下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

【メラド灼熱地獄問題(続編)】メラドに帰ってきましたが、まだ5月下旬なのに「夏日」と暑い戦いでした。ただもうすぐ5月も終わり、梅雨期が過ぎたら「夏」を迎えるわけで、待っているのは『爽やかな夏』ではなく『猛暑の灼熱地獄』。そこで新国立競技場の暑さ対策の知見を加えながら「メラド灼熱地獄」対策の整理を進めてみました。

週末は、長期遠征から
メラドへ戻ってきてきました。
まあ、今週はまた弘前・岩手遠征ですが。。。


最終目標のリーグ連覇&日本一の実現を見据えるなら、
交流戦が始まる頃には、勝率5割の我慢の時期も終いにして
そろそろ反撃態勢を整えていきたいところです。


85勝を優勝目標ラインにしたら
勝率五割(26勝25敗1分)で
交流戦に突入するとしても
残る91試合で
59勝以上(勝率0.648)なら85勝は到達でき、
一応、実現不可能の数字ではありませんね。
 ※でも、勝ち越し続けなければならなく、
  楽ではありませんが。。。。
 ※できることなら、
  今週5試合は
  4勝1敗くらい欲しいですが。。。


ただ90勝以上とかに、
目標が引き上げられてしまうと

残り91試合で
勝率7割キープ必須実現性を超越します。


さて、今週末は、全国的にも暑く、
まだ5月下旬なのに30℃を超える『夏日』に。
北海道では、35℃超の『真夏日』でしたね。


そろそろ交流戦の時期(6月)と言うことは
梅雨が来て、
それが開けたらサマーシーズンです。


夏と言えば、、、

TUBE 「SUMMER DREAM」 1987年


TUBEと言えば、
メラドではMiracle Gameですね。

西武ライオンズ 森友哉満塁弾 他 全16安打全得点場面 松本航初勝利の試合20190519

西武 外崎登場曲ミラクルゲーム で踊るダンサーを求めて。20190506外崎ダンス


とは言っても、
メラドの夏はこんな爽やかではなく、
お馴染みの『灼熱地獄』が待っておりますね。


メラド灼熱問題について、
過去の何度か書かさせて頂いておりますが、
今日は話を少し進めていきたいと思います。


対策案については、
過去の記事で挙げさせたものをおさらいしつつ、
それに『新国立競技場事業』での
『暑さ対策』の知見
を追加しながら
書き始めさせて頂きます。


現在、180億円の改修事業中であり、
「暑さ対策」も触れておりますが、
基本的には冷房の部屋を用意して、
一時的な避難所にするというものなので
最大の問題点「灼熱&極寒地獄」の
根本的改善までは厳しい
です。


↓↓↓『メラド改修事業』の
  『暑さ対策』概要


もちろん、今の大型扇風機
もっとたくさん用意して対応することも
考えられますが、
同じ気温の空気を扇風機規模で
いくら送り込んでも、
ドーム内の容量を対象にして
それら空気を循環させるのは困難
です。


また改修工事の請負者・鹿島建設
球場の空調設備に関する特許技術を有しており、
それが一つの光明になるかな?
とも期待できるのですが、
原理は、冷たい空気をコンプレッサー(空調機)で
グランド地面内に送り込み
ベース等からその冷たい空気が出てくるので
それが直接、選手らに当たって「涼める」
というものです。


↓↓↓鹿島建設の特許技術
   球場の空調設備の概要


おかわり君は喜び、
サードから離れなくなるでしょう。


↓↓↓涼むおかわり君

↓↓↓涼むそーすけ君


もちろん、温風にすれば「極寒対策」にもなり
観客席にも排気口さえ設置すれば
我々観客への対応も可能となるでしょう


先日、tthgさんから教えてもらったのですが、
サッカー等球技専用スタジアムである
豊田スタジアムには、
観客席にシートヒーティングが設けられており、
(ヒーターが内蔵)
冬の極寒対策になっております。


逆に冷やしてやれば、
観客に対する暑さ対策の可能性も期待できそうです。


電気代は嵩みますが、
観客の入り込み数を確保するためと考えれば
当面の策としては有効です。
場合によっては、1試合当たりにすれば、
そこまで高価にならない
ので、必要に応じて
チケット代に乗せてもいいかもしれません。


※1,200Wの規模で、
 1時間当たりの電気代は約32円ですから、
 (1kWh当たり27円で換算)
 200円アップでお釣りが来そうです。


なお、参考までに
東京ドームの電気代は?
プロ野球開催時の1日の電力消費量は
5万~6万kwh
のようです。
(球場の照明などに加え、周辺のテナントなどを合わせての数字)
1kWh当たり27円で換算すると
6万kwhで1日あたり160万円という計算になりますね


ただし、前述の鹿島建設の特許技術
局所的に冷気を当てるとかは、
その場凌ぎにはなりますから、
当面の策としては適用できますが、
根本的な策にはなりませんね。


すなわち、
排気口から特定の領域の選手等に向け、
集中的に空調することを可能にするとのことですから、
球場全体の温度を下げる等の
根本的な解決実現には至りませんね。


というか、今回の改修工事で
この技術を取り入れる話も出ていないので
適用するかも不明瞭です。。。


今の一三塁側、バックネット裏の工事中箇所
それに該当するのかは不明です。
(位置的にはそれっぽい気もしますが)



そもそもメラドの空調に関する設計思想には、
外気の自然の風をドーム内に通気させて
屋根の隙間から熱気を排熱させる仕組み

が含まれています。


また風向に関係なく、通気性を高めたいことから
全周をオープンにすることにしております。


↓↓↓バックネット方向から外気を取り込み、
  ドーム内を通気させるイメージ図

排熱は屋根の隙間の開口部を使いますね。

排熱開口部アップ写真↓↓↓


密閉型ドームなら
一方的に冷気を送り続ければいいですが、
非密閉ドームでは、
その冷気が外気へ逃げていきますから、
非密閉型ドーム内の気温環境を考えるならば、
通気性、排熱性に着目した
発想そのもの
は間違っておりません。


そこで『外気の自然の風』に着目することも
メカニズムを考えれば、大事な着眼点です。


ただし、ドーム内の気温環境改善を考えるとき、
ドーム建設当時の設計思想にあった
もともとの上図の通気イメージのような
ドーム内の通風現象が
水平方向に吹く形で見られる場合、

観客席やフィールド内の人たちに
通風が直接当たるので暑さが緩和されそう、
という気にもなるのですが、
上層に暖かい空気塊が滞り続ければ、
効率的な改善には至りません。


そもそも、
実際にドーム内が暑いのは何故か?


その通気性が乏しくなっているとともに、
外熱で暖められた空気塊が
ドーム内にこもるからですね。


冷たい空気塊は重いから下層へ行きますが、
暖かい空気塊は軽いから上層へ行きます。
そのため、暖められた空気は
ドーム内の天井付近に溜まり、
それが抜けずに、
屋根を通じて外熱でさらに暖められて
ドーム内の気温も上昇していきますね。
それが外気で暖められ続けますから、
ドーム内気温は下がりにくくなりますね。


↓↓↓水平方向のみの通気性を考えたとき
   ドーム内の気温環境のイメージ図

例えば、天井の高い部屋を考えたとき、
そして、冷房機が中間くらいの高さにあり、
その冷房機から冷気風を下方へ送る場合を想定すると、
下図①、②のように
冷房機の風が当たれば涼しく感じますが、
(下層で循環した場合が①)
冷房機の設置高さより上層に
暖かい空気がこもります
から、
部屋全体の冷房効率は下がり、
冷房機の風が当たらなくなったら
部屋の中は暑く感じます。


ただし、下図③のように
冷房機の風(冷気風)を上方へ送れば、
その冷気は重いので重力に逆らえず落ちてきて
部屋全体が循環されますので、
部屋の中の気温は低下していきます。


それと似たメカニズムになっています。


↓↓↓部屋の冷房方法の違い例イメージ

それ故に、根本的な暑さ対策を考えるならば、
その現象を改善しなければならなく、
ドーム内全体の気温を下げていかなければなりません。


そのためには、
ドーム内での水平方向のみならず、
上下方向に吹く気流、
いわゆる『循環気流』
大事なカギになっており、
その循環気流の発生には、
その外気の自然の風を
どう活かすか
が課題になります。


というか、
あれだけのドームの規模になれば、
ドーム内で『循環気流』現象を発生させるには、
外気の自然の風による自然の力ではないと
なかなか難しい
です。


そこで、皆さんもメラドで感じられたことは
あると思いますが、
メラドでは、
観客席上部にある通路部における開口部分から
外気風がメラド内へ取り込まれて、

その風が斜めになっている
観客席(スタンド)を滑る(這う)ように吹き込み、
フィールドへ抜けていく風

見られますよね。


↓↓↓観客席を滑る(這う)ように吹き込み、
フィールドへ抜けていく風のイメージ図

すなわち、根本的な暑さ対策に関しては、
そのスタンドを吹き抜けていく自然風
ドーム内を循環させるのにカギになる

と思われます。


そして、その自然風貫流に伴って
『上昇気流』が見られます。
ドーム内を循環させるには、
その『上昇気流』がカギになりそうです。


↓↓↓『上昇気流』イメージ

実際、メラドにおいても、
そのような『上昇気流』が見られています。


バックスクリーン上部に掲げられている
球団旗や国旗が下から煽られて
吹き上げられているシーン
などが
その『上昇気流』によって見られる現象です。


↓↓↓球団旗や国旗が上昇気流で
  下から煽られている例

以前、秋山が外野フライの球が落ちてこない要因
ドーム内の風を挙げていました。
この上昇気流はその一因と考えられます。
 ※大型扇風機では
  ここまでの流れを作る威力はありません。


また後述しますが、
メラドの風向は、南側に卓越するので
逆の北側(バックスクリーン側)は
影響しやすい可能性も考えられます。
(センターが支障を受けやすい?)


ただし、その『上昇気流』が安定して続かず、
結局、天井方向の上層に暖かい空気塊が滞り、
それが屋根を通じて外気でさらに暖められ、
ドーム内の気温が高いまま(灼熱地獄)
というのが実態ですが。。。


さて、そのメカニズムに着目し、
具体的な『暑さ対策』を行おうとしているのが
現在、進められている
『新国立競技場整備事業』です。


猛暑の夏季に開催される
2020東京五輪開催を見据えれば、
その『暑さ対策』は欠かすことができず、
結果も出さなければなりません。

(灼熱五輪になったら国際的にもやばそうです)


『新国立競技場整備事業』においては、
下図に示すように、
前述したようなメカニズムで
『暑さ対策』が期待できます。


↓↓↓『新国立競技場整備事業』における
  『暑さ対策』概要

その上昇気流が生じるメカニズムは一体?


スタンド上部から取り込んだ自然風
スタンドを這うように貫入していき、
その間に競技場内の暖かい空気と混合しつつ
フィールド(地面)の地熱とも接触しますので、
自然風が暖められていくため、
(空気が暖められて軽くなるため)

そのまま上昇気流が生じる
ということが考えられます。


↓↓↓新国立競技場
 シミュレーション結果(風速分布図)


これをメラドに当てはめたら、
ドーム内は、灼熱状態のために、
ドーム内の空気は暖かく、フィールドも熱量を持つので、
外気からスタンドを這って貫入する自然風は、
ドーム内の空気や地熱と接触しながら、
ドーム内に入ったときより気温が高く(軽く)なるため、
スタンドからフィールドへ貫流した後
『上昇気流』になる可能性が考えられます。


自然風がフィールドに到達したとき
ドーム内の暖かい空気と混合しながらであれば
確かに上記のようなメカニズムで
上昇気流が生じることは理解できます。


ただし、天井付近の上層の空気は
暖められているから下層の空気より軽い状態です。
そのため、自然風がフィールド付近の
暖かい空気と混合しても
上層の空気の方が軽い可能性があり、
上昇気流も空気が重くて上層まで届かぬおそれ
が考えられます。


上昇気流のメカニズムについて、
過去の記事では、その疑問で止まっておりました。
しかし、前述のシミュレーション結果を踏まえると、
別の仮説が説明できそうです。


一般的に、流れに関しては、
『補償流』(のようなもの)というものがあります。
それは一つの流れが生じたとき、
それに巻き込まれる際に生じる流れ
です。


前述のシミュレーション結果を見ると、
自然風の貫流に伴って
それに巻き込まれる流れ(①)が生じます。
そして、その①の流れに
巻き込まれる流れ(②)が生じます。
まさに自然風の流れに沿って
歯車が回るような渦が生じ、
それが一種の
循環流になっていきます。


※(のようなもの)としたのは、
 気象現象の補償流とは
 発生メカニズムが少し違いますので、
 厳密に言い切らないために表現しています。


ある意味で、循環流と上昇気流は
鶏と卵の関係かもしれません。
でも、双方の流れを生じさせるには、
外気から取り込む自然風による
スタンドを這う貫流が大事

ということになります。


※補償流(のようなもの)~循環流発生のイメージ


ただし、メラドと新国立競技場での違いは、
メラドは真上の天井が蓋状態にあるのに対し、
新国立競技場はフィールドの真上は
天井になってなく穴が開いているということです。


当然、新国立競技場の方が密閉していない分、
上昇気流で自然風が抜けやすいです。

逆に、蓋をされているメラドは、
どうなるでしょうか?
新国立競技場より
効果が下がるおそれも懸念されます。


今のメラドで上手く循環流が生じたとして、
次のようなイメージでしょうかね。


↓↓↓『新国立競技場整備事業』
  『暑さ対策』を蓋(屋根)有り
  メラドに反映したときのイメージ


できることなら、
新国立競技場のように
『上昇気流』発生を促すために、
正直、メラドの天井に穴を開けたいところです。
(雨漏り対策は必要ですが)


模型実験ですかが、過去の知見で
天井に開口部有の場合に
そのような上昇気流が生じ、
排気されている現象が確認されています。


↓↓↓天井に開口部有の場合の
 風向イメージ断面図(村上ら(1989))


↓↓↓模型実験(天井開口部有り)
 天井からの排気状態(村上ら(1989))

---------------------
対策に関する考察について、
ここからは、過去の記事から
新たな話(次の課題)に進めていきたいと思います。


前述したとおり、
循環流と上昇気流は鶏と卵の関係かもしれませんが、
(最終目的は循環流を生じさせて温度を下げたい)
いずれにしても、
外気から取り込む自然風による
スタンドを這う貫流

最も重要かつ必要な現象であること
が伺えます。


すなわち、
『自然風の外気からメラド内への取り込み促進』
が重要な課題
になります。


自然風を外気から取り込めなければ、
無風状態ですから、ドーム内の循環は見込めません。
如何にドーム内へ外気から取り込むか?
大きな課題
になっていきます。


ドーム内を吹き抜ける
そのような自然風の発生が見られますが、
それが安定して続かないという処
大きな問題点
でもあります。


外気の自然風がドーム内へ入り込み、
それが自然風がスタンドを這って貫流し、
フィールドからそのまま上昇気流が
生じやすいように
球場を改修したいところですね。
特に、その自然風を外気からドーム内へ
多く安定して取り入れたいです。


そこで『新国立競技場整備事業』の対策方法
もう一度、着目してみましょう。


『新国立競技場整備事業』においては、
季節毎に自然風を効率よく取り込めるよう
『風の大庇』と名付けられた仕組み
を取り入れております。


↓↓↓『風の大庇』の概要

ここで大事なのは、
風の通りを効率的に良くするために、
また取り込んだ風を
ドーム内に上手く導くために、
大庇により
風の吸い込み口の角度(入射角)を考慮しつつ
大庇の格子の間隔を可変させながら
取り込みやすい開口率に調節していること
が挙げられます。


↓↓↓開口率調節に伴う
  取り込む風の流れ(実験結果例)
  左側:冬季のケース、右側:夏季のケース   


新国立競技場では
夏季のケースは、上図の右側を
冬季のケースは、上図の左側を考えているようです。


今回、メラドの暑さ対策で狙いたいのは、
外気の自然風が観客席(スタンド)を
滑る(這う)ように吹き込まれやすくすること
ですから、
上図の右側に該当する
新国立競技場の
夏季のケースです。


それを見ると、
大庇で角度(入射角)を観客席スタンドと平行にしつつ、
その大庇の開口率を小さく(閉じる)こと

外気の自然風を
観客席(スタンド)方向に誘導していること
が伺えます。
その誘導が上手くいけば、
夏はドーム内の方が外気より気温が高いですから、
(ドーム内の空気より外気の空気の方が重いですから)
その外気からの自然風は
観客席(スタンド)を這うように
貫流して入りやすくなります。


なお、上図の左側は、
その大庇の開口率を大きく(開いている)ことにより
外気の自然風をそのまま水平に貫入させております。
新国立競技場では、冬季には、寒い気流(風)が
観客席(スタンド)に当たらぬよう配慮するらしいです。


しかし、メラドの場合、
外気と接する開口部においては、
角度もつけずにフルオープンで
全面的に開放されています
から
(上図で言えば左側のように開口率大
外気がよほど冷空気塊であり、
比重が重い空気でなければ、
(重い空気なら重力で落ちてくるが)
そのまま水平に貫入しやすくなり
観客席(スタンド)方向に誘導しにくくなります。


すなわち、メラドの場合、
自然風が観客席(スタンド)を
滑る(這う)ように吹き込みやすくない環境

と言えます。


そのため、メラドにおいても
『風の大庇』の考え方を取り入れ、
外気の入り口となる開口部に
角度(入射角)をつけるとともに
開口率を小さくして

自然風が貫流しやすくさせたいです。


ただし、ここでもう1つ課題を残します。
基本的に自然風を多く取り込みたいわけですから、
普段の風向頻度を鑑み、
そこで最も多く見られる風向(卓越風向)を把握し、
その方向を中心にして開口率を変えてあげれば、
効率よく自然風を多く取り込みやすく
なります。


新国立競技場では、
夏季に南~南東の風が、
冬季に北~北西の風が卓越するので、
その方向に重視して開口率を変えていきます。


↓↓↓新国立競技場
   卓越風向を考慮した対応イメージ


メラドの場合、
ドーム建設当時の設計思想では、
どこからでも風を取り込みたいということで
全周でフルオープン状態で開放されていますね。
その『全周で』
逆に集中的な風の取り入れを低減させております。


では、メラドの卓越風向はどの方向でしょうか?
まあ風向は地形条件に左右されやすいです。


季節別には捉えていないのですが、
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
による「局所風況マップシステム」で
メラドの通年の卓越風向を調べてみました。


この「局所風況マップシステム」は、
例えば、風力発電を建設したいというとき、
その建設箇所を検討する際に、
風向・風速の状況を概略的に把握するために
使えるシステムです。
シミュレーションで算出されております。


これを見ると、
南の風が卓越していることが伺えます。
南方向の多摩湖が左右していると思われます。


ドームの中で該当するのは、
L's CRAFTのところですね。
そこの開口部を中心に
大庇化を図り、開口率を調節させる案

1つ挙げられます。


↓↓↓メラドの卓越風向



ところで、先ほど
球団旗等が上昇流で吹き上がる写真
を前述しました。


もしかしたら、これは
卓越風向の南側から貫流した自然風が
フィールド内を流下して
北側のバックスクリーン付近で
上昇して旗を吹き上げている可能性
が考えられます。


南側の風が卓越していますから、
ちょうどセンター方向に北側へ吹く風
(そのような北側での上昇流を含め)
頻繁に見られても
不思議ではありません。


以前、秋山が
「打球が伸びるというよりも、
 なかなか落ちてこない感覚。
 外野手はさっと落下点に入るけど、
 最近はそこから“あれっ?”って感じで
 後ずさりするのが増えている」
とコメントしていました。


大型扇風機あたりが要因と騒がれていましたが、
大型扇風機の規模ではドーム内で
そこまでの気流を生むことは困難です。


これまでの考察を鑑みると、
南側の卓越した自然風
→ドーム内で北側へ吹き
→それに伴う上昇流
→打球が落ちてこない(センター中心に)

 球団旗等も吹き上がる
というメカニズムの仮説が考えられます。


でも、外が天候大荒れの日でなければ、
外気の平均風速が4m/s程度ですから、
スタンドを吹き下ろすところがその程度であり、
ドーム内ではそれを下回ると推測されます。
前述の新国立競技場のシミュレーション結果でも
そんな感じの風速でしたね。
もちろん、日によって状況は異なりますが、
多分、ドーム内を
千葉マリンのような『強風』が吹き荒れる
という事態までは陥らない
と考えますが、、、
いかがでしょうか。(計測していないので確信はないです)


ただし、新国立競技場事業の暑さ対策は、
その『風の大庇』だけではなく、
二の矢、三の矢が計画されています。


『ミスト冷却装置』に関しては、
メラドは非密閉型ですが、
半分密閉されているので、
湿度を上昇させる懸念があります。


日本冷凍空調学会HPによると
「(ミストにより)気温1℃の降下で湿度5%上昇」
という経験値(実験値)があるようです。


湿度を上昇させてしまえば、
逆効果になるおそれ
があります。


それを考えると
三の矢『ミスト冷却装置』は
メラドでは厳しいかも
しれません。


しかし、二の矢『気流創出ファン』
人工的にスタンドを這って
貫流させる気流を創出します
ので、
(早い話が「送風機」)
無風の時も使えますが、
自然風があるときでも、
その流れを助長、促進することが期待できます。


新国立競技場のような
スタンドがフロアー別になっていないので
設置方法はもちろん、
また、装置の必要規模や維持管理費(電気代)
など、別途検討事項が必要
ですが、
『気流創出ファン』は、サブ対策として
メラドにも適用してみたい手法の一つ
であります。


でも、サブ的な対策でもありますから、
その設置個所は、全周ではなく、
卓越風向を考慮して
南側を中心に配置するなど、

設置箇所を優先的に限定してもいいかもしれません。


しかし、今の大型扇風機では
規模が足らなすぎるのと、
いくら数を増やしても、
流れが拡散してしまい、
流速のある流れを噴射させることができません。

やはり、一方向に集中的な流れ(噴流)を
生じさせる装置の方がいい
です。


ただし、以上のように対策手法案は
考えられるのですが、
問題は体感温度をどこまで低減させるか?
その目標その実現ですね。。。
本来は数値シミュレーションでの検討が必要です。

半開放ドーム型施設の気流と温度解析
※FlowDesignerさんのHPより



ただし、外気の自然風による対策を前提にした場合、
外気の風を使いますから、
外気の気温・湿度より下げることはできません。
最大に下げても
外気と同じ気温・湿度にするところまでです。
 ※厳密には風が当たれば、変わってきますが、
  ここでは概略的に考えてそのように表現しました。
基本的には、
ドーム内に自然風が入り込むことで、
ドーム内の空気が
入れ替わること(回転率)が大事
になります。
(それが通気性につながります)


そこで、
ドーム内の空気が入れ替わるか?
概算で検討してみましょう。


ドームの寸法は公表されているのが
ドーム(平面円形)の直径223m
最大高さ(グランドから)の64.5mです。

本来ならスタンドの角度や、
屋根の半円形の形などを勘案して
ドーム内空気容量を考えるべきですが、
ここでは簡素化するために
単純に直径223m(半径111.5m)の
高さ64.5mの円柱として考えて見ます。


となると、
ドーム内空気容量V1は約250万m3と想定されます。
 V1=(111.5×111.5×Π)×64.5
    =2,515,500=約2,500千m3
この250万m3の空気を
2時間で入れ換えるとすると、
1秒当たりの必要風量V2は、
約350m3/sと換算されます。・・・①
 V2=250万m3÷(2h×60m×60s)=約350m3/s


そこで卓越風を取り込む南側の開口部について、
今のメラドの開口部は高さが3m以上はあります。
もしその高さを3mと仮定し、
開口部の水平距離をL(m)とすると、
開口部の面積Aは3×Lで計算できます。
そのとき、風速v(m/s)とすると、
その開口部から入る風量V3は「A×v」で表現できます。


風速vについては、
前述の局所風況マップの結果で示したように、
メラドの平均風速は4m/sです。
ここでは安全側を考慮して、
平均風速の半分となる風速vを2m/sで考えてみると、
その開口部から入る風量V3=A×2=6×L・・・②
と表現されます。


結局、ドーム内250万m3の空気を
2時間で入れ替えるなら
上記②が上記①を満たせば良いですね。
すなわち、①(V2)=②(V3)として、
約350m3/s=6×Lより、
開口部水平距離L=約60mとなります。


メラドの外周は直径が223mですから、
2Π×半径として、約700mあります。
そのうち60mをメインの開口部として
自然風を取り込めるように改良していけば、
理屈上はドーム内の空気の入れ替えは
2時間毎に可能ということが期待されます。
 ※実際には季節別、時間別とありますが、
  ここでは年平均風速を用いている時点で
  ざっくりした概算で考えています。


ただし、今回の180億円かけての
メラド改修工事では、

根本的な暑さ対策まで講じそうにありません。


とりあえずは、
2020年の東京五輪、
新国立競技場の効果を見てみたいです。


いずれにしても、
新国立競技場の効果の実態
メラドに大きな参考になると思いますから、
もの凄く興味深いですね。


ただ、東京五輪が、新国立競技場が
今のメラドのような

灼熱地獄の二の舞になったら
暑さに伴う惨事が生じてしまったら、
危機レベル高き国際問題になりそうな、、、


ただ、東京五輪の暑さ対策における新兵器が、、、
これ日除けにはなるけど、「暑いまま」では。。。
選手には何の恩恵もないですし。。。
選手が熱中症で倒れたら
国際問題になりそうな、、、



小池知事「かぶる傘」東京五輪暑さ対策へ試作品発表
[2019年5月24日20時38分] 日刊スポーツ

 東京都の小池百合子知事は24日の会見で、近年の猛暑や20年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックに向けた暑さ対策を念頭に「かぶる傘」を製作していることを明らかにし、その試作品を公開した。6月をめどに完成を目指している。
 東京都の「Tokyo TOKYO」のロゴ入りで、見た目は傘だが持ち手はなく、帽子風に頭にかぶるのが特徴。小池氏は「今年の夏はテストイベントがあり、来年は(オリパラ)の本番。会場に入るまでの暑さ対策も必要で、水やかち割りの活用などの議論を重ねている。その1つのソリューション(解決法)としての、かぶる傘です」と、傘をかぶった都庁職員のモデルを横に、説明した。
 傘の上部は空気が抜ける構造になっており、熱や光をさえぎる素材を使用。おりしも、原田義昭環境相が会見で「日傘男子」を推奨するなど、男女問わず暑さ対策としての「傘」に注目が集まる。小池氏は「男性の日傘も、とても効果があると思う」とした上で、「男性で日傘を差すのが恥ずかしい人は、思い切ってここまでやってみてはいかがでしょうか」とPRした。
 小池氏は暑さ対策について「ハイテク(の活用)もあるが、マラソンコースの街路樹の剪定(せんてい)は、木の陰をつくるためにあまり刈り込んでいないし、日傘やかち割り氷を首に巻くとか、アナログな方法だけれど効果があるものもある。これらも参考にしながら、暑さ対策を考えていきたい」と述べた。
販売などの予定は、現段階では未定。暑さを防ぐための対策としてはアナログな部類に入るといえそうだが、かぶるタイプの傘は、市販されているものもあるという。


こちらがモチーフか???

こっちでは???