下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

①レジェンド中村&栗山の『年齢曲線』は?今後の衰えは?/②Aウィンターリーグ終了:山野辺&川越らが奮起。でも『一軍で活躍するレベル』を求めれば、そのレベルではまだまだ物足りないし、長続きせねば意味が無い。もっと貪欲に高みを目指せ!チームの命運が今の若獅子らにかかっている!

①レジェンド中村&栗山の『年齢曲線』は?


 今年は中村再ブレイクと思わせるような大活躍でチームを救いました。栗山も昔のような勢いはなく、出場機会(特に守備)も減りっておりますが、規定打席数を超越し、チームの精神的支柱としてチームへ貢献してくれました。


 この二人の凄いところは、二死の逆境になってからが強く、レジェンドとしての経験を活かして勝負強い点です。山川や外崎、源田、秋山などは二死の方が打てなくなる傾向ですね。しかし、中村&栗山は、二死で自分が倒れたらそのイニング終了という逆境の方いぶし銀の粘り強さ、勝負強いベテランの底力を発揮してくれました。まあ、無死とかでもっと打てそうな気はしますが。。。


※アウトカウント別成績
 秋山0アウト:打率0.339、出塁率0.413、OPS0.936
   1アウト:打率0.327、出塁率0.422、OPS0.894
   2アウト:打率0.232、出塁率0.337、OPS0.732


 源田0アウト:打率0.287、出塁率0.324、OPS0.716
   1アウト:打率0.274、出塁率0.314、OPS0.654
   2アウト:打率0.258、出塁率0.340、OPS0.653


 外崎0アウト:打率0.368、出塁率0.424、OPS0.986
   1アウト:打率0.275、出塁率0.348、OPS0.914
   2アウト:打率0.199、出塁率0.302、OPS0.675


 山川0アウト:打率0.257、出塁率0.324、OPS0.973
   1アウト:打率0.294、出塁率0.423、OPS0.952
   2アウト:打率0.223、出塁率0.389、OPS0.792


 栗山0アウト:打率0.185、出塁率0.265、OPS0.534
   1アウト:打率0.234、出塁率0.296、OPS0.614
   2アウト:打率0.324、出塁率0.420、OPS0.882


 中村0アウト:打率0.250、出塁率0.312、OPS0.740
   1アウト:打率0.296、出塁率0.364、OPS0.914
   2アウト:打率0.306、出塁率0.395、OPS0.977


 彼ら獅子のレジェンドら二人は、来年も年齢との戦いもあり、「1年1年が勝負」と自分を追い込み自分らの力をフルに発揮し、チームへ大きく貢献してくれると思います。


 ただし、彼らも年齢の衰えは隠せません。その衰えと戦う日々であり、それ故に未だに第一線で魅せてくれるわけですが、年齢に伴う衰えの波はあっという間に飲み込まれて、急に下降線を転げ墜ちるように加速度的に力が低下することが多々ありますから。それだけに、いつまでも彼らばかりをアテにはできず、若手の覚醒&台頭が急務でもあります。


 例えば、下図は、近年の栗山ボール球に対する見極率の経年変化です。
(※データで楽しむプロ野球さんのWebより)

 ここ7年で下降線の一途を辿り、今年の36歳時は、29歳時(2012年)と比べて10%程度も低下しております。選球眼の衰えは隠せておりません
 しかし、栗山に限った話をすると、そもそも2012年に示した見極率が86%というのは高すぎます。また、今年の77.3%というのも高いレベルにはあります。秋山が77.8%、外崎や浅村が76.6%であり、栗山自身は12球団で上位23位(パで上位13位)ですから。
 ただし、動体視力は使わなくなると(出場機会が減ると)急激に低下する可能性もあります。それ故に、あまり起用しないとかになると、引退を早める可能性は考えられます。とは言っても、疲労蓄積もありますし、若手との兼ね合いもありますから、そこは休ませるときは休ませてなど、バランス良く上手く使われたいです。


 なお、逆に一軍で台頭できぬ若獅子ら(愛斗、将平、龍世、山田ら)は70%未満ですから、一軍で台頭するにために少なくとも欲しい70%以上のボール球を見極められたいです。


 さて、今日は、最後にアジアウインターリーグの話も添えますが、メインは若手よりも、レジェンドの年齢的な衰えに着目して整理していきます。


 一般的に、実力(成績)については、プロ入りして何年かで成長して頭角を現し、30歳前後でピークを迎え、それ以降、年齢の衰えとともに下降していくのが普通ですね。その推移の曲線を『年齢曲線』とも言います。
 年齢曲線は、どんな指標でもいいのですが、成長→全盛→衰退の推移を上手く表現できると、その選手のその後の成績の推移をしやすくなりますね。もちろん使う指標の一長一短はありますし、何に着目して評価するか?によって異なってきます。


 また年齢曲線に関して、色々な記事や文献がありますね。


 次ぎは、1.02Essence of Baseball(DELTA)でのコラム記事であり、WARを指標にした年齢曲線の話を掲載しています。



 ここでは、WARのみを対象にして各個人の年齢曲線を作成するのではなく、年齢ごとの一般的なパフォーマンスの変化を曲線グラフを作成することを目的にしています。
 それ故、本記事の冒頭にもありますが、ベテランでも年を重ねても実力の高い者とかもいますから、単純にWARを集計すると、全盛期を過ぎたベテランに支えられた年齢の平均値 (あるいは中央値) が、ベテラン選手が全盛期だった年齢の平均値を超える逆転現象が発生してしまう恐れがでてくるそうなので、ここでは単純に年齢別のWARの推移を集計するのではなく、年齢別に前年からのWARの増減を計測し、その累積値をベースとした年齢曲線を構成したそうです。


 2014年から2018年のNPBを対象に年齢曲線を作成されており、下図のようにまとめられています。
 このとき、21歳のシーズンのWARを0と仮定し、条件に当てはまった選手の年齢ごとのWARの増減推移を記録したもののようです。その変化の一覧を年齢ごとに見て、中央値となった選手の値を年齢ごとの代表の値としている。
 なお、下図に栗山と中村の2015年(32歳)以降のWARから同じように算定した結果も重ね合わせました

 上図を見ると、野手の年齢曲線(青色線)と比べて、栗山は下方を推移しており、減少傾向が見られています。中村、大不振時の2016年に大きく下げていますが、その後、回復しています。
 ただし、WARに関しては、入手しているのが1.02Essence of Baseball(DELTA)より2014年以降のデータであり、2013年以前を把握できていません。二人の年齢曲線を見るには、20歳代から把握して表現したいところはあります。


 別の文献を見ると、論文『野球における打者評価指標の経年変化と移籍の影響』(2018、酒折文武,今田一希,山本義郎、オペレーションズ・リサーチ)では、1954年~2017年の全ての打者のデータを対象に年齢曲線を整理しています。


http://www.orsj.or.jp/archive2/or63-10/or63_10_608.pdf


 詳細は本論文をご覧頂けると幸いです。WARやwOBAなどで年齢曲線を作成したかったようですが、データ対象年も多いですから、それら算出時が複雑になるので、本論文では、もう少し簡易に算出できるXR(打者の得点能力を評価する指標)を使って『攻撃力』に関する年齢曲線を作成しています。ただし、XRも打席数次第で変わってきますので、500打席当たりに換算されてます(XR/500と表記)。


 下図は、リーグ毎、過去の名選手毎の年齢曲線を示しています。図4は曲線の形状(タイプ)毎で重ねており、図5~7は移籍した選手を対象に(同一リーグ移籍、違うリーグ移籍、MLB移籍)整理されています。
 なお、図下に本論文で使用されているXRの算出式も併記します。



 上図を見ると、本論文にも述べられているように、28歳前後でピークを迎え、37歳前後以降が下降する傾向にあります。
 また、図2に示すように、リーグ差で興味深いのは、25歳以下に関しては、パ・リーグの方がセ・リーグを上回っているところと思います。対象の生データを見ていないので、セ・リーグの方は対象に「投手」まで入れているかは不明です。ベテランになると選手人数も減ってくるから(若い方が人数が多いから)、その割合あたりで差がでているかもしれませんが、データにはパDH導入以前や巨人V9時代も含まれています。
 その若手の差の理由はわかりませんが、パの攻撃力がセより高いのはそのあたりの若手の差が絡んでいる可能性はあるかもしれません(あまり根拠はありません)。ただし、35歳前後では、セ・リーグの方がパ・リーグより僅かに上回っています


 代表的な過去の名選手の年齢曲線を見ると、最も気になるのは、35歳前後の急落下が目立っていることですね。中村も栗山もちょうどその年齢ですね。


 ただし、XR/500で整理されていますが、本論文にもあるように、年(時代)によってXRのレベルが異なっています。統一球やラビットボールを使っているときなど、1954~2017年の間ではXRの変動幅も10程度は見られます。このため、ここでのXRの大小で時代の違う選手同士を比べることはあまりできないと思います(図4の場合、ピーク期は松中氏の方が山本氏より凄かったとかの評価はNG)。
 また、ここではその時々でのXRを算定していますので、図2のような「全体の曲線」においては、前述した1.02Essence of Baseball(DELTA)でのコラム記事にあったような妙な逆転現象が生じている個人も含まれているということは否めません。


 それらを踏まえると、ここでは特徴(傾向)を大まかに掴む参考程度で捉えた方がいい気はします(35歳前後で急落下しやすいとかの傾向を)。


 さて、栗山中村、ついでに来年30歳になる金子、また来年は渡米濃厚ですが、今年31歳だった秋山に関して、XR/500を図4に重ね合わせてみました。
 ただし、彼ら4人のXRに関しては、本論文の算出式から算出したものではなく、えるてん ( @nf3_Info ) さんがまとめられている「nf3 Baseball Data House」の値を参考にしています。
 そのため、前述した本論文の算出式の係数(1954~2017年対象に設定)と係数が異なります。「nf3 Baseball Data House」の方の係数は、そこまで古いデータは含まれずに設定されていますので。
 しかし、ここではXRの大小を比較するものことを目的にせず、XRの年齢変化に着目(栗山らがピークが何歳くらいなのか?今がどのような変動をしているのか?その後、他選手らの曲線と比べてどんなを変動をしているのか?などに着目)しているので、ここでは算出式の係数が異なるものの、参考までに重ね合わせました。


※栗山、中村、金子、秋山のXRの出典

XR=(0.50×単打)+(0.72×二塁打)+(1.04×三塁打)+(1.44×本塁打)+[0.34×(四球+死球-敬遠四球)]+(0.25×敬遠四球)+(0.18×盗塁)+(-0.32×盗塁死)+[-0.090×(打数-安打-三振)]+(-0.098×三振)+(-0.37×併殺打)+(0.3×*犠飛)+(0.04×犠打)
XR27=XR×27/(打数-安打+犠打+犠飛+盗塁死+併殺打)


 栗山の結果(22歳以降)を見ると、上下変動があるものの、30歳くらいまでは概ね横這いでピークを推移していたようですね。しかし、32歳(2015年)以降から下降線の傾向が見受けられます。それでも、今のところは、緩やかな下降線を辿っているので、まだやれるとは思いますが、松中氏や柴田氏のように、来年(37歳)以降は急落下をする可能性は否めませんね。
 ただし、自分にストイックなタイプですから、どこまで衰退と戦えるか?今の状況を維持できるか?ですね。


 中村の結果(22歳以降)を見ると、26歳(2009年)にピークを迎えていますね。その後も上下変動が激しいですが、高い値(めちゃめちゃ頑張った値)を見ていくと、27歳以降が下降線を辿っています。ただし、中村自身、その2009年のピーク時のXPを見ると、その年の12球団で断トツのトップでしたから、下降線に突入しても、そのピーク時の預金で凌いでいた面はあります。
 問題の焦点は、ここ2ヶ年で再び上昇傾向にあることですね。そのまま同レベルでもう1~2年を推移してその後に衰退していく可能性は考えられます(上図の水色矢印)。
 ただし、それ以前の値の高い年と比べると、復活しても今の方が低い傾向にあります。でも、そこの差は係数(重み付け)が高い『本塁打数の差』は響いており最近は、無理に本塁打より安定した軽打を狙ったりもしますから、のまま下降線を辿らぬ可能性も考えられます。
 しかし、逆に昔ほど本塁打を稼げなくなっているのも年齢的な衰えが響いているわけですから、やはり来年から下降線を辿る可能性も否めません。


 ある意味で、今年のおかわり君は、無理に一発狙わず、軽打狙いなど、安定感のあるバッティングスタイルに変更しています。それは年齢と共に衰えるのだから、剛速球投手が高齢化して変化急投手になること(松坂?)もあるように、年齢と共にスタイルを変えるのは結果を出す早道でもあります(松坂は結果が出てないですが)。


 その打撃スタイルの変更により下降線の程度をどこまで抑えられるか?がカギを握りそうですね。
 山本氏のような緩やかな曲線を描くのか?それとも、松中氏のような急落下の曲線を描くのか?
 どちらに転ぶか?わかりませんが、若手の台頭は急務ですね。

 


 金子に関しては、ここ2年が落ちていますけど、全体的にはまだ上昇傾向にありましたね。問題は、来年30歳を過ぎてからの推移ですね。まだアップさせることができるのか?(そうなって欲しい)。それとも、横這いになるのか?下手したら、下降線を辿るのか?
 正直、読めません。

 秋山に関しては、松中氏と似たような形状の曲線を描いておりピークが3年前(2017)であり、ここ2年が下がり始める兆候を示しました。低い値を結んでみると、若松氏のような形状の曲線を描いているとも見えます。
 来年からはMLBでしょうが、もし、今後、松中氏のような急落下曲線を描くと、MLBでも厳しくなりますね。



 まあ来年、秋山は存在そのものが居なくなっている可能性が濃厚ですから、その流出そのものの影響が大きすぎますから、話は逸れてしまいますね。


 問題は、ベテランの栗山中村であり、来年、奮起はしてくれてレジェンドの味を出してくれると思いますが、下降線になる可能性も否めません。それが松中氏のような急落下になってしまったら、獅子威し打線の戦力はズタズタにダウンし、スカスカになってしまいます。衰えというのは、急に来たりしますから、その急落下は否めません


 レジェンド二人に関しては、疲労を溜めさせず(交代やDH等で負担低減)、衰えさせず(使わないと衰えは一気に来ます)、上手く活用してもらい、でも、それだけではチームは厳しくなりますので、若手覚醒・台頭の早期実現(来年、覚醒・台頭できないは超NG)が急務ですね。


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②Aウィンターリーグ終了


 ところで、若手というと、アジアウインターリーグが終了しました。打撃面に限ると、川越山野辺が活躍して頑張っていました


 成績を抜粋すると、率関係に着目すると、山野辺の方が優れていましたね。


川 越:打率0.367、出塁率0.441、長打率0.700、OPS1.141
山野辺:打率0.389、出塁率0.436、長打率0.778、OPS1.214


 守備面の課題(守備下手に伴う使いにくさの課題)は残っていますけど、打撃面では早期に覚醒して欲しいですから、打撃で活躍されたのは楽しみでもあります。


 ただし、川越の場合、今年の二軍戦でもそうでしたが、6月とかに目覚めるように安定した打撃を魅せたんですよね(絶好調でした)。しかし、7月に入った途端、その好調ぶりがウソのように、パッた!と勢いが止まってしまいそこから不調街道をシーズン最後まで突っ走りました
 結局、好調は1ヶ月だけと一時的なもので終わり、長続きしませんでしたね。
それを考えると、今回のアジアウインターリーグでの好調ぶりも、それはそれで良かったけど、まだそれだけで判断するのは早計であり、しっかり安定した打撃を長続きできるか?が肝心の課題になります。


 それは山野辺にも言えますね。まあ、山野辺の場合目覚め始めた8月以降、打撃面では安定して打っているので、川越ほど心配はしていませんが。


 ただし、来年は、何が何でも、絶対に、確実に、100%の確率で、若獅子(野手なら2~3名以上)が覚醒し1軍で台頭してもらわねば困る状況にあります。


 ましてや、野手に関しては、うちは投手陣がネック(脆弱)なので、打てなければ終わってしまうチーム事情ですから、それだけに、高望みをすること(特に野手には)を述べます。


 一軍で活躍することを見据えたら、アジアウインターリーグでこの成績で満足してはダメです。打率で見れば、二軍戦成績の1割増しくらいは当たり前の低レベルです。


 川越にしても、日本プロの白組からは6打数1安打です。そこで打ってくれないと。二軍レベルの域を脱するなら、6打数3安打くらい。


 実際に、オリの吉田正は、このリーグで18試合に出場して打率5割5分越(0.556)でした。当然、吉田正レベルになるのは難しく、そこまでは高望みしていませんが、少なくとも打率で4割は超えなければ、二軍レベルの域を抜けることができているとは言えません。


 確かに二軍成績が一軍成績に直結するとは限らぬことが多いです。特に投手の場合、起用方法も違ってきますすから。ただ、野手の場合、投手ほど一二軍での事情の違いは少ないだけに、打率や出塁率が二軍戦で低ければ、一軍戦でも厳しい面はあります。


 今の主力一軍選手(秋山、山川、中村、栗山、外崎、岡田ら)のブレイク前の二軍成績を見れば、粗削りでも『一軍で活躍しそう!』と期待できる優れた成績を残しております木村でもそれなりの成績を残しています。


 しかし、今年の二軍成績(野手)は、愛斗&将平が木村のブレイク前レベルにやっと追いついたけど(抜かしてはいない)、他の選手の二軍成績は、木村に届きすらせず、糞成績になっています。
 当然、秋山、山川、中村、栗山、外崎、岡田ら)のブレイク前のレベルには及んでいる若獅子は皆無でした。


 すなわち、チームとしては、獅子(野手なら2~3名以上)の覚醒・台頭何が何でも、絶対に、確実に、100%の確率で早期実現することが急務になっており、チームの命運が今の若獅子らにかかっていると言っても過言ではない状況なんですが、
今の状態(シーズン終了時)では二軍戦で『一軍で活躍しそう!』と期待できる優れた成績を残した者は皆無であり、まだまだ超えなければならぬ壁が高すぎるレベルにあるということです。


餅食って、焼き肉食って、酒飲んで、のんびりしている暇はありません。急ピッチで自分を追い込んで努力しないと!もっと貪欲に高みを目指せ!