下手の横好き(馬と獅子が好きです)

主に西武ライオンズ、競馬のことを主に書いています。

【A村問題対策】策としては『逃げるは恥だが役に立つ』の視点もときには必要かも。tthgさんのご意見を聴いて合点!「どちらでも転がれるんだ!」と思えば一杯一杯にならず力まず実力を発揮しやすいかもよ。もちろん、逃げるも逃げぬも強き気持ちを持って『徹底的に』敢行することは大事。それは暴れん坊マーティンにもあの田中バントの場面で言えること。

この3日間、鷲戦カードでも奴にはやられまくりました。
今年の大宮球場においては、
奴のお立ち台で始まり、奴のお立ち台で締められる
という屈辱以外の何物でもない大惨事となりました。


現在、奴のパ球団別成績を見ると、


打率    本塁打  打点  OPS  
西 0.308  西 6  西 16 西 1.038
ロ 0.301  日 5  オ 13 オ 0.961
オ 0.288  ロ 5  日 12 日 0.918
日 0.246  オ 5  ロ 11 ロ 0.914
ソ 0.200  ソ 1  ソ   7 ソ 0.518


現在、獅子は
完全に奴の大好物な獲物になっています。

情けないo(>< )o o( ><)o


奴のコース別成績です。
(データで楽しむプロ野球さんHPより)


穴は内角全般アウトローですね。


でもアウトローは、
昨年、DeNA宮崎の打撃方法を見習ってから
合わせ打つことができるようになっているので
『穴』というよりは、
『他より比較的マシ』というところですね。


奴が多くやってしまう併殺を狙いのときなどで使いたいですが、
その前に内角攻めをしっかりやっておいてから、など
布石条件がついてきます。


基本的には内角攻め必須です。
とはいっても、
高めで中に入ってしまえば、長打コース
内に入りすぎてしまえば、与死球コースとなりやすいです。


しかし、上図のように奴は外角を苦にしませんから(むしろ大好き)、
外一辺倒では抑えられません。
それ故に、長打や与死球が怖くとも果敢に投げ込みたいです。


3回表の一発外角の高め釣り球を痛打されましたが、
釣り球も内角を攻めたかったです。
釣り球は見せ球ですし、それで内を意識しますから。
見せ球で打たれてはきついです。


逆に初回は抜け球でしたが、初球がインハイに入り、
2球目で外角の緩いカーブで打ち獲りました。
緩い球でタイミングを狂わせましたが、
初球のインハイも効いていたと思います。


奴の移籍が決まってから、
監督自身も「内角を攻める」と言っていましたが、
そのとき、
奴は「(西武に)内角を投げ切る投手がいますかね」と答えており、
現状はまさに奴の言うとおりになっており、
それが前述の成績に露呈されていますね。

バカにされたとおりになるとは情けない
o(>< )o o( ><)o


昨日は中田がマスクを被っていましたが、
森のときも外角攻めが見られていますね。
森の場合、特に制球力の乏しい投手の時には
内角ではなく、外角攻めが目立ちます。


今井が投げているとき、
令和初完封時以降を見ると、外角攻めが多い傾向です。


ただし、奴への対策はそれだけだろうか?
バカにされても、悔しすぎても
「(西武に)内角を投げ切る投手がいますかね」という
奴の発言は、獅子の現実を的確に示唆しています。


そこで、個人的に、普段、Twitterで仲良くさせていただいている
tthgさんの6回表の場面では『敬遠策』というご意見を聴いて、
仰ることに一理あるなぁ、と思いました。


正直、私自身、試合を見ているときに、
あの6回表の二死三塁(投手ヒース)において、
奴への敬遠策について、あまり頭にありませんでした。
如何に抑えるか、の方が強かったです。


でも、tthgさんにご指摘を受けて、
「6回表の場面で奴には『敬遠策』はあり」と合点しました。


なお、個人的な都合ですが、
今回はtthgさんとやりとりしたTwitterで記載したことを
ブログの中で再整理して残すことも見据えて
ブログ記事にしておりますので、あしからず。



6回表の二死三塁の場面で、
もし奴を敬遠することは、
一三塁になり守りにくいですけど
tthgさんが仰るように
二死なら敬遠の価値はあります。


そこで、興味深い知見があります。


その中で、
昔の巨人で王氏を敬遠すべきか?否か?に関して
敬遠後における
得点期待値得点確率を計算されております。


ただし、この計算については、
王氏の次打席は、高田繁氏が入るという前提です。
1973年のデータで計算されています。


結果一覧表


左が得点期待値、右が得点確率の面から見た結果です。


○印が王と勝負した方が良いというケース、
×印が王を敬遠して高田と勝負した方が良いケースです。


むろん、敬遠対象が強打者じゃない場合、
すなわち、故意でない与四球の場合、
それはピンチを広げるだけなのでNGです。
(木村を歩かして、金子で勝負とか)


例えば、
6回表と同じ走者が三塁にいて二死の状況だったら、
王を敬遠することは
得点期待値として0.081点を得していると、
得点確率として確率0.086を高めているとなります。
すなわち、
得点期待値及び得点確率の双方で
敬遠有利ということを示しています。


では、同じ走者が三塁のとき、無死や一死の状況では?
得点期待値の面では
敬遠をすると0.100~0.113点を損するので不利ですね。
でも、得点確率の面では敬遠有利となります。


それらを見ると、無死三塁一死三塁では、
敬遠すれば得点確率は減りますが、
失うときは被害が大きい(点が多い)ということです。


すなわち、走者三塁の場合、
二死なら敬遠有利であり、
無死や一死なら、
序盤なら敬遠より勝負をして、
1点が重くなりやすい終盤
絶対に1点もやりたくない場面では
(獲られたらしょうがない)
敬遠の方が良いということですね。


その他のケースも含めて考えると、
×印(敬遠有利)が全般的に
得点期待値の面で少なく、
得点確率の面で多いという傾向は
無死三塁や一死三塁で前述したように
敬遠すれば得点確率は減りますが、
失うときは被害が大きい(点が多い)
ということが言えているわけですね。
当たり前と言ったら、当たり前の話ですが。


強打者との勝負を避けて、
それより弱い打者との勝負を選んでいるのですから、
敬遠すれば得点確率は減ります。
でも、ピンチを広げていますから、
失うときは被害が大きい(点が多い)です。


もちろん、打者が変われば数値&評価が変わります。
奴&ブラッシュ王&高田の違いはありますから。


もう一つは、実現性の問題がありますね。
「敬遠が有利なんだ」という認識(自信)と
勇気を持って、強い気持ちで敬遠を敢行できるか?ですね。


上表に従えば、1点もやりたくないという終盤、


得点確率を低下させたいので、
「敬遠をした方が有利(×印)」のケースが多々あります。


もし『敬遠策をとっていく』という方針を選択すれば、
昨日の6回表二死三塁の打席に限らず、
そういう局面は多々生じますから、
下手するとゴジラ松井の全打席敬遠とかのように、
「終盤は全打席敬遠」とかいうことも出てしまいますね。
そうなれば、当然、周囲からの重圧、風当たりは強まります。


そこは勝負勘を研ぎ澄まして
ケースバイケースで対応せざるを得ません。
(無責任な言い方ですけど)


ただし、ここが大事なんですけど、
投げる側の心理状況として、
①絶対に奴と勝負をしなければならないんだ!
と思って投げるのと、
②奴と勝負をするけれど、
 いざというとき(ヤバくなったら)
 逃げる(歩かせる)こともできるんだ!
と思って投げるのとでは、
違いが生じてきます。
※ただし、対象は超強打者に限る


無論、投手自身の性格によっても大きく違うでしょう。


勝ち気な性格で、追い込まれた方が力を発揮するタイプなら、
②の考え方では油断が生まれるので、
①で自分を追い込んで勝負した方がいいです。


でも、力んで自滅しやすいタイプなら、
①を思いすぎてしまうと自ら崩壊するので、
②の考え方で少しゆとりを持った方が力を発揮しやすいです。


ちなみに、うちの獅子投手陣には、
後者のタイプが多い気がします。
特に、奴(鷲)が獅子戦で強いのは、
奴が古巣相手に燃えて挑んできて、
周囲もそれに同調して、
かつ昨年までカモられた悔しさも起爆剤となって
奴(鷲)が奮起してくるのも大きいですが、
こちらが奴を恐れていることから
メンタルが一杯一杯になって余裕が無くなり、
結局、半端な勝負になっていることも一因と思います。


いざというときは
『逃げてしまえばいいんだ!』
と思うことも大事であり、
それが心にゆとりを生み、一杯一杯にならず
自分の力を発揮しやすくなる効果
の可能性は考えられますね。


まさに『逃げるは恥だが役に立つ』です。

ただし、
逃げるときは徹底的に逃げること、
勝負するときは徹底的に勝負することが大事
です。
一番やってはいけないのが、
逃げた気持ちで勝負をしてしまう、
半端な勝負をしてしまうこと
であり、
そうなると、奴にガブっと食われてしまいます。


すなわち、上記でいう『逃げる』というのは、
嗚呼、この苦しい場から早く離脱したいとかではなく、
戦術上での『逃げる』いわゆる「一時撤退」みたいなものです。


だから、前述したように
自信と勇気を持って、
強い気持ちで敬遠を敢行できるか?

がカギになるわけです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なお、このような話は
『敵のバント作戦』でも通じる話です。


やはり、当たり前の話ですけど、
相手がバントをしようとすると、
簡単にバントをさせたくない!という気持ちが出てきます。
また、バントをされてしまうと
進塁されているのですから、
嫌だなぁ!という気持ちになってきます。


昨日の西部劇『荒野のマーティン劇場』では、
バントを警戒するあまり、
力みまくって、制球することができず、
与四球と目も当てられぬ結果になりましたね。
(一昨日もそうで、あれは嶋が手を出してくれて助かりました)


一般的においても、マーティン劇場ほどではなくとも、
簡単にバントをさせたくない!という気持ちから
投球が力んでしまってハズしてしまって
カウントを悪くすることはありますね。


そして、バントが成功されてしまうと、
得点圏に走者を置くので、
かなりの神経をすり減らし、
精神的にも一杯一杯になってしまい

結局、力んで実力を発揮できず轟沈
というケースは多々ありますね。


ただし、バントが成功されようが、
そんなにガチガチになる必要があるか?

というケースも多々あります。


バント作戦の場合、
三塁に走者を置くのであれば、
バント成功後に様々な作戦(選択肢)が増えたりして
嫌だなと思う投球を強いられたりしま
すが、
バント作戦の全てが
攻撃する相手有利に働くか?
というとそうではありません。


『バントは手堅く1点獲るための作戦』
という伝統的な定説はありますけど、
「1点を獲る」という『得点確率』の観点からでは、
むしろ『バント』によって
『一死献上』することから

逆に『得点確率』を低下させること
すなわち、投手側から見て
『バントしてくれてありがとう』

というケースも多々あります。


例えば、一般論で話をしますが、
「勝てる野球の統計学 セイバーメトリクス(岩波書店)」では、
2004~2013年までのNPBにおける状況別(塁別)得点確率が記載されています。


無死一塁で得点する確率40.6%となっています。
そこでバントを成功させれば、一死二塁になりますね。
一死二塁で得点する確率39.6%となっています。
無死一塁でも、一死二塁でも
得点する確率は概ね4割とほぼ同程度
です。


ただし、バントを行うということは、
バントが成功するか?否か?も関わってきます。
今年のパ球団平均で考えると、
バント成功率は85%程度です。
ちなみに、
一番低い球団でハムが80%
一番高い球団で獅子が90%です。
概ね8~9割の成功率と考えられますね。


もしバント成功率を85%と仮定すれば、
無死一塁の場面から
バントを成功させて一死二塁から得点する確率は、
4割×85%=34%となり、
『無死一塁ではバントしない方が
 得点する確率は高い』
という結論が得られます。


オッズが1.0倍とギャンブル
バントが成功する?しない?という賭けをするようなものです。


まあ単勝オッズ1.0倍の馬に
記念馬券で馬券を買う、というのもありますけど・・・


昔、ナリタブライアンという三冠馬が
菊花賞の前哨戦・京都新聞杯で
単勝1.0倍に推されて、2着ということがありましたが。。。

1994年 京都新聞杯 ナリタブライアン敗れる(実況 杉本清)


すなわち、
『無死一塁からバント作戦を講じる』というのは、
攻撃する側にとっては自ら得点チャンスを減らしており、
守る側(投手)にとっては
『一死を献上してくれてありがとう』ということになります。


だから、昨日のKマートの場合、
『とっととバントさせちまいな!』と言えます。
これはKマートに限らず、
普段でも言える可能性が高いということです。


下記に挙げた記事のDeNA戦でも
石川を与四球で歩かしてしまいました。


そのバントする、しないの得点確率の差は
打席にいる打者が
安定して打つ者になればなるほど広がっていき、
バントしない方が有利になります。
逆に弱打者になればなるほど、差が縮まります。


だから、逆に外崎や源田らにバントをさせることは、
決して『手堅く1点獲るための作戦』ではなく、
むしろ『得点確率を低下させる愚策』といえます。
(下記をご参照下さい)


というのも、一番の理由としては、
野球は1イニングが
アウト3つまでと決められたスポーツですから、
そのアウト3つのうち、
1つを自動的に献上する
という影響が大きいんですよね。


上記文献を見ると、
走者が二塁にいるときの得点確率は
無死の場合が58.9%ですが、
一死になると39.6%、
二死になると21.1%です。


結局、アウトを1つ重ねる度に
20%ずつ得点確率を低下させている

ということになります。


以上のような背景を鑑みれば、
投手の心理的状況から見ると、
バントの有効性がバントしないときより
下がる可能性があること
を頭に入れておきながら、
相手が無死一塁などで
バント作戦を講じてきた場合、
そんなに慌てる必要はなく、
一塁でアウトを着実に稼ぎたい
です。


そして、バント成功された後は、
もちろん得点圏に走者がいるから注意はするけど、
「嗚呼、ピンチが広がってしまった!」と思って
一杯一杯になる必要はなく、
むしろ
「バントしてくれてありがとう」くらいの気持ちで
そんなに慌てず冷静にプレーして欲しい

です。


「バントしてくれてありがとう」くらいの気持ちになること
それが心にゆとりを生み、一杯一杯にならず
自分の力を発揮しやすくなる効果
の可能性は考えられますから。
(自分を追い込んで奮い立たせるタイプは
 「ピンチになった!」と思う方がいいかもしれないけど)