WIN-WINの関係を築きやすくなりますね。


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なお、あとはソフバンのように
二軍&三軍セットで収益を稼ぐ(④)という方法も考えられます。


ソフバンの場合、タマスタ筑後球場を設け、
二軍&三軍セットで収益を稼いでいます。


二軍&三軍セットで経費約3億5千万円くらいらしいです。
ここに選手の年棒等の人件費は含まず、
一軍と一緒に計上されています。


そこで二軍&三軍セットでの売り上げ
2017年で見ると、
 年間予約席&スポンサーで約2億円、
 入場料収入が約8千万円
  ※二軍戦:58試合×平均2千人
  ※三軍戦:26試合×平均5~6百人
 飲食が約4.5千万円
 グッズ販売が約3千万円
 駐車場が約2千万円
 その他が約2.5千万円であり、
合計が4億円だったようです。
※「プロ野球ビジネスのダイバーシティ戦略」(小林至)


まあ三軍の選手、コーチ等の人件費を勘案すると
(三軍選手:250万円×20人=5千万円)
トントンか、赤字ですね。


しかし、回収できた分だけ
効果「覚醒者の出現」
に対する経費は安価になっていますね。


またソフバンの場合、遠征費も嵩みます。
でも、選択肢③で独立リーグに乗っかれば、
近傍球団とのリーグ戦なので、遠征費等は安価になりますね。
 ※BCリーグの場合
  試合運営費:1400万円
  遠征費・輸送費・専用バス:900万円
  リーグ共同運営費:380万円


ただし、上記の選択肢②「一部・二部制」にした場合、
二部を二軍戦レベルと考えた場合、その収益について、
そこには選手、指導者等の年棒(人件費)が入りますので、
ソフバンの二軍戦で4億円程度であることを鑑みると厳しすぎ、
前述した市場規模50~70億円を稼ぐのは遠いですね。


ソフバンの二軍戦の平均観客数は2000人ですが、
これが5倍の1万人いたとした場合、
入場料収入は全体の収入の2割しか占めていないのですが、
乱暴ですけど、他の収入項目もすべて5倍としたとき
全体の収入は20億円ですね。
それでも一部の収入を100億円で見込んだとしても、
一部の1/5規模となります。


すなわち、
上記②の一部・二部制にした場合、
一部は100億円以上の市場規模になりますが、
二部はその1/5~1/10規模と、
もの凄く縮減する可能性があるため、
二部に降格してしばらくしたら、
当然、戦力レベルはかなり下がりますので、
もう二度と一部に長く滞在するのは至難の業になる
という懸念が高まりますね。


※入れ替えはするから、昇格はできるでしょうが、
 すぐ100億円以上の規模にはならないから
 すぐ落ちこぼれやすですね。


まだJリーグのように
二部の収益が一部の1/3規模くらい維持できるなら
(平均で48億円クラブvs15億円クラブの対決)
まだJ2でも救われる可能性は高まるでしょうが、
規模が一部、二部で大きく差が生じると、
(収益が100億円vs10~20億円の球団の対決)
二部に滞在してしまう場合、這い上がるのは難しくなり、
長期的に見れば見るほど、苦しくなりますね。


一部昇格時に赤字覚悟で大資金を集めて戦力アップを図っても、
西武が所沢移転して3年間、最下位を含むBクラスが続きましたね。
その3年のうち、再び二部へ降格しますね。


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ところで、昨日の記事で
先日の報道から
BCリーグに関して「独立リーグがコロナで消滅」とあり、
そこでは興行ができないため、入場料収入のみならず
総収入の要となっている
スポンサー広告費も減少してしまうかな?

という懸念をしておりました。


しかし、今日の報道によると、BCリーグは、
スポンサー広告費は維持されそうであること、
もともと年間の試合数が70試合なので、
(無観客は避けられないでしょうが)
遅延しても何とかやりくりすることができ、
そのほかインターネット中継等も考えているようなので
「消滅する」というところまでは至らない
という見方のようです。


とは言っても、
例年と比すれば「収益減」は免れず、
経営が苦しくなることは十分想定され、
また選手人数もNPBと違って多くないため、
過密日程になってしまえば、
選手への負担も大きくなるでしょう。


そして70試合できればいいですが、
今年は開催できませんでした、となると
さらに苦しくなりますね。


そのあたりは懸念が高まりますね。


確かに「消滅」は免れたとしても、
NPBと独立リーグでWIN-WINの関係を築き、
プロ野球界の裾野強化を図られたい
ですね。