下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

命運を分けた「西武園ゆうえんち」と「としまえん」/大改修する「西武園ゆうえんち」と閉鎖方向の「としまえん」

現在、「西武園ゆうえんち」は、
21年に新装オープンに向けて約100億円を投資の大改修中ですが、
「としまえん」は閉園方向で進むことになりましたね。

としまえん閉園へ 跡地に「ハリポタ」施設
2020/2/3 9:33(日経新聞)
 西武ホールディングス(HD)がグループ企業の運営する遊園地「としまえん」(東京・練馬)を2020年以降、段階的に閉園する検討をしていることが、3日分かった。跡地の一部には米映画大手ワーナー・ブラザースが人気映画「ハリー・ポッター」のテーマパークを23年春にも開業し、東京都が防災機能を備えた公園を整備する方針だ。ワーナーと西武HD、東京都などが交渉を進めている。
 としまえんは1926年に開園した遊園地で、プールや温浴施設を備える。としまえんのプールや遊戯施設を順次閉鎖して、西武HDグループが保有する約20万平方メートルの敷地の一部をワーナーが借りて、映画撮影に使われたセットを再現したテーマパークを建設することが検討されている。残りの土地は都が買収して、一帯を大規模公園として整備する方向だ。
 テーマパークは映画のセットを再現したスタジオ型になる見通し。ロンドンにある「ワーナー・ブラザーズ・スタジオ・ツアー ザ・メイキング・オブ・ハリーポッター」に続くテーマパークになりそうだ。乗り物のアトラクションがある米国のユニバーサル・スタジオや大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)とは違うタイプになる。
 USJのハリー・ポッターの施設は14年に開業した。米TEAとAECOMの調査によると18年のUSJの入場者数は1430万人。ハリー・ポッターは魔法使いの少年が主人公の作品で1997年に発行され、日本では99年に翻訳版が出版されてベストセラーとなった。
 国内のテーマパークでは東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)とUSJが好調な一方で、中小の遊園地は苦戦している。としまえんの入場者数はピークの92年度には約390万人だったが、18年度は112万人にとどまった。


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「としまえん」というと個性的なCM、
ときには、わけのわからぬCMでも有名でしたね。

個人的には、子供の頃にちょこちょこと行きましたが、
愛着としては、近所の「西武園ゆうえんち」の方が遥かに上でした。


歴史は「としまえん」の方が古く、
プールが昭和4年から開業され、
西武鉄道の前身・武蔵野鉄道時代に買収しています。


一方、東京都は昭和32年(1957年)12月に
防災拠点などの方針を掲げる「練馬城址公園」の計画を
都市計画公園として決定しており、
「としまえん」はその区域内に含まれていました。
ただし、計画策定後は何十年も事業が進むことはありませんでした。
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/keikaku/vision/vision_soan.files/29keikaku-17.pdf


しかし、平成23年(2011年)3月の
東日本大震災により事態が動き出しました


平成23年(2011年)9月9日、東京都がとしまえんの敷地を買収し、
「練馬城址公園」として整備する方針が一部報道されました。


さらに、その3ヶ月後の 12 月、
東京都は、「都市計画公園・緑地の整備方針(改定)」において
避難場所 として指定されている「としまえん」を含む
練馬城址公園を事業化する意向を明らかにしました。


 東京都は新たな事業化にあたり、東日本大震災を踏まえ
「首都東京の防災機能の強化(避難場所 等となる公園・緑地の整備促進)」と、
「水とみどりのネットワークの形成」を方針に掲げました。


そして、都市計画公園「練馬城址公園」として
都市計画決定されている区域 26.7ha の うち
 21.9ha を平成 32 年度(令和2年度)までに事業化
(都市計画公園としての事業認可取得)
を図る「優先整備区域」として設定しました。



それでも、当時の西武ホールディングス
としまえんの敷地を売却するつもりはなく、
そのまま営業を続けてきました。


ただし、「としまえん」の周辺は住宅密集地であり、
幅員4m以下の道路や袋小路が多くあり、
東側に接する豊島園通り(幅員 11m程度)以外に
幅員8m以上の道路はなく、
避難や消防活動、 延焼防止等の面で課題を抱えていました。


それだけに東京都としても、再開発を行いたく、
平成 32 年度(令和2年度)までと決めていた
都市計画公園としての事業認可取得の実現を目指していましたね。


ところで、
その平成 32 年度(令和2年度)という目標年度は
一体、何なんででしょうか?


おそらく、震災直後の平成23年7月に策定した
「東日本大震災からの復興の. 基本方針」において
復興期間が平成32年度までの10年間と定められているからでしょうね。


その期間までに事業認可取得を成し遂げたいというところでしょう。
とにかく事業認可を取得できなければ、調査までは出来ますけど、
事業として進めることができず、全ては絵に描いた餅で終わりますから。


さて、「としまえん」の売り上げや集客状況はどうだったのでしょう?


下表は2015年(平成27年)の遊園地の収入高ランキングです。

「西武園ゆうえんち」と「としまえん」の合算のため、
どちらがどうなのか?足を引っ張っているのか?
よくわかりませんね。
14年→15年では微減するも、15年→16年では微増と、
横這い傾向の雰囲気ですが。


来場者数は、
平成4年度をピークに来場者数の減少傾向でしたが、
一昨年度(平成29年度)は
「としまえん」が94万人と100万人を割っており、
「西武園ゆうえんち」が50万人でしたけど、
昨年度(平成30年度)は
「としまえん」が113万人と回復しましたね。
(西武園ゆうえんち49万人)


業界全体では、
東日本大震災後の平成24年(2012年)以降、
7年連続で市場拡大中、単価上昇に加えて入場者数が3年振りに上向き、
平成30年度(2018年度)の市場規模は700億円を超えていました。


「としまえん」も
バブル期のピークに比べたら減少していても、
まだやっていけそうな気もしますが、
維持管理費等も嵩みますから、
そこまで儲けは出ている様子がなさそうですね。


【(株)豊島園】


いずれにしても、
今までは東京都からの敷地購入要望だけでしたが、
今回は、ワーナー・ブラザースも出てきて急展開となりましたね。


まだ正式な発表はないですけど、
東京都が跡地を購入後、
一部をワーナー・ブラザースが借地し、
ハリー・ポッターのテーマパーク運営という話が出てきて
「としまえん」の段階的閉鎖の話が促進されましたね。


ハリー・ポッターが儲かるのか?わかりませんが。


実際に西武側はどう判断するのか?
ですね。


敷地が約20ヘクタールですから、
単純に地価でざっくり考えると、
700億円以上の収入が見込めそう???
(※実際は用地用途によって異なる)


少なくともメラド&西武園ゆうえんちの
改修予算280億円は回収できますね。