下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

宿敵・鷹軍団から学ぶこと。金では叶わないが、学ぶことは多いかと。

『非常に残念。ホークスは強かった。<中略>層の薄さももちろん感じられた。ただ、うちはこうやって戦ってきたんだから、これしかなかった。ホークスは色々故障者が出てもしっかりこの時期に戻してきた。これも強さなんだろうな。<後略>』


 これはCSで敗れたときの辻監督コメントの抜粋です。


 確かに層の厚さは、投打ともども鷹に圧倒的な差を開かれていますね。獅子の自慢の打撃陣についても、『少数精鋭』と言えば聞こえはいいですが、一軍と二軍、スタメンと非スタメンで格差がある状況ですね。


 獅子は、近年、主力がFA流出する傾向が続き、来年には秋山が抜けてさらなる戦力ダウンも懸念されています。
 それだけに、強い組織を築いていくには、『補強』『育成』の両面をパラレルで対応していくしかなく、それらは絶対的に必須な対応ですね。そして、FA流出傾向が強い西武にとっては、その2点に加え『流出抑制』も重要な課題であります。


 『補強』に関しては、今年、どこまで動くのか?経営陣の覚悟とフロントの意気込みが問われますね。鷹の福田獲りと久々のFA選手の獲得戦線に参戦し始めました。でも、それで終わるわけにいかず、マキタの獲得戦線や新外国人(スペアも含めて多めに)招聘、そのほか、トレードも見据えながら、真価を問われる仕事はまだまだ続きます。


 松坂獲得が決定的になったようですが、外国人の入れ替えを行うけど(人数は増えず)、松坂で補強はお終い!とならぬよう、そして、支配下枠は最大限に活かして欲しいです。外国人もスペアを含めて多く獲得されたいです。


 松坂の年棒は4千万円程度は支払いそうな気はします。実際の価格はまだ不明ですが。グッズ販売等の収益は、その4千万円くらい上回るとは思いますが。。。

 松坂に関しては、先日、整理しております。よろしかったらそちらをどうぞ、ご参照ください。ただし、このとき以降、與座が支配下枠に復活しています。與座は絶滅危惧種・アンダースローです。是非とも頑張られたいですね。


 『育成』に関しては、広島型の三軍を設け、まあ今年はその三軍云々よりも、育成役に相応しい田辺氏、青木氏を現場の指導者として配置したことが大きいですね。まあ、正直、育成守備コーチ、育成走塁コーチなどを含めて、コーチ等の育成関係の指導者をもっと増やしたかったですけど(正式でなくても可)。


 『流出抑制』に関しては、まず十亀がFA権を行使して「宣言残留」してくれました。その理由は、初回交渉で「西武球団が思った以上に評価してくれた」という自分への評価への驚き、インパクトが大きかったと思いますが、そのほかに、自分の成績や年齢、野上などの失敗気味な先行事例なども鑑みて、とも考えられます。しかし、今の西武球団内には、FA権利を取得したら、真っ先にGo!Go!と「FAドリーム」へ突っ走りやすい傾向があるので、十亀の宣言残留は、どこまでの抑止力になるか?わかりませんが、FAドリームの風潮に少しは楔になってくれているかもしれません。


 一方、秋山については、「メジャー挑戦」の夢があるのだから、渡米するならやむを得ず、年齢面などから評価を下げるかもしれませんけど、オファーがゼロということは考えにくく、メジャーの舞台ですから、安価な条件でもオファーを受諾するとは思います。
 ただし、鷹の松田やポスティングで挑戦しようとしていた中島も、交渉がまとまらなかったように、野手の交渉が難しいことも否めません。それだけに、秋山も話がまとまらない、という可能性は残されてはいます。
 秋山には悪いですが、万一、米国球団との交渉がこじれれば、原則的には、西武残留となるでしょうから、もし秋山が残留となれば、今年のFA戦線は西武も勝者になりますね。まあ、国内他球団への選択肢も残るでしょうが、こちらは『論外』の話ですね。


 しかし、今年の『流出抑制』に関する課題は、十亀&秋山だけではなく、来年FA流出の危機にある増田&金子も重要であり、もうすぐ来る契約更新では、増田&金子に対して「複数年契約」を締結するよう努力しなければなりませんね。
 すなわち、今年の『流出抑制』対象は、十亀、秋山、増田、金子ということですね。


 それら対応を図りながら、獅子軍団としての組織力アップは必須課題ですね。


 まあ、日本シリーズで木っ端みじんになった兎軍団は、沢山あるお金を活かしながら、鷹の戦力層の厚さに近づくことはできるかもしれません(ただ兎は、選ばず闇雲に欲しがるけど)。
 しかし、資金力の差を鑑みれば、獅子の戦力層の厚さが鷹のモノと同程度以上になることを実現するのは、相当、時間がかかる話(10年前後とか)であり、時間を費やして上手く行かない懸念も十分あります。


 だからと言って、不確実性が伴うその長時間を待っているわけにもいかず層の厚い鷹に来年こそ勝たねばならないわけです。
 その層の厚さを強化することは行うにしても、鷹と同等以上の戦力増は厳しいから、その他の面で鷹から学ぶこと(金がかからぬモノを含め)はないか?そこが大事な一つになる気はします。


 既にご存知の方も多いと思いますが、雑誌「Sports Graphic Number 989」(11月14日号)に日本シリーズを制覇した鷹に関する特集記事『ホークス日本一の組織学。』がありました。
 ここでは、それらの記事から興味深いところを抜粋しながら整理します。


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【グラシアルの凄さ】
 グラシアルというと、いつもやられているイメージがあるので、戦うときは本当に厄介な脅威的存在です。鷹も面倒な外国人を手に入れてくれたな!という感想です。
 でも、チャンスにも強く、長打力もあり、小技もできて、足は速いし、守備もそこそこでき、結果を出すためには貪欲であり、ハングリー精神がとにかく強く、正直、個人的には、欲しい外国人像です。
 昨年、当初はスライダーに弱く、ロッテあたりはそれで攻め込んでいましたが、今年はもうその弱点を克服してしまい、あっという間に死角が狭まりました。
 なお、スライダーに対する打率は、昨年が60打数11安打で0.183でしたが、今年が83打数26安打で0.313にアップしていますね。資格と言えば、まだカーブが残ってはいます(カーブ打率:昨年0.267→今年0.235)が、緩急を見せて組み合わせていかないとなりません。


 そんなグラシアルですが、「情報」を常に大事にしているようですね。記事では、
『私の成績の80%から90%はスコアラーの人たちが集めてくれた情報によってもたらされたものです。その情報があるからこそ、どういう球を狙って、どのようにスイングするかアイディアを持って打席に入っているんです。』


私が日本で一番勉強したのは相手を研究することです。投手がどういう球を投げてくるかだけでなく、捕手がどんな場面でどんな球を要求するかを研究することです。』


 事前にあれこれ情報を収集し、その策を考えて、あれこれシナリオを想定しながら集中して打席に入るから、色々と対応できるんでしょうね。森のリードも手に取るように見抜かれていますね。


 もちろん、プロの打者なら、事前に色々なパターンを想定して打席に入りますね。西武の打者陣も同様に準備をして打席に入っていいると思います。相手投手の球が目前を通過するのは一瞬ですから、投げてから考えるのは遅すぎ、ノープランで打席に入っても、その球の軌道についていけませんから。
 よほどの天才型(森友哉とか)なら考えなさそうですが、天才型の場合、長けている直感力を活かして、何が来るか?を自動的に見抜くので、自然に球の軌道に対応してきますね。それだけに打席に立っているとき、頭の中がノープランということはあり得ません。


 ただ、そこで興味深いのは、『投手』の情報を把握するのは当然のことですが、グラシアルは『捕手』の癖などもかなり研究しているという点ですね。
 当然、何度も対戦している相手の癖などは経験から把握できるでしょうが、対戦経験に乏しいセ球団相手の情報も映像を見ながら(データ班が情報収集しているかもしれないけど)確認している可能性はありますね。


 またもう一つは、今の時代、データはいくらでも収集できます。裏方のデータ班からそれを集めればいくらでも情報を把握することができます。しかし、あれも、これもとなったとき、そのデータをただ与えられるだけでは使い物にならず、下手したら、そこに意識しすぎて逆効果を生む可能性もあるわけです。


 問題は、そのデータ(情報)を把握するだけではなく、その情報を如何に自分たち用にアレンジして習得していくか?が大事です。もちろん、データと言っても数字ばかりではなく、癖等も含めての情報です。
 例えば、人から与えられたデータのままにせず、自分たちの経験を織り混ぜながら自分たちのデータにしていくこと。それには、試合直前にドタバタして情報を得たって、それはあまり役に立たず普段からデータと接して、日常からそれに関して自分頭で考えておくこと、が重要です。当然、誰かに相談してアドバイスをもらうのもOKであり、それだってヒントをもらって、最終的には自分の頭で考えるわけですから(アドバイスをもらいっぱなしにするのは下の下ですが)。


 ソフバンの場合、普段からスマホ等が各選手に配られており、日常、いつでも見たいときに相手の映像等を含めてデータ(情報)を見ることができます。もっと詳細のデータ(情報)は球団事務所に行かないと見れないかもしれませんが、大事なのは『普段から情報を基にモノを自分の頭で考える・研究する』という習慣ですね。


 その情報は戦う相手関係のモノとも限りません。参考になるなら何でも良く、人によって異なってきます。例えば、Number記事で千賀に関して、こんな一例が挙げられていました。


『千賀はヒマさえあればメジャーの投手の動画を見て、いろんな投手のフォームを研究している。つまり筋金入りの「野球オタク」なのだ。<中略>「えっ、山田さん(元阪急)ですか。知ってますよ。アンダースローの先駆者じゃないですか。数少ないアンダースロー、動画で見てます」さすがは「野球オタク」である』


 確かにソフバンは、通信を得意とする会社だから、そういう支援は強いですが、今のこの情報社会のご時世ですから、そこは他球団だってソフバンほどでないにしても、実行可能な対応です(外注委託費はかかるかもしれませんが)。


 またグラシアルは、中学生の年頃からミリタリースクール(軍隊学校)に通っていたらしく、そこではメンタルをコントロールすること、集中力を保つこと、自分が決めたことを責任もってやり遂げることが重要』と学んだそうであり、それが今に生きているようであり、それがまた厄介ですね。


 あと、現在、FA騒動の渦中にいる福田についても、興味深い記事がありました。このような福田の考えは、特に非レギュラーの選手らに役に立つのではないでしょうか。


 まず彼は、昨年、データを分析して自分のバッティングを見直したそうです。


『福田は去年、自らのバッティングを見つめ直した。それまでは足を活かすために逆方向へゴロを転がす打ち方を心がけていた。しかしデータを分析した結果、自分の長所は引っ張った打球の強さにあるのではないかという結論に達した。そのためにスイングを横振りから縦振りに変えて、打球を上げる本来のバッティングスタイルに戻そうとしたのだ。結果、福田は去年、今年とホームランを増やしている。走って守って、長打も打てる』


 また、福田の自分を高めるための貪欲さに関して、次のような興味深い記事もありました。自らの目で情報を吸収しようとする姿勢ですね。一線級の選手なら当然のようにやっているでしょうが、若手らは見習われたいですね。


『第1戦で千賀がピンチを迎えたとき、第2戦で柳田がチャンスで打席に立ったとき、福田は一塁側ベンチの右端に乗り出して戦況を見つめていた。いつもとは違う位置に立っていた理由は、当然、千賀や柳田に気を送ろうとしていたからだと思いきや、そうではなかった。福田はこう言っているのだ。「ボクは代走でずっと生きてきましたから、あの位置にいたのは、ギリギリの場面でセットポジションに入った投手を一塁ランナーに近い角度から見たかったからです。今は周東が代走の一番手ですけど、ボクも代走でパっと出たとき、初球からスタートを切れるように、あのベンチの端っこで盗塁の意識づけっをしているんです」』


 相手投手の投球タイミングを観察して図るのは当然のことですが、味方の一流投手(千賀)からもモーションを盗めないか?と、自分を高めるために味方投手も研究の肴にしてしまう貪欲さは面白いですね。


 なお、データ(情報)は色々手に入りやすい時代になりましたが、ただデータ(情報)が手に入っただけで満足しては宝の持ち腐れです。それを如何に解析して活かすデータ(情報)にするか?そこが大事です。活かすことができなければ何の意味も持ちませんから。


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【甲斐の策略】
 甲斐については、昨年は「甲斐キャノン」で盗塁を狙う相手走者を圧巻してきましたが、盗塁阻止率が昨年0.447に対して今年0.342と下げていました(森も同様に低下、昨年0.373、今年0.283)が、今年の短期決戦ではリード面で名を轟かせていました(千賀らの協力も得て)。


 今年の日本シリーズでは、マーク対象を坂本と決め内角攻めを敢行しながらそれを坂本に球軌道の残像を残させながら、内角への意識を植え付けて抑えましたね。これはCSファイナルなら、森に対して同様の攻めをしましたね。
 レギュラーシーズンでは、ストライクゾーンの四隅に構えやすかったようですが、短期決戦では、相手を見ながら攻め方をきっちり替えてましたね。


 記事では、坂本が内角打ちが上手いことを記述するとともに、
『セ・リーグのバッテリーは(坂本に対し)「内角禁物、外角勝負」を原則とする。<中略>ただ、甲斐が敢行したのは内角攻めというレベルではなかった。ミットの一部が坂本の右膝に隠れるくらいのところへ構えられていた。「配球」というより、残像を嫌でも相手の脳裏に刻みつけようと、いわば「刻印」だった』と書かれております。


 ただし、このような攻め方は、CSファイナルでも同様のことをやってきました。西武戦では、がターゲットになり、抑えられましたね。このとき、緒戦の一打席目で森がヒットを打ちましたが、これも先発の和田との連携を図りながら、森に内角攻めの残像を残させ「刻印」、その後、森は迷走させる布石だったようですね。


 日本シリーズにおいて、この攻めに関して、工藤監督は『投手が相手の胸元を攻めるというのは、勇気のいる決断なんです。それを甲斐がよく投手に勇気を持たせて投げ込ませてくれました』とコメントしていました。
 なお、千賀の内角への投球割合は、CS1で22.4%、CSファイナルで29.4%、日本シリーズで38.7%と、内角攻めを徐々に増やしています。


 また、西武戦のCSファイナルでは、レギュラーシーズンの攻め方を変えて獅子威し打線にフルスイングをさせないようとも攻めておりましたね。外崎がコメントを残しています。


『ファーストストライクか、2ボール1ストライクのカウントのカウントがフルスイングしやすい』


『シーズン中みたいに2ボール1ストライクのカウントをうまくつ作れていたんですが、いつもはこのカウントでストレートが多いところで、誘い球を投げてきた。点差がついているので、どうしてもつながらなければという気持ちもありますから、打たされてしまったというのはある』


 ただ、一般的には、初球よりB1S0、B2S0とボールカウントが嵩むと「投手不利・打者有利」になるので、打率が高まりますね。
 今年のパ・リーグ全体で見ると、B0S0が0.329、B1S0が0.343、B2S0が0.367ボールカウントが嵩むほど打率がアップします。


 しかし、外崎の場合初球の打率は0.409と高く問題ないのですが、B1S0やB2S0とボールが嵩む「投手不利」のカウントにおいて打率を大きく低下させています(B1S0で0.229、B2S0で0.091)。正直、謎のアップルパンチです。


 ここは推測ですが、外崎の場合、読みと違ったか?というような半端なスイングの見逃し(ハーフスイングで空三振)が散見されやすいです。初球ボールから入って次の球で凡退、ボールカウントが2球続いて次の球で凡退と、ストライクが入っていなくボールカウントが嵩む状態での凡退でもあるから、そのとき『次はストライクで来る!』と読んで、でも実施に来たのは、ボール球で、それに手を出してしまって凡退と、、、ボール先行時は『次はストライク!』と決め打ち思考が強くなるのかな?という気もしています。


 話を甲斐に戻しますが、少なくとも、甲斐は、レギュラーシーズンと短期決戦を使い分けてリードしてきました。確かに捕手のリードへの評価とは、試合に勝ったから称えられ負けていれば批判されるのが常です。ただし、甲斐は『リードに正解はないが、間違いはある』という認識で戦っています。


 甲斐については、試合終了後、帰宅るのは一番最後であり、モニターのある部屋で遅くまで残業をしているようですね。少なくともその日の試合の映像を全てその日のうちに見直しているそうです。


『(日本S緒戦)先勝の夜、甲斐がヤフオクドームの駐車場に出てきたのは、チームの多くが去り、まもなく日付が変わろうという時刻だった。「あいつはいつも大体、いちばん最後ですよ。捕手はやることが一杯あるんです。それにあいつは真面目だから。真面目すぎるから」甲斐とほぼ同じ時刻に帰路についたバッテリーコーチの吉鶴憲治はそう笑った。』


 一方、についても、当然、研究熱心にデータも頭に叩き込み、それを上手く活かそうと努力はしていると、多分、思われます。グラウンドに誰よりも早く来る山川のお迎えで球場に行っているでしょうから、森も自動的に早く来ていると、多分、思われます。
 ただし、森に関して気になる所は、彼は『天才肌』というところですね。それ故に、本来は『捕手に向かない?』可能性は高いです。
 森の場合打撃面では天才児であり、あれこれ考えるより、『無』になって直感で動く方が打てるタイプです(本人も『無』になることが良いと)。
 もちろん、『無』になるといっても、全く頭の中を空っぽにしているわけではありません。長けた直感力で来る球の軌道を感じている(予測している)わけです。


 こういう天才タイプでは、年を重ねて体力が衰えてきたらそれでは困る可能性があり、また調子を崩すとその直観力も鈍るので、今度は考えさせられすぎてさらに負のスパイラルにハマる懸念があります。
 逆に、森もネガティブに考え込むと、大阪桐蔭でのキャプテン時代のように、背負い込んでしまう繊細さがあるので、マイナス面に働きやすいです。CSでは甲斐にやられて迷い続けてました。


 それらを考えれば、森の場合打撃の天才児として『無』になって(直感力に頼って)打った方が良いです。でも、捕手をやっているときは、『無』(直感力に頼ってばかり)になってしまっては困りますね。


 一応、森自身、『打撃と守備(捕手)は別物』(別のスポーツ)と割り切ってやっているようなので、そこを割り切ってやれていることが打撃面でも成績を残しているように、良いと思います。


 ただし、相手の癖も含めてデータ等を頭に叩き込んでいるとは思いますが、捕手をやっているとき、『データはデータで大事ですが、受けていてどう感じたかということを、自分の中では一番大事にしていますね。で、困ったときにデータを頼りにするという感じ。まずは感性を大事にするようにはしています。捕手は、本当に考えることが多くて、頭が痛いです(笑)と述べてましたね。


 まあ「頭が痛いです」というところが、本来なら捕手に向いていないということを示していますね。


 最も優れたデータ(情報)とは、活かせるデータ(情報)であり、自分で間近に体験した「受けていてどう感じたかということ」であり、そこで相手の癖等も含めて頭の中に吸収していくことですね。それ故、捕手の場合、いくら二軍で多くの試合を経験できても、その部分だけは、一軍戦で多く出場しないと得られないから、一軍の経験がモノをいうポジションですね。


 ただ、気になるのは、普段は感性(直感)重視で、データ重視は困ったとき、ということですね。困ったときは、大抵、ピンチです。そこをデータ通り行くということは、相手もそのデータは自分のデータだから、仕掛けられる策を読める、ということになりかねません。そのデータを基盤に裏をかいたり、ひねっていけばまだいいですが、素直にデータ通り正直ベース(弱点)で攻めれば、相手も読めます。また「困ったとき」ですから、森の方にも余裕がなくなりやすく、正直ベースで行く可能性はあります。


 本来はデータがベースとなって、その基盤の上に感性でアレンジしていくことが望ましいです。
 むしろ、普段は基本的な対応でも、困ったときほど、冷静さ&応用力が問われます。まあその応用力は積み重ねた経験(修羅場をくぐってきた経験)に基づいて養われた感性が大事なので、それ故に「ベテランの技」「百戦錬磨」と言われるようになるには『経験』がモノを言うわけで、「駆け引き」が重要となる捕手にはその『経験』が大事です。


 もちろん、獅子の投手陣は、制球力が乏しいから、捕手のリードの前にその投手陣強化が優先的な課題ではあります。でも、森の捕手力も発展途上中ですから、まだまだ伸ばしていかなければなりません。そもそも、前述したように『経験』が大事な捕手にとって、プロのトップクラスの捕手力をモノにするには時間が嵩むのが当然で有り、それでも花が開かないケースも多々あります。


 前述したとおり、打者は事前にどういうシナリオになるか?(どういう球を投げてくるか?)を考えて打席に入ります。でも、その予測には不確実性が伴っており、その不確実性が大きければ投手有利小さければ打者有利となるのが投打の戦いにおいて勝敗の分かれ目にもなります。


 打者は、自分の経験や数々のデータを基に深く考えて次の配球を予測するのか、それとも直感に頼って予測するのか、その方法に違いはありますが、「速いストレートを待って、それ以外の球にはすぐ対応デキるよう備える」とかの基本的なセオリーはありますけど、如何に自分の予測の不確実性を小さくして、タイミングを合わせるか?が肝心になります。


 一方、投手の方は、打者の読み(予測)の不確実性を如何に大きくして、タイミングを狂わせるか?が大事ですね。


 「バッティングはタイミングをとること、ピッチングはタイミングを外すことに尽きる」(byウォーレン・スパーン)という名言もありますね。


 捕手から見れば如何に打者のタイミングを狂わせるか?が大事であり、それは1打席のみならず、その先々の打席にもつながる対応が必須ですね。


 Number記事において、甲斐の巨人・坂本への対応について次のような記事がでておりました。これはCSファイナルで森に対しても同様でしたね。森の一番最初の打席で打ったヒットが甲斐が敷いたその後への布石でした(ヒットを打ったことがさらに甲斐の術中に)。
『1試合平均4~5打席、(日本シリーズ)7試合で30打席、およそ100球以上を紡いでいでシナリオを用意していたという。<中略>「あの人(坂本)に対しての30打席を考えました。そうしたら、もし初戦の最初に何もしなかったら、あとで苦しくなるのは自分の方だとわかったんです。だったらこっちが先に仕掛けてやろうと」シナリオを最後まで描いて逆算したからこと、やるべき事が見えた』


 もちろん、甲斐のやり方を全てマネしろ!と言うつもりはありませんが、前述したことは、一流のプロ捕手なら基本中の基本的な必須対応です。見習われたいですね。



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【選手らが自ら考え・行動する】
 これは西武でも、辻監督が目指している一つでもある内容ですね。黄金時代でもそうだったように、「試合は選手らが作る」という考えの基、監督は選手らに『自主性』を求めていますね。
 その結果、選手同士で多くのことを話す場面が増えています(試合中も含めて)。
 過去の記事の中で辻監督は、次のようにとコメントされています(シーズン総決算号 LionsメモリアルBOOK2018)。


『自分が打席で受けた相手投手の印象を次の打者に伝えるのは、今でも当たり前にできています。守備でもお互いに声を掛け合ってポジショニングを確認するとか、そういった発想は選手の中から自然と出てきていて、良い傾向だと思います。<中略>本人が行けると思って、思い切って判断したことに関しては、それは全然いいんですよ。ベンチで思うことと、選手、、、特に野手の判断は違って当然です。<中略>予測して動くのは当たり前。そこでベンチの指示と食い違っても、自分の判断を信じて動くのであれば、それは選手の判断が正しいです』


 ソフバンについて、Number記事では、次のような記事がありました。


『本多雄一コーチが言った「(選手らは)自分の仕事を全うするために試合の流れがどうなっていくのかを把握して、イメージする能力に長けているんですよ。誰が出てきたらオレが行く、誰が出てきたらアイツが行く、そういう判断を自分たちでできる。そこが彼らの強みだと思います」』


『川島慶三がこう言っていた「レギュラー陣は、控えの僕らがいるから常に気を抜けないんです。控えはスタメンで出ている人を安心」させちゃいけない。それが僕らの仕事だってことは、常に控えのみんなに言っています。監督やコーチも考えて考えて、それでも判断が遅れることはあるんです。でも、そこで「それじゃ、準備できないよ、指示が遅いよ」と言い訳するんじゃなくて、自分で流れを読んで早めに準備して、僕らがカバーするという、そういうところがチーム力に変わっていくと思います』


 以前、森脇がブルペンで準備をするときに、自分で試合の流れを読んで自分の判断で投げるか?否か?や投球数を決めて準備しているとありましたが、似たようなところは西武でもあります。


 選手目線で見れば、それはいいことであり、選手らが試合の流れを読むということは大事であるとともに、選手らの野球力もアップしやすいです。ただし、首脳陣目線からみたら何でもかんでも選手任せすること別問題で生じますけど。


 また、若獅子らに特に見習ってもらいたいのは、次の福田のコメント(姿勢)ですね。福田は、現在、FA騒動の渦中にあり、本人のFA宣言の理由は『レギュラーで活躍したい』という想いが強く、このコメントは、それを裏付けるような福田の気持ちですね。


『人間、慣れって怖いもので、スタベン(補欠)が続くと「もういっか」となってしまいかねない。でも、ボクは絶対にそうなりたくないんです。スタメンから外れるたびに「くそっ、なぜオレを使わないんだ」と思いたいですし、レギュラーの選手を見て「オレはここまでだ」とは絶対に思いたくない。ボクは今までも柳田に勝ちたいという気持ちを持っていますし、ギータも打てなくなったら取って代わられるという危機感が常にあると思います。そういう一人一人の危機感こそが、ホークスの強さになっているのかなと思います』


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【先手必勝のスタンス】
 先発・中継ぎ(セットアッパー&ストッパー)と継投が確立している近代の野球では、基本的に『先手必勝』傾向が強いですね。そして、強靱の中継ぎ陣を有するソフバンは、その基本に忠実な野球展開に持ち込み、『先行逃げ切り』展開で著しく強いですね。
 サファテが活躍していた2017年では、先制したときの勝率が9割以上とかをマークしており、それは今でも同様の野球が得意であり、そのことをソフバン自身が最も自覚していますね。


 そのように鷹戦では『先行逃げ切り』の展開が重要ということは、本ブログでも前々から度々指摘させていただいておりましたが、CSでも日本シリーズでも、ソフバンが得意とする『先行逃げ切り』展開に持ち込み、その強さを存分に発揮されてしまいました。


 西武の野球では、イニング別得点を見てもわかるように、得点も序盤からも点を奪いますが、本格的な猛攻は二~三巡目にあたる中盤が最も多いという傾向です。そして、勝つときには、終盤にダメ押しで畳み込んでいるという傾向が伺えます。


 ソフバンの場合勝つときは序盤から攻めてリードを奪い勝てぬときはその序盤攻撃に失敗している傾向が伺えます。それだけに、鷹自身、自分たちが勝つ野球は『先手必勝』であることを熟知しているから、序盤からリードを奪いに来ることに集中します。全体でも序盤の得点が最も高いです。


 今年、西武がソフバン戦以外のパ他球団相手のとき、3回終了時に「獅子がリードをしていない場合」で試合に勝てる確率は0.477でした(2019/09/09時点)。
 すなわち、ソフバン以外が相手なら3回終了時にリードをしていなくても概ね2度に1度は勝てるという確率です。
 しかし、今年、西武がソフバン戦(CS含む)で3回終了時にリードをしていないと、勝率0.277(5勝13敗)と低迷します。


 ただし、中継ぎ陣が強かった楽天戦も、今年は3回終了時にリードしていないと、4勝10敗で勝率0.286と低かったです。でも、3回終了時にリードしていても、7勝4敗と0.636であり、鷹戦と比べても低く、そこが鷲に対する大きい負け越しに響いてはいますが。


 過去3ヶ年(2017~2019年、CS含む全84試合)を対象にしたら、獅子が3回終了時にリードを奪えていないとき、獅子の勝率は0.216と木村の打率より低い状況になっていますね。


 Number記事では、次のような記事がありました。
『どんなカウントでもがっついているように見えて、西武打線はおしなべてカウント作りが上手い。ところが得点差がついてしまった場合、心理は変化していく。カウント2-2で慎重に腕を振っていた投手が迷いなく打者に向かう。当然、打者はその逆になり、フルスイングを封印するのだ。(相手が)追いかける展開で打ち気にはやる強打者たちを誘いの網にかける。ソフバンの短期決戦の強さは、こうした試合状況を利用した戦い方にある』


『ソフバンのポストシーズンでの強さはとは「選手層」で片づけられる差ではなく、先手を打って優位な試合展開に持っていき、相手を思うようなプレーをさせない短期決戦の戦い方に他ならない』


『「点差があるとバッテリーに遊びができるんで、自ずといいリードになりますね。<中略>流れを持っていかれた影響は大きい」そう語ったのは巨人の岡本だった』


 これら記事の内容は図星であり、一般的にも『先行逃げ切り』が有利な展開と言える理由の一つでもありますね。
 ただし、西武の結果を見ると、ソフバンに対してその傾向が過度であることが伺えます。確かにリードを奪われれば、どんな試合でも心理的に苦境に追い込まれやすいわけですが、ソフバン相手では事実上、序盤戦で「The End!」となりやすい(今年は楽天にも)反面、今年の楽天を除くソフバン以外が相手ならまだ勝負になりますね。その差は何か?
 まず『ソフバン(楽天)に強靭の中継ぎ陣が揃っているから』が最大の理由ですね。
 でも、それ以外と比べてその傾向が著しいのは?それ以外の試合だってリードされると心理的影響は生じるはず!と思うわけですけど、それは『鷹や鷲への苦手意識が強いから』ということが挙げられます。その苦手意識が、そして鷹や鷲軍団の中継ぎの存在に関する認識がさらに心理変化に影響を与えやすくなり、そんな相手にリードを奪われて『焦り』に変わりやすくなるから。
 そして、ソフバンの方は『よっし!先手を奪った』と勢いに乗りやすく、自分たちが『先行逃げ切り』展開を得意にしていると自覚しているので、西武とソフバンの心理的な優位性の差はさらに広がりますね。
 ロッテやオリックスが相手のとき、序盤にリードを奪われても「何とかなるさ」と思えても、ソフバン戦では「ヤバいな」と感じてしまうのもその一環ですね。


 また『先行逃げ切り』展開に強いのは、強靭な中継ぎ陣の存在が大きいですが、序盤から得点を奪える攻撃力先制を許さない先発陣の投手力も備わっていることも理由として挙げられますね。


 いずれにしても、ソフバンに勝っていくためには『先行逃げ切り』展開、『後手必敗』を十分に意識し、それをソフバンにやらせない野球ができるよう戦力を整えることが大事ですね。


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【若手の台頭】
 ソフバンの場合、育成出身者の活躍が大いに目立ちますね。ざっと見て、千賀、甲斐、牧原、周東、石川、大竹と6名もいます。昨年までにソフバンが獲得した育成枠選手は58名いますから、単純に見て(6÷58)、1割も『お宝』を掘り当てているという確率になります。
 まあ、逆に支配下出身は乏しい気もしないでもないですが。


 Number記事では、次のような記事がありました。


『育成に特化した三軍は、独立リーグや韓国のチームなどを相手に年間80試合ほど実戦機会を与えられている。藤本三軍監督は「練習だけで選手の能力を伸ばすのは難しい。もちろん基礎的な体力や技術は必要ですが、何より試合を経験することで選手たちのモチベーションが高まるし、責任感も出てくる」とその意義を語る』


『ドラフト1位の契約金が1億円として、育成選手は支度金が1人250万円。育成選手を40人獲って、その中にドラ1級が1人でも混ざっていたら帳尻は合うんです』


『ずば抜けたもの、つまり、プロで勝負できるだけの武器を2つ以上持っている選手は支配下ドラフトで指名され、その武器が1つだけの選手は育成ドラフトで指名されている。<中略>甲斐は「鉄砲肩」、牧原は「快足」とそれぞれ武器を1つずつ持って育成入団し、そこに足掛かりを作っておいて、その他の要素を根気強く伸ばしてきた』


 西武は今年、三軍を設立しましたが、その方向性は広島型(実戦はしないで基礎を積む)でしたから、ソフバン型とは別になっていきます。現時点では、形だけですが、選手も二軍&三軍の区分けはなく、むしろ、田辺氏&青木氏と育成指導に期待できる指導者が加わったことに意味がありそうです。
 逆に「三軍監督」という役職を作ったことで元監督の田辺氏を当てはめやすかったという面もありましたが。


 そういう意味で、鷹の三軍とはシステムが異なるわけで上記の記事はあまり参考にならなさそうですが、『選手を育てる』という観点より、鷹から学ぶこともあると思います。


『ソフバンの春季キャンプでは、練習中のグラウンドで、スカウトとコーチが話し込んでいる場面をよく目にする。残念ながら他球団ではあまり見ない光景だ。<中略>アマチュア時代の情報、状況がスカウトから的確に現場のコーチに伝わる。これもソフバンのチーム力であろう』


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【その他】
 ソフバンの場合、ホームラン数が多いですが、無死一塁などの場面から、バントやエンドランなど小技も積極的に仕掛けてきます。日本シリーズでも周東の足も兼ねながら小技を活かして得点を挙げてきました。


 Number記事では、今年の12球団別で無死一塁時の作戦企図率(バント、エンドラン、盗塁)のデータがありました。


 ソフバンは、送りバントも多いですが、エンドランも2ケタと多いですね。逆に西武は、バント率は12球団中で11位、エンドランは12位ですね。バントに関して、昨年はもっと少なく、むしろ山賊打線の勢いを活かすべく、大量点狙いの強行策が多く、バント作戦は少なかったのが昨年でした。
 犠打企図数は昨年の56個から今年が91個に増えています。とはいえ、12球団と比較してまだまだ少ないですが、それでも、打線の破壊力と、投手陣の脆弱さ(1点くらいでは足しにならない)を鑑みたら、西武の場合はバント作戦はそう多くなくてもいいころはありますね。

 一般的なアウト&走者別の得点確率を鑑みると、無死一塁からバントをするのは、バント成功率を掛けると、バントしない方が得点する確率が高いです。

 無死一塁の得点確率は40%であり、一死二塁になると39%と得点確率が変わりません
 でも、バントは100%絶対に成功するとは限りません。西武の場合、今年も昨年も成功率が86%ですから、一死二塁の39%にバント成功率0.86倍を掛け合わせれば、結局、バントした場合の一死二塁の得点確率は34%となり、無死一塁の40%より得点確率を下げてしまうという計算になります。


 ただし、ここで注目したいのは『バントをやられる側』『投手側』の目線に立った場合です。すなわち、獅子投手陣vs鷹投手陣の失点する確率についてです。
 無死一塁から失点する確率は、獅子が43.6%であり、上記一般的な数値40%よりやや高いですね。一方、鷹の方が39.5%と上記一般的な数値40%と同程度です。ただし、獅子の方が確率が高いですが、鷹ともまだ4%程度の差です。
 それがバントをされると、前述したように、一般的には失点確率は下がるわけであり、鷹投手陣の場合は、29.4%と10%程度低下してますね。しかし、獅子投手陣の場合バントをされると46.8%と失点する確率が増しており、鷹との比較は17.4%も開いてしまいます
 当然、この問題は、獅子投手陣の重要な課題ですね。


   なお、数字の詳細はこちらをご参照ください。


 また、Number記事では、次のようなことも書かれていました。
『ホークスは金満球団だから-そう揶揄する声があるのも事実だ。しかし、カネを使えば勝てるのか。素晴らしい施設を備え、名前のある選手が数多く揃えば勝てるのか。それだけでホークスの勝ちを語るのはナンセンスだ』


 育成制度も含めて投資額が多いソフバンですから、金がモノを言っていることは確かです。でも、金なら巨人もかけておりますけど、ソフバンと巨人の差は雲泥な差ですね。巨人を見れば、金をかけてもナンセンスな補強(ただのコレクション)、若手の半端な生殺しなど、愚行も多いですね。
 しかも、今回の日本シリーズでストレート負けしたことで、セ・リーグには指名打者制の導入が必要とか、さらなる補強をせねば!とナンセンスな反省ばかりをしていますね。巨人がソフバンに勝つのは、今後も至難の業に見えます。


 またこんな記事もありました。これは見習われたい「心構え」でもありますね。


『日々の取材の中で、ホークスの選手たちが何気なく発する言葉の中に"勝者のメンタリティ"が息づいているのを実感する。「あとは運ですよ」<中略>何人かの選手が口にする。また内川からは「割り切る」という言葉を聞く。特に短期決戦ではその思いが強くなると言った。運任せのようで聞こえが悪いかもしれないが、それは誤解だ。』
『他球団のあるコーチはホークスナインのその心構えこそが、強さにつながると言った。「うちの選手は大事な局面になると「失敗したらどうしよう」「抑えなきゃ、打たなきゃ」となる。ある意味、それは雑念。自分本来のプレーの邪魔になる。ホークスの選手は練習や常日ごろの過ごし方のところから身体も心も準備ができているから「最後は運だ」と言えるんです」』


 確かに練習をこれ以上に無いというくらい積んでいても、自信の無さから「失敗したらどうしよう」「抑えなきゃ、打たなきゃ」となって萎えてしまっている選手は多いです。でも、結局、割り切れない、心の準備ができていない、ということですね。


 ソフバンを相手に投資面や戦力層の厚さなどで追いつくことは至難の業です。しかし、早速、来年にはソフバンに勝たねばならないですし、鷹から学べることは多々あり、その中で獅子でもできることは多いと思います。



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(追伸)
 先日、二部構成で投稿させていただいた【FA制度問題(前編・後編)】の記事について、首都圏でプロ野球観戦さんのブログで挙げて頂き、誠にありがとうございました。

 年棒等の推移や過去と今の日米比較に関して、正確に見て行くためには、首都圏さんが仰るように、物価変動のデフレーター補正為替換算を勘案することが必要ですね。
 グラフで提示したGDPは実質値なのでデフレーターがかかってますが、年棒や市場額に関しては、デフレーターをかけていませんので、比較を行うのに厳密になっておりません。他に読まれる方には、申し訳ありませんが、提示している数字に厳密な正確性が欠けていますから、参考値の程度で見ていただければ、と思います。


 また首都圏さんには、政治的背景を含めた過去の経緯から今の権力闘争の構図(巨vs鷹鷲)などのお話は、大変、興味深いものであり、誠にありがとうございました。


 ご指摘にありましたように『ジャイアンツがうんと言わなければ動かないのも現在の球界』はまさにそうなんですよね。


 西武は江川事件以降、巨人への対抗意識を高まり、松沼兄弟W獲得、清原・桑田のときの情報操作や嫌がらせだけのための江夏横獲りなどの件で色々と攻め込み、黄金時代も築きましたから、当然、巨人としては面白くなかった時代でしたね。
 でも、堤氏の失脚や買収問題、告発されて表面化した裏金問題など色々あって当時から衰退した現在の西武に巨人の独走を止めるまでの力はなく、今後、台頭しているソフバンや楽天がどう出てくるか?はありますけど、ルール作り等を含めて、巨人はまだ強い立場にいますね。


 また、広告業界において、各球団の価値を評価した相場みたいなものがあって、その中で巨人が飛び抜けているというお話は、私自身、そちらの情報に精通しておりませんので、貴重なお話で誠にありがたく、大変、勉強になりました。


 あと、今回の記事に関しては、原監督のコメントを見て、今までの歴史を鑑みると、原監督の要望が実現してもおかしくありませんから「これはヤバいな」という感想を持ちつつ、また選手の権利尊重という大義のもと自動FA化を促す報道が毎年、このストーブリーグの時期に出やすくなっており、今のNPB各球団の経営状態などを踏まえると、今のNPBがその風潮の渦に一気に呑み込まれるのは時期早尚すぎるのと無責任に煽るべきでは無く、導入には慎重さが必要とも思い、1ファンがどうのこうのできるレベルの話ではなく、またFAをどうしていくべきか?の改革案は色々あると思いますが、変な風潮になることに対して、極々僅かでも楔を打ちたかった、という想いで書かさせたところがあります。
 首都圏さんには、その意図を読み取っていただき、本当にありがとうございました。